その2空間エンジン「PRIDE」 | 元玉拾い(もと、たまひろい)のスポーツとか草花とか

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空間エンジン「PRIDE」

その1も読んでね


特攻隊長・瀬川は、好奇心旺盛で、考え方も前向きで柔軟

(写真は栗さん演出の週、B班、電波塔にも出演していた、工藤太輔さん。隊長にしては、ちょっと若くて、伍長との差が見えにくいかなぁと最初は思ったけど、全然そんなことなく、コミカルな面、隊長として、「俺たちが最後のプライドだ!」と叫ぶシーン、両方ともよかったです


もし、(昭和20年に)戻れなかったらどうするの?



この時代で生きて行くしかないだろうな



腹が減ったな



この時間だと、サイゼリアくらいしか開いてないよ


さい・・?


サイゼリア。ファミレスぅ


ふぁみれす??


レストランだよ


こんな時間に開いている、レストランがあるのか?!



あとはぁ、コンビニ


なんですと?


コンビニエンスストア


貴様らの言っていることは、さっぱり分からん


その、こんびにえん  す  ・・そこでは何を売ってるんだ

なんでも、売ってるよ。お弁当、お菓子、飲み物



まんじゅうも売っているのか?


売ってるよ


おい、大石、この時代は素晴らしいぞ


この時代を楽しもうじゃないか!



そして、大樹、明、麻美と一緒にコンビニへ


栗さんの週では、まんじゅうを3つ買ってきて、大石とふたりで、ひとつずつ食べました。日本が戦争に負けたことを知り、どこかへ走っていってしまった柳伍長の分のまんじゅうは、地面に置いたものの・・

みつめる、瀬川と大石

これは、柳の分だ。
食べやすいように、開けといてやろう。

これは、柳の分だ。
食べやすいように、割っておいてやろう。

・・毒が入ってるかもしれんな。毒味するか。
って、結局、柳の分を大石とふたりで食べちゃって、
包んでいたフィルムを大樹に渡して

柳には、ナイショだ


ふたりは付き合っているのか?

うん、隊長さんは彼女いるの?

いたよ。

あぁ、別れちゃったんだ。

・・3月10日、東京で大空襲があって、死んだよ。怖かっただろうな。。




明はウィキペディアで、なぜ日本は無条件降伏したのに、天皇陛下は戦争責任を問われなかったのかを調べ、マッカーサーの言葉を伝えます

・天皇を処刑したら、日本人が黙っていないだろう
・ドイツみたいに日本を分割統治しようとしたのを、アメリカが反対したんだって。マッカーサー語録には、こんなことも書いてある「沖縄を守るめに、あれだけ特攻を仕掛けてきた。もし、分割統治をしたら、日本人全員が神風となることだろう。アメリカは、相当、特攻隊のことを恐れていたみたいだね

それだ、そのために俺たちは死ぬんだ。犬死なんかじゃない。
アメリカを恐れさせる。そのために死ぬんだ。

戦争は嫌いか。そうか。そういうことを言えるということは、やはり、日本はいい国になったんだな。

俺たちは、国から、死ねと言われた。
オレたちには時間がない。俺たちが死ぬことで、この国が幸せな国なることを、君たちが証明してくれ。



彩は(松丸さん演出の週、B班、新名杏梨ちゃん)

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自殺未遂をし、仲間に連れ出されて、夜のお台場に来て

特攻隊長たちを、彩か、またはおばあちゃんが直接頼んで、彩を元気付けようとしてる人たちと最初思いこみ


特攻隊の大石伍長の妹、静江(しずちゃん)は、彩のおばあちゃんだったんです


みながコンビニに行っているとき


ねぇ、君、何歳?

17であります


まだ、17歳で死ぬの?


特攻隊は、みな自分のような年齢です。珍しいことではありません。
自分ひとりで敵艦を沈めることが出来るかもしれないんです。
男子の本懐です。

君の夢はなに?

静江の幸せであります。それだけであります。


静江は、自分のこと、なにか言ってましたか?


別に・・

そうですか


彩さんの夢はなんですか?


別に・・ない


そうですよね、この時代、いろんなものがあって、なにを夢にするか、迷いますよね。
じっくり決めて下さい。かならず、叶います。



自殺するのはやめてください。

なんで?君だって死ぬんでしょ?

静江が悲しみます。
それに自分は自殺するわけではありません。
敵艦を沈めるために死ぬんであります。


最初は心を閉ざしていた、彩でしたが


おばあちゃん言ってた。戦争はダメだって。戦争する人は馬鹿だって。


おばあちゃん、言ってたよ。お兄ちゃんが死んじゃって、寂しかったって。
ひとりぼっちになっちゃったって。



ねぇ、逃げよう!


おばあちゃん、言ってたよ!わたしはお兄ちゃんに生かされたんだって。


大石に対して、心を開いていくのです



柳伍長は、猪突猛進の特攻隊員

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松丸さん演出の週のA班・石丸裕紳くん


(まだ、これはドッキリだと思ってたときの大樹に向かって)

貴様、たるんどるな。根性を注入してやる、こっちへ来い!
気を付け!足を開け!ビンタ!

なんだよ、テレビだからって、やりすぎじゃない?
これでギャラでなかったら、訴えるからな!


傷だらけなのは、

暴走族が迷惑なことをしていたので、ボコボコにしてやりました。
この時代の特攻隊長はとんでもないな。うちの隊長とは大違いだ!

もし、戻れなかったら、ここで自決するのが最善と考えます!


大石  それこそ、犬死じゃないですか!

瀬川  なぜだ

戦友との約束のためであります。


隊長、教えて下さい!我々が特攻しても、日本は戦争に負けます。
なんのために特攻するのでありますか!教えて下さい!


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麻美と明は、自己主張をしないので、逆に芝居としては、
難しいと思います。



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大樹は、一見チャラ男。フリーターで、麻美の彼氏


これだけ反映しているんだ、日本は戦争に勝ったんだ!


戦争って、大東亜戦争のこと?負けたよ。おもいっきり。無条件降伏だったよ。

この時代に戦争はないよ。日本には憲法第9条があるからね。
他国との紛争の解決として、武力の行使を放棄する。戦争放棄。

(他国から攻められたら)アメリカが守ってくれるよ。日本の同盟国だからね。


冷静に、日本が戦争に負けたことを特攻隊の3人に話していたんだけど


彼らが、鹿屋から沖縄へと特攻すると知り



守れなかったんだよ、日本も沖縄も。今でも沖縄にはアメリカの基地があちこちにあって、アメリカに占領されているんだよ!本土の人間は戦争のこともあんたらのこともみんな忘れてるんだよ、みんな沖縄に押しつけてな!


地元・沖縄への熱い想いを爆発させるのです


大石は、ずっと、静江のことだけを考え、まっすぐな青年でしたが、最後に・・


隊長、夢なら(これは、現実なのか、3人のだれかの夢なのか、静江の孫の彩の夢なのか、よく分からないのです)言ってもいいですよね・・


オレだって、やりたいことがある!
恋もしてみたかった、静江と一緒にいたかった!
戦争なんて、無駄だ!そんなこと分かってる!
平和な時代に生まれたかった



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ごく普通の現代の若者たちの前に突然現れた、翌朝に特攻を控えている、特攻隊員3名


最初は、テレビのドッキリか、頭の病院を抜け出してきちゃった人たちか、

即興で街中で芝居を始める、演劇の人たちだと思ってた。

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大石伍長の妹のしぃちゃん(静江)が、彩のおばあちゃんだと分かり、

だんだんと距離が近くなっていく、69年の時間を跳び越えた、特攻隊員と現代の若者

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最初、パソコンで調べて、自分たちは特攻に成功したと知り、喜んだのもつかの間、

昭和20年5月23日、沖縄へ向けて特攻し、そのわずか3カ月後の8月15日に、

日本は無条件降伏したと知り、自分たちの特攻の意味に疑問を感じる、特攻隊員

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沖縄を守れなかったことで、大樹が特攻隊員に掴みかかる場面があったけれど

それ以外では、心を通わせ、将来生まれてくる、しぃちゃんの孫のために、

未来の、平和で、幸せな日本のために、「日本の最後のプライド」として、

早朝、鹿屋へ、特攻するために帰っていく3人


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今、日本は、いかに平和で幸せなのか、
そんなありがたみを感じることもない日々


わずか、69年前に、将来の日本のために、命を落として行った特攻隊員


最後は、Kiss Me You 同様、スクリーンに当時の映像が流れ、笑顔で特攻のための戦闘機に乗りこむ特攻隊員の姿。戦闘機は敵艦に突っ込むことはほとんどなく、海へと落ちて行く現実。
Kiss Me You と違ったのは、戦後日本の様子をフラッシュバックのように流していたところ

この映像に、実際の大石伍長が妹のしぃちゃんへ、戦闘機の中から書いた手紙が映し出されました

しぃちゃんの名前の貯金通帳があります。
女学校へ行くのに使ってください。
時計や軍刀も、おじさんに頼んで売ってください。
遺品なんてどうでもいい、しぃちゃんの生活の方が大切です。

さぁ、出発です。元気で、泣くな、しぃちゃん、頑張れ

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携帯

けいたい?

30年前でも、携帯が携帯電話だって、分からなかったでしょう
69年前なんて、その倍ちょっとだ

実は、第二次世界対戦から、69年しか経っていないんだ、
ということを、

当たり前のことを、当たり前とすら感じなくなっている現代

だが、気をつけろ。平和だということを、忘れた時に戦争は起こる。


将来の日本を、将来の日本の子供たちを守るために、
日本の最後のプライドを守ために、
命を落として行った、69年前の人たち

8月15日が敗戦記念日だと知らない、若者たち

Kiss Me You にしても、PRIDEにしても、
押しつけがましいところがない

表現者として、戦争のこと、特攻隊のことを風化させずに、
伝えて行くんだという使命感

この作品を知って、観ることができて、よかったし
もっと、たくさんの方々に、

それは、うちらのような一般人だけでなく、
表現することを仕事にしている方々にも、観て欲しいと思います