花の消費拡大には「お見舞いの花」復活 | 宇田 明の『まだまだ言います』

宇田 明の『まだまだ言います』

宇田 明が『ウダウダ言います』に引き続き、花産業のお役に立つ情報を『まだまだ』発信します。


テーマ:

前回は、

4割のひと(二人以上の世帯)にとっては「花は必需品」。
花の消費回復には、

この固定客のリピート率を高めることがいちばん大事。
花を必需品と考えている固定客は、

60歳代、70歳代以上のシニア層。
このひとたちが買うのは、神棚のお供え、仏壇の花、お墓の花・・。
年にもう1回仏花、墓花を買っていただくと2億本切り花消費が増え、

4%の消費が増えたことになる。

今回は、花の消費拡大策第2弾、「失われた消費を回復させる」です。
失われた消費、すなわち「病院のお見舞いの花」です。

この問題については、これまで何回も述べました。


2014年9月28日「6割の病院がお見舞いの花禁止または一部禁止」
http://ameblo.jp/udaakira/archive1-201409.html


2014年10月5日「失われた需要(お見舞いの花)回復作戦(その1)失われた需要は推定323億円
http://ameblo.jp/udaakira/entry-11934665489.html


病院のお見舞いの花禁止と一部禁止で

失われた花の消費は年間323億円(宇田推定)。
切り花の消費金額は約6,000億円、
お見舞いの花が300億円復活すれば5%の消費拡大になる。
固定客に年にもう1回多く仏花、墓花を買っていただくことと、

お見舞いの花が復活することで花の消費はV字回復。
花産業は一挙に元気になる。
これは夢のはなしではありません。


卸売市場協会の活動のひとつとして、

なにわ花いちばと、なにわ花いちばが入場する

大阪鶴見地方卸売市場の開設者、大阪鶴見フラワーセンターが

病院のお見舞いの花復活作戦を展開して、

これまでに、次のようなことがわかりました。


・病院がお見舞いの花を禁止するに至った経過
・切り花や鉢ものを病室に持ちこむことの何を、病院は心配しているか
・それら病院の心配には科学的な根拠があるのか、

 それに対する日本感染症学会の指針
・お見舞いの花禁止について、医師や厚労省の見解、

 農水省の活動

結論は、

病院は切り花や鉢ものからの院内感染を心配しているが、

日本感染症学会は

「免疫不全でなければ花びんの水や鉢植え植物は感染源にはならない。

移植患者や重症エイズ患者の病棟以外であれば制限は不要」との指針を示しています。

厚労省は禁止を指示したことはないし、

禁止すべき科学的根拠もないことを、医政局長が国会で答弁しています。

お見舞いの花禁止には、病院職員の労働負担、患者とのトラブルなど

病院側のさまざまな理由があるようです。

したがって、お見舞いの花復活は、

花業界のキャンペーンだけでは解決しません。
病院との粘り強い話し合いが必用です。
では、だれが病院と話しあうのか?

このことは、最後に提案します。

すでに、お見舞いの花が復活した病院があります。

静岡市立静岡病院です。

お見舞いの花が禁止されていた静岡市立静岡病院での

「お見舞いの花復活活動」についてはお知らせしました。


2016年2月28日「病院にふたたび花を-市立静岡病院シンポジウム-」
https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12133616062.html



画像 静岡病院の活動「病院にふたたび花を」
 

 

お医者さん、看護師さん、病院職員のみなさまと、

静岡県の花関係者がセミナーを開き、

お見舞いの花復活を考えていただきました。
その成果として、全面復活には至っていませんが、

一部復活しました。
関係者の方々の努力に敬意を表します。



画像 静岡市立静岡病院のHP

    お見舞いの花禁止と一部復活についてのお知らせ

 

静岡県農林技術研究所では、

エコゼリーをつかったお見舞いの花を開発しました。
花びんが不要で、メンテナンスフリー、

花が枯れたら容器ごと捨てることができます。
患者さんが花びんを倒す心配がなくなり、看護師さんの負担が軽減されます。



画像 静岡県農林技術研究所が開発したエコゼリーで花びん不要

    メンテナンスフリーでお見舞いの花用

    (日本農業新聞2018年11月25日 松山誠氏のFBより引用)

 

静岡病院のような取り組みが全国に広まることで、

お見舞いの花復活は広がっていきます。
お見舞いの花は、贈られた患者さんの精神を安定させ、

回復を早めるだけでなく、

贈ったひとの心をも豊かにします。


農業新聞コラム「緑地帯」の筆者は幸いでした。
友人が入院していた病院が

お見舞いの花を禁止していなかったのですから。
もし、その病院が禁止だったら、

花でお見舞いしようとした筆者はどんなコラムを書いたでしょうか。

画像 日本農業新聞2018年11月28日(俺の農業新聞氏FB引用)

 

さて、お見舞いの花を禁止している病院に、だれが鈴をつけにいくか?

それは、農林水産省のイノベーション事業の活動として、

「各都道府県ごとに、花業界みんなでやる」、です。
今年度までのイノベーション事業は、2019年度からは新しい事業にかわるそうです。
生産者、農協、市場、花店、行政などが構成する都道府県の協議会が

花を振興する仕組みはおなじようです。
その活動メニューのひとつに「お見舞いの花復活」を加えてください。
来年2月には新年度事業の公募がはじまると思いますので、

いまから準備をすれば十分間に合います。



画像 農水省花き振興室 平成31年度イノベーション推進事業の後継事業案

    次世代国産花き産業確立推進(予算要求額は9.12億円)

 

活動案として、
①当面は県内の、県立、市立などの公立病院と、

 農協共済連の病院を対象とする。
②それらの病院がお見舞いの花を禁止しているか、認めているかを調査する

③禁止していない病院には、

 静岡農林技術研究所が開発したエコゼリーのお見舞いの花を示し、

 病院職員の労力軽減を提案する。

 もちろん、病院近辺の花屋さんには

 同じエコゼリー商品をお見舞いの花用として取りあつかっていただく。
④禁止している病院があれば、

 行政(県庁、市役所の花担当課)に仲介していただき、

 話し合いの場をもつ(出席者は協議会メンバー)
⑤話し合いは組合交渉ではありません。

 花を禁止しなければならない病院の事情を尊重しなければなりません。
⑥花びん、花びんの水、水かえは病院の負担が大きいので、

 静岡農林技術研究所が開発した花びん不要で、

 メンテナンスフリーのエコゼリー容器を提案する。
⑦一挙に病室までお見舞いの花が難しければ、

 静岡病院のように許可されたスペースだけに花を飾らしていただくことを提案する。

以上は、イノベーション推進事業の後継事業の一環として、

都道府県ごとにとり組めば一挙に成果がでるでしょう。

病院がお見舞いの花を禁止するに至った経過、

お見舞いの花は患者さんに悪影響がないことの科学的な証明については

下記を参考にしてください。

○なぜ病院はお見舞いの花を禁止したのか?
(社)日本花き卸売市場協会と(株)なにわ花いちばのQ&A(抜粋)
http://www.naniwa-hana.co.jp/nfahospital/hospitalflower.html

○切り花や鉢ものは院内感染の危険があるのか?

・日本感染症学会の指針
http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2005_10_pdf/14.pdf

・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長 岩田健太郎教授
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2014/08/%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%AF%E6%82%A3%E8%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%8A%B1%E3%82%92%E6%96%AD%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84.html

○農林水産省 病院等で花きを取り入れた活動事例集
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/f_byouin.html

 

宇田明の『まだまだ言います』」(No.151. 2018.12.2)

2015年以前のブログは

なにわ花いちばHP(http://ameblo.jp/udaakira)でご覧頂けます


宇田 明さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス