2024.1/18

スプリセル(再)20mg119日目




今日は病院病院




着くなり、いつものように看護師さんが様子を聞きに来てくれて、相変わらずの1週間だったって話すと…




「そっかぁ、つらいね…。実際経験しないと本当のつらさはきっと分からないよね。教科書で習うようなことだけで、全部分かってあげられなくてごめんね…」




そう言われて、泣きそうになった。





半年前、ずっと目標にしてた職場復帰が現実から遠ざかってメンタル崩壊してた時に話を聞いてくれた看護師さんだった。





「仕事はあれからどうなったの?」




「自動解雇になってしまって…」




「自分からやめるって言ってないのに?」




「もうしょうがないです…」




「そうだったんだ…。でも、体が一番だからね…」






『しょうがない…』




仕事復帰も出来なかったし、治療も結局うまくいかなかった。




やるだけやったんだから…もうしょうがない。






診察に呼ばれたのはそのすぐ後で、何やら神妙な面持ちの先生からIS値(白血病の数値)の結果が渡された。





「今の抗がん剤を今の量だとこれ以上よくなることはないかな。ここが限界なんだろうね…」





2ヶ月連続で数値が悪かったから別にもう驚かなかった。




すぐ元気になって仕事復帰出来るって信じて治療のために和歌山から東京に帰ってきた時は、こんなこと1ミリも想像してなかったんだけどな…。




すぐ戻れるって思ってたから、借りた倉庫に家具預けて実家に戻ってきたけど、もうあれから1年半…。



和歌山に戻って働くなんてやっぱありえないってもうよく分かった。





今回の結果がまた悪かったら、もう預けてる家具を整理しようと思ってるってこの前親に話したところだった。





お母さんは、再出発するときまで実家に置いておけばいいって言ってくれたけど、




そんな日なんて多分もう来ないよ…。





「…もう今の抗がん剤で終わりにしたい…もう疲れた…」



 


いつも励ましてくれて、ずっと治療法を模索し続けてくれた先生に『これ以上やっても意味ない』ってそこまでは言えなかった。





引っ越し作業で2日間、和歌山に行きたいって伝えたら、出発する2日前から抗がん剤をやめて、帰ってきた次の日から再開するように言われた。




たった1週間も休薬は許されなかった。





「じゃあ、和歌山から帰ってきたら最後に今の抗がん剤を増量してみよう。でもね、今でもこんな状態だから増量しても副作用つらいと思うんだけど…。まだアイクルシグの方がいいんじゃない?」




「もうやめたい…アイクルシグに変えたら今度こそいけるって先生は思うの?」





そしたら先生何も言わなくなっちゃって…




よくないこと言っちゃったのかな…。





でもアイクルシグだって既にもう2回も中止してるし、増量したってもうこれ以上抗がん剤を繰り返したって、どうせ治らない。




つらいだけじゃん…。





もうしんどい…。




もうやめたい…。





全部やめたいよ




頑張ったって治らないじゃん。





だからこれでいい…。





もうやめたいって言えて、気持ちが少し軽くなった気がした。