2022.11/14
セムブリックス休薬3日目



セムブリックス(抗がん剤)が急遽中止になって、今日は病院へ

 


診察室に入った途端、目に飛び込んできたのは、座ったまま電子カルテに向かって頭抱えてる先生



どうやら、他のどの抗がん剤よりも副作用が少なくて効果があるセムブリックスがダメだったことに頭抱えるしかなかったみたい…




「セムブリックスがだめならどうしよう…」




先生がため息つきながら独り言のようにぼそっと言ったのが聞こえたけど…そんなのこっちが聞きたいよ

   

頭抱えて電子カルテを睨んだまま先生とは目も合わない




「あと使える抗がん剤3種類しかないんですよ。その3種類もセムブリックスがこれだとなぁ…。…頑張れない?」




まるで呆れたような言い方で、先生がどういう意味でそれを言ったのか一瞬分からなかった




先生から見たらわたし頑張ってないの…?




でも、だんだんと先生の言った『頑張れない?』って言葉の意味を理解して、ショックで虚しくなった



先生がたくさん見てきた患者さんの中できっとわたしはちっとも頑張ってない部類なんだってわかった




でも、そもそも頑張るも何もとりあえず日常生活が普通に送れるくらいの副作用で今後長期間、治療を続けられる抗がん剤を見つけるって話じゃなかったけ…?



他の臓器に影響が出て今までの抗がん剤を中止にせざるを得なかったのはわたしの頑張りが足りなかったせいなの…?



誰かのせいとか、誰かの頑張りで変わることなの?



吐き気止めも痛み止めも何も処方してくれないのに、セムブリックスだって今までの抗がん剤だってベッドから離れて普通に生活するなんて出来なかったよ



先生が言ったようになんかならなかったよ




今後はとりあえず休薬して、身体からセムブリックスが完全に排出されるのを待つことになった




「身体が薬に弱いんだね…。セムブリックスは本当にどの抗がん剤がだめな人でも使えるくらい副作用が軽い薬なんですけどね…」




そんなこと…言わないでよ…



もうダメってこと…?




どれもだめだったらどうなるのか聞くと、その場合はインターフェロンという抗がん剤の注射が選択肢としてあるそう



でも、それだと今後断薬は厳しくなるそうで一生使うことにもなるし、その一択しかないというのは今後かなりリスクがあると言われた




“ それすらもだめだったら? ”




そんなこと怖くて聞けなかった




先生と話して、とりあえず今後は一か八か残りの3種類のうちで使える抗がん剤を探していくことになった




帰り道、ため息しか出なかった




もう使える薬ないのかな…




先生、頭抱えてたけど、そうしたいのはわたしだって同じだよ




『頑張れない?』




先生の言ったことがすごく心に引っかかってる…





頑張れない?ってなに



じゃあ頑張るってなに





おしえてよ