花のマーケット拡大にはたくさんの渦が必要 | 宇田 明の『まだまだ言います』

宇田 明の『まだまだ言います』

宇田 明が『ウダウダ言います』に引き続き、花産業のお役に立つ情報を『まだまだ』発信します。

花のマーケットが年々小さくなっている。
国産切り花の生産量は年々減り、輸入は2012年以降横ばい。

2020年2月2日「輸入も減る花のマーケットを復活させるために」
https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12571872133.html


東京都中央卸売市場6社のデータから、

2019年の切り花入荷量(葉もの、枝ものを含まない)と単価をもっとも古いデータである2002年と比べてみよう(図1)。

図1 2019年切り花入荷量と単価を2002年と比べてみる

    (東京都中央卸売市場6社)

 

まず国産。
入荷量は2002年の9.50億本から2019年の6.54億本に、17年で31%減った。
入荷量と単価には負の相関があり、入荷量が減ると単価はアップするのは当然(図2)。
需要と供給のセオリー。
市場原理。


図2 国産切り花入荷量と単価との関係(東京都中央卸売市場6社)

   両者には負の相関がある

   入荷量が減ると単価はアップする

 

東京都中央卸売市場6社では、入荷量が減ったおかげ(?)で単価は59円から70円に19%アップ。
31%も減らして、やっと19%の単価アップ。
この程度のアップでは、

「供給が減る→単価アップ→供給が増える」にはならない。
マーケットが小さくなるとはこういうことだろう。
まだ単価アップがあって良かった。
もっとマーケット縮小スピードが速くなると、単価を現状維持するために、毎年入荷量を減らし続けなければならない。

それが、今の姿。

31%減で19%アップには輸入の存在も影響。
国産が入荷量を17年間で31%減らしているあいだに、輸入は167%増やした。
0.64億本が1.71億本。
東京都中央卸売市場6社の切り花輸入率21%。
植物検疫を受けた輸入切り花は30%ぐらいに達しているので、東京の大手市場でさえかなりの輸入品を取りこぼしている。
輸入が増えると、市場外流通が増える。
市場にとって、輸入は麻薬。
現状の品揃え、花屋さんがのぞむ価格、安定供給に応えるには輸入に頼らざるを得ないが、輸入が主役になると市場外流通が増え、市場の経営をいっそう悪くさせる。


輸入切り花には入荷量が増えると単価は下がる」の市場原理はあてはまらない。
167%増えたのに単価は3%アップ。
まあ、輸入切り花は17年間単価が変わらなかったということ。
いつも50円半ば(あくまですべての輸入切り花の平均)で買えるという安心感。
相場は輸入が支配している。
輸入切り花の数量がほぼ現状維持をつづけているから、国産が生産量を減らして単価アップが可能になる。

輸入がリスク覚悟で量を増やすと、相場が下落し、国産切り花は一気に崩壊。
すなわち、

①日本の花農家は、輸入業者に首根っこを押さえられている

②日本の花農家は、マーケットを拡大できないと、みんなそろってハッピーになれない
退場する仲間がいるから残った花農家が生きていける。
この状態をつづけることは、椅子取りゲーム。
毎年、国産の椅子の数は減る。
減らした椅子には輸入がすわる。
最後には国産の椅子そのものがなくなる。


画像 国産の花農家は「椅子取りゲーム」に参加させられている

    最後には、取りあう椅子そのものがなくなってしまう

 

花産業の椅子取りゲームでみんながハッピーになるには、ルールを変える。
椅子を減らすのではなく、椅子を増やす。

仲間を増やさないと椅子が余ってしまう。

つまり、マーケットを拡大する。

そんなことは誰もがわかっている。
マーケットを拡大するために、さまざまな活動をしている。
しかし、成果がでない。

ならば、ちがうやり方も考えてみよう。
もともと、こうすればマーケットが拡大するなんて魔法はない。
正解はだれにもわからない。
ならば、めいめいが感性、臭覚を頼りに走りだそう。
前回述べたように、花産業はひとつの全国組織に結集して、リーダーの号令のもとに、同じ方向に繰り出す正規軍の戦いは性にあわない。


画像 リーダーの号令一下 一糸乱れぬ戦い方は花産業にはムリ

    個人主義の花産業

 

好き勝手に戦う個人戦、ゲリラ戦で勝ち抜いてきた。
個人、小さな集団がそれぞれ得意な戦法で戦う。
花育もよし、花の香りもよし、花の効用もよし、物日創出もよし、シニア相手もよし、母の日参りもよし・・
だれもが思いつかないようなまったく違う戦い方もあるだろう。
花産業にはそんな個人、小さな集団がたくさんある。

小川 孔輔先生のJFMAは大きな渦に成長。

日本花き生産協会や日本花普及センターなど、官製の渦は役割を終えようとしている。

花屋さんには、大小さまざまな渦がある。

花キューピット、JFN、AFM、日比谷花壇・・

量販はfineの会が勢いがある渦。

生け花・フラワーデザイン各流派、ハンギンバスケット・・。

プランツギャザリングは大きな渦に育ちそうな予感。

京都生花花絵巻に全国から集った全国花き業界若手会もそんな渦のひとつ。

https://www.facebook.com/pg/wakatekai/posts/

 


画像 花産業には大小、さまざまな渦がある

    なにが成長して花産業を変革させるか、やってみないとわからない


個人、集団が小さな渦をおこし、渦が寄り集まると、台風のような大きな渦になり、世間を動かせる。
 

宇田明の『まだまだ言います』」(No.213. 2020.2.9)


2015年以前のブログは

http://ameblo.jp/udaakira)でご覧頂けます