2010-05-13 15:00:00

■書評■ 狼と香辛料

テーマ:娯楽

2007年版『このライトノベルがすごい!』で見事1位を獲得し、ビジネス書一筋の有名書評家土井英司さんに「(初めてライトノベルを読んだが)あまりの出来に、驚いた」と言わしめた作品。
僕も普段はライトノベルのコーナーなど物色したりしないけれど、土井さんの感想を読んで手にとってみた次第。
テレビアニメ化やゲーム化もされているほどの人気作らしいということを読んでから知った。

まあ、僕の場合は「狼の耳と尻尾を有した美しい娘」という設定自体好きだし、なんというか素朴な雰囲気のイラストと相まって、それだけでも魅力的… と内容とかけ離れた点は置いておこう(汗)

今回読んで思ったことなのだが、普段はビジネス系の書籍を読んでいる僕だけど、こういったライトノベルを含む娯楽系小説も根本的に好きなんだということ。
以前紹介した『雷撃☆SSガール』もそうだったけれど、今回も、寝る前の布団の中で読み始めて、気がつくと止まらなくなって寝る時間を削ってしまう自分がいた。
※参考: 【書評】雷撃☆SSガール


舞台設定はもちろん架空だけど、中世ヨーロッパの雰囲気を色濃く伝えるもので、どこか牧歌的というか長閑な雰囲気がいい感じ。
そんな中で個人的な読みどころは2点あって、一つ目は主人公ホロ(豊作の神様である狼の化身)と行商人ロレンスのやりとりの中にまま見られる人間としてのあり方を見つめさせられるような部分であり、もう一つは、行商人ロレンスを中心に描写される商取引などの、経済的視点である。
(ホロの仕草などが可愛い…という点も捨てがたい。)

本作では「貨幣への投機」を巡って巻き起こされる騒動が中心となるのだが、これは貨幣価値というものの決まり方を簡単に理解できる格好の設定。
また、そこに潜む儲けのカラクリを検討する場面で見られる商人的な考え方には、僕らビジネスパーソンも押さえておきたい考え方が見受けられる。

嘘をつく時、大事なのはその嘘の内容ではなく、なぜ嘘をつくかというその状況じゃ」(p.91)

これは、狼の化身ホロの言葉。
ビジネスの世界だけでなく、日常生活においても心得ておきたいことだと思う。

また、こんな言葉はどうだろう。

貪欲は多くのものを失うが、禁欲が何かを生み出すということもない」(p.118)

ああ、これはビジネスでは役に立ちそうもない(笑)
そもそも詭弁なのだが、飲みすぎや食べすぎを指摘された場面なんかで使ってみると、(特に酔っているような時なら)何だか哲学的に聞こえて、あなたの株が上がるかもしれない。

いや、もう少しきちんと役に立つ言葉を紹介しておかないと、ビジネス書好きが多い当ブログの読者には響かないね。

商人の心得: 「だまされた時に怒っているようじゃ話になりんせん。そんな方法もあるのかと感心してこそ一人前じゃ」(p.134)

 商人に大事なのは知識だ。ただ、その知識は単なる商品の値段などではない。
 目の前のできごとの考え方。その手法の知識だ。(p.169)

こうした商人的な考え方、処世術を学べるポイントは他にも散りばめられているので、是非本書で楽しみながら探して欲しい。

ビジネス書ばかり読んでいないで、たまにはこうした分野の書籍を読んでみるのもよい。
意識さえしていれば、楽しみながらでも多くのことを学び取れるし、むしろ、楽しみながらだからこそ、より心に残る一節となるものもあるだろう。


追伸:
一つだけ問題が。
このシリーズは今も続いているようで、最新刊はなんと14巻なんだよね…(2010年5月13日現在)
うーん… どうしよう(笑)


■ 関連リンク

狼と香辛料 Official web site

■ 基礎データ

著者: 支倉凍砂
イラスト: 文倉十
出版社: メディアワークス(電撃文庫) 2006年2月
ページ数: 329頁
紹介文:
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。
「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」
老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。
そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが―。
第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作!

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