東洋医学の健康の概念には中庸(ちゅうよう)という考え方があります。

 

 

 

中庸(ちゅうよう)というのは、昔の中国思想の一つで、『過不足なく調和がとれていること』を表わしていますが、馴染みのあることわざでは、『過ぎたるは猶及ばざるが如し』というのも同じ意味ですね。東洋医学ではこういった中国思想も医学の概念の中に取り込まれていますので、健康な状態というものは、心身ともに調和がとれている状態であるというように考えられています。

 

 

 

一方現代医学でも、ホメオスタシスという仕組みがあります。これは恒常性という意味ですが、人体の仕組みをみると、様々な外的なストレスに対して体の状態(体温、体液バランスなど)を一定に保とうと、免疫系、自律神経系、内分泌系等フィードバック機構が働く機能があります。この仕組みが壊れて、一定以内の範囲に保てなくなっている状態を病気になっているといえます。
 
 
 
現代医学のホメオスタシスと東洋医学の中庸には健康に対する共通した考え方がありますね。
 
 
 
ちなみに最近では同じような鍼灸刺激を与えても、体の状態によって、刺激の受け取り方が変わることが解っています
脳のドーパミンの放出に関与し、不足している場合には分泌を促して元気にさせ、過剰になっている場合には分泌を抑えて鎮静させる効果があることが確認されています。まさに中庸に体を保とうという反応といえます。
 
 
 
まだまだ鍼灸は現代医学的なメカニズムの解明が進められている段階ですが、昔に考えられていた中庸という考え方を通して作られていた東洋医学とホメオスタシスという現代医学の仕組みがついに今の時代に交差し始めたことを考えると、これからの医学理論技術の発展は新たな展開がみられていくのかもしれません。