2019年の農業新聞が調べたトレンドはあいもかわらず「安定出荷」ですが・・ | 宇田 明の『まだまだ言います』

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 日本農業新聞が調べた2019年トレンド。
1位は「安定出荷」。

昨年11月中旬に実施した市場や小売店のアンケート。
42社が回答。

画像 2019年トレンド(日本農業新聞 2019年2月4日)


トレンドというと、小花が流行る、季節感がある花が人気、

派手な原色系が・・というイメージですが、

記事の内容はキーワード。

画像 国産花きに求められるキーワード

    (日本農業新聞 2019年2月4日)


市場や小売店は産地、生産者に「安定出荷」を求めているということらしい。
日本農業新聞、飽きずに、毎年おなじ「安定出荷」がトレンド。
安定出荷ができない理由を深堀するだけの気力、調査力、

筆力がないのでしょうか。

もともと博打好きの花業界。
お天気次第で増えたの減ったのが出荷量。
それに伴う相場の乱高下。
勝った負けたの勝負師業界。
それを楽しんできた花業界。
それをいまさら「安定出荷してください!?」
博打業界から、まっとうな企業集団になったということか。
二代目、三代目に代替わりし、やわになったのか。
花売りが家業から、家業は社長業に進化したのか。

と、いやみを言ってもはじまらない。

いちば、仲卸、花店は花がなければ商売にならない。
そうかといって、多すぎては売りさばく力がない。
安定出荷。
「欲しい時に欲しい量を納得価格で」をいちば、花店がのぞむのは当然。
生産者は、「お客様=花店の要望」に応えるのが使命。

花には野菜のように安定需要がない。
花は物日にしか売れない。
物日は閑散期の10倍の花が売れる。
ここで儲けないといつ儲けるのか?

というようなことはこれまで何度もこのブログで発信してきました。

図 切り花と野菜の月ごとの入荷量

   赤棒:切り花 青棒:野菜

   12か月平均を0としたときの指数

   切り花がプラスは3月、8月、9月、12月の物日、

   5月はかろうじてプラス

   野菜は月ごとの増減が小さい、安定需要・安定出荷

 

おなじことを繰り返しても耳にタコ。
今回は、ちがう視点で「安定出荷」を考えます。
「生産者の使命は、花店が欲しい時に欲しい量を出荷」は正論で、

直球勝負であたりまえすぎる。
ここは、変化球で勝負してみましょう。


お天気に生育、開花が左右されるのが農業。
栽培技術のイノベーションだけで、物日という的に当てるのはムリ。
国民の食料として需要な野菜でも、

台風や豪雨、暖冬や寒波、病気で、

出荷量が増えたり、減ったりは日常茶飯事。
野菜が高いとニュースをにぎわすが、

国民はなんとかしのいで、食生活にはさほど困っていない。

安定出荷はもちろん必要だが、

責任を生産者、産地におしつけるだけでは解決しない。
業界のソフト的な対応も必要。


昨年末は千両が不作。
迎春に伝統の千両がない。

2018年12月23日「千両のかわりにヒペリカムは〇か×か?」
https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12427621399.html

そんなことを心配したのは、プロだけでした。
千両がないならヒペリカムの赤実でもいいだろう、

と考えた花店はけっこういたようです。
ヒペリカムで代用した花店、

驚いたことには、
お客さまから「千両が入ってないの?」との質問、怒り、クレームが

まったくなかったこと。

拍子抜け。
お正月に千両は必須アイテムと思いこんでいるのは売る側、

プロだけのようでした。


いまの時代、消費者は伝統やしきたりにこだわらない。
というよりも、お正月には千両を飾るという伝統をそもそも知らない。


では、花店は今年の年末もヒペリカムをつかうかといえば??
たぶん、今年は表年で豊作。
潤沢にでまわり、相場が下がっていれば、

いつものように千両をつかうだろう。

しかし、消費者は千両にこだわっていないことを知ってしまった。

高い千両をムリしてまで買うことはないだろう。

 


これを教訓として業界は考えればよい。
直球だけでなく変化球も必要。
直球あっての変化球ですが・・。

 

農業はもともとお天気任せ。
豊作もあれば不作もある。
早く咲くことも、遅れて咲くこともある。
お正月には千両、お盆にはキクというのは原理原則。
手にはいらなければ代用品でしのぐ。
消費者にはそんなにこだわりはない。
こだわっているのはプロだけ。


そのこだわりが業界を苦しめている。
お葬式には白輪ギクが伝統とこだわっていたプロたちが、
いまでは平気で赤バラまで祭壇につかっているではないか。

千両がなければヒペリカム、
小菊がなければスプレーマム、
白輪ギクがなければ白スタンダードカーネーション、
リンドウがなければスターチス・・


逆に、お客さまがきれいと喜ばれているのだから、

菊やマムをお祝いごとやギフトにつかってもよい。
業界が自ら、自分たちの首を絞めなくてもよい。
ゆったり、まったりと困難に対処しましょう。

 

今回は、「ほしい時に花がない」への対策を考えました。

「いらないときに大量の花がある」については

別の機会に考えます。
 

宇田明の『まだまだ言います』」(No.161. 2019.2.10)

2015年以前のブログは

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