美しい本が出版されました。
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京友禅への誘い 室町京正のきもの
著者 : 那須修氏
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京友禅の最高峰といわれる〈室町京正〉の那須社長が執筆された御著書が淡交社さんより出版されました。
室町京正の那須社長には、師匠の吉澤が生前大変お世話になっており、今でも私どもを見守ってくださっており、そのご縁を大切にさせていただいております。
私が"京友禅とはこんなにも美しいものなのか"とはじめて心で感じたのは、室町京正さんで誂えた訪問着を師匠が身に纏った姿に対峙した瞬間で、その凛として気高い空気を纏うあの着姿を目の当たりにした時の感動は今でも瑞々しく鮮明に思い出すことができます。
この本を開くと、写真も素晴らしく美しく1ページ1ページあの時の感動が思い出とともに目の前に蘇ってきます。
那須社長が綴られる文章から伝わる京友禅の技術や職人さんへの想い、美しさへのこだわりは着物の世界に留まらず日本人の美意識を心に育てる大切な想いとして語りかけられるように感じ、一文一文と自分に染み込ませるような思いで読み進めています。
吉澤が憧れ惚れ込んだ京友禅の最高峰の技術を尽くした銘品を誂えさせていただいた時の気持ちをしたためた文章が残っております。
2019年の春の記事でございますが一部抜粋して以下に転記させていただきます。
長くなりますが投稿の際の画像とともにご一読いただければ幸いです。(吉澤暁子Facebookより)
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お誂えをお願いしている訪問着。
原案となる下絵を描いて下さった工房さんにお伺いして、白生地に下絵を施しているところを見学させて戴きました。
着物を着ていても、皆さんの目にとまることの殆どない職人さんのお仕事。
手の動きが綺麗で、いつまでもうっとりと見ていられます。
着物に限らず、綺麗なものを見ると〈人の手〉が作り出す美しさにいつも胸を打たれます。
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柄の糊伏せ終わって、引き染めをする現場に立ち会わせていただきました。
希望した色合いの調合、柄を伏せた糊に合わせた染料の濃度の調合、もちろんグラグラした手元なのに刷毛で染めていく所も。
その丁寧さも。
今回、現場を見せていただいて職人技って本当に凄いと、あらためて感じました。
ここまでも沢山の職人さんの手を通って来ましたが、言葉にするのが難しいくらい本当に沢山のことを学びました。
友禅、本当に素晴らしい。
格調高く美しく、何よりも沢山の方に関わっていただいたわたしの訪問着。
まもなく完成です。
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着物のお仕事を始めて、美しい物や素晴らしい技術を沢山拝見させて戴きました。
そんな中で「一生に一度の贅沢を。」と決めて、デザインからオリジナルでお願いしていた訪問着が先日染め上がって参りました。
お願いしたのは、美智子様のお着物でも有名な〈室町 京正〉さん。
好きな質感の白生地に、私の寸法に合うように下絵を描いていただき、餅糊とは思えないほど繊細な波と波飛沫を描いて貰いました。
地色も、数色の黒の中から好みの黒を選びました。
お願いした柄にも意味があります。
皆様のお越しをお待ちする為に、〈春遊びの会〉で身に纏いお待ちいたしております。
吉澤暁子
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