やっぱり、違和感がある。

友達にしか見れないよ。



また振られたかー。。。



そんな時に家の電話が鳴る。


誰だろうと思いながらも取ると


「もしもし?」


懐かしい声が。


「久しぶり」


「えっ、B。誰かわかったの?」


「まぁあれだけ長く一緒にいればね(笑」



迷った挙げ句、送った賀正メール。


届かなかったら届かなかったでいい。


無視されるなら無視されていい。


そう思ってたんだけれど。



懐かしい君の声が、僕の血液に乗って体中を巡る。



何も変わらない、屈託のない元気な声。



忘れていた、忘れようとしていたものが一瞬で目の前に出される。


子供が学校から帰ってきたら、隠していたテストが机の上に置いていたような気分。



精一杯色んなことを話して何がなんだか覚えていないんだけど


「マリーアントワネット見に行きたいんだけど」


「それ何?」


「映画だよ。もうすぐやるの。」


「それは誘えってこと?」


「でももうすぐ忙しくなるから、約束してて行けなかったら悪いし約束はできないんだけど。」


「うん…忙しくなる前にお茶でもする?」


「うん、いいよ。会いたいし。」



いつもそう。


君の魔術に乗せられて、


思いもしなかった言葉が口から出る。




「あれ、何か言おうとして忘れちゃった」


「愛の告白とか?(笑」


「言って欲しいの?」



もう僕の心はダンスに疲れていたはずなのに…


また踊り出す。