上ると瀬戸内海の島々や遠く四国の山並みが見通せる近場の山は、歩くとそこここから鳥の声が聞えてきたりして楽しい山歩（さんぽ）ができます。

標高が600～800mの低山ですが、それでも頂上あたりの気温は下界と比べると6℃ほど低いので、下で何もなくても上がっていくと山道が凍っていたり、雪が積もっていたりして驚くことがあります。

雪が少ない今冬でも広島市内でほんの少し雪が降った1月24日には、近場の山でもそこそこ積もったようですが、足の怪我を庇って上がるのは止めました。

それで今季の雪中鳥図はもう撮れないだろうと諦めておりましたが、県内でも番外に寒く（広島市内とは約10℃違います）、雪が多く降る芸北八幡を今月9日に訪ねてみると、MAX66㎝積もった雪が徐々に融けたものの周辺は雪だらけで、湿原へ続く道路は通行止めになっておりました。

それが16日に最深積雪が7㎝になり、再び行ってみると道路は通行止めのままでしたが、その道路は舗装面が露出して歩けそうなのでクルマを降り、周囲の雪景色を楽しみながら探鳥してみました。

雪の中で餌となる虫を探すキクイタダキ

歩いていると、アカウソの鳴き声が聞こえて来て、誘われるように歩いているとコツ、コツ、コツとヤマガラが食事しているかすかな打音が聞えてきました。

ヤマガラを探して周囲を見回していると、2㍍ほど離れた路肩にふわっと舞い降りてくれました。

周囲はいつのまにか混群でいっぱい、エナガ、コガラ、シジュウカラなどが忙しくハンノキの枝間を飛び回っています。

そのうちコゲラが鳴き始め、そろそろかなと周囲ぐるりを見回すといました！

白い雪の中でキクイタダキ！

静かな環境で、じっくりゆっくり狙えるのは初めてで楽しめました。

至福の時間がしばらく続いたのは幸運だったと言う以外ありません。

雪中鳥図 Ⅷ