生態をマナブ


7/11のマナブ…大好きなにんにくに興奮して久々に書いた

ただ、私はあの匂いあってこそのにんにくだとおもっているので、強い匂いのにんにくを推していきたい

でもジャンボにんにくは絶対に食べたい


本文はOA.SA.NA.MAの順のSSです

勢いだけで書いたので生暖かい眼差しでお願いします( ᐛ )






【vs智】

「ただいまー」

「おかえりー、相葉ちゃん」

ソファの上で雑誌を広げているおーちゃんは、いつものポカポカ笑顔で俺を癒してくれる

「今日はロケだったから、野菜いっぱい貰ってきたよー」

農家さんにアレもコレもと分けてもらった野菜は、俺一人では持て余してしまうかもしれないけれど、二人ならすぐに食べきってしまいそうだ

「お、色々あんじゃん!今夜カレー仕込んで明日食うかぁ」

「おーちゃんのカレー!!めちゃくちゃ楽しみー!」

「んじゃ仕込みする前に、おかえりやつ」

野菜たちをダイニングテーブルに置くと、待ってましたと両手を広げて小首を傾げるおーちゃん
年上だけれどとてつもなく可愛い仕草に、待てのできない犬のように一回り小さいおーちゃんに抱きついた
ちょっと勢い良すぎたのか、おーちゃんは俺の腕の中で「ヴッ」と呻いた

「ギューってしてからの、ちゅー…」

はっ!!!!!

今日のロケで、めちゃくちゃにんにく食ったんだった……匂いがしないと言っても無臭って訳じゃないだろうし、ロケの後に歯磨いたけど……万が一ってことも…

「……?ちゅー、まだ??」

「あー…うん、夕飯食べてからにしよっか」

「…やだ」

「え…」

「やだ、今する」

嫌だも、待って、も言う前に塞がれた唇は、覚えてしまったその感触にうっとりとしてしまう
ただ触れ合っているだけなのに、すごく気持ちいい

「んっ」

「さっきまで普通にしてたのに、何考えてんの?」

「……おーちゃん」

「ん?」

「俺のくち、臭くなかった??」

「………え?」

「今日のロケ、にんにくだったの!!」

「…あー、全然しなかったけど」

少し考えたあとで、否定の言葉を口にしてくれて、俺は心底ホッとした
いくら付き合いが長くたって、臭いとか思われたくないもん

「良かったぁ」

「けど、折角だからにんにく相葉ちゃんも食ってみてぇな」

「…えっ!?」

「なんかウマそうじゃねぇ?」

「えー……」

「ほら、口開けて」

「…夕飯は?」

「こっちつまみ食いしてからね」

大好きなポカポカ笑顔は有無を言わせぬ強さを持っていて、俺はただ捕食されるのを待つだけだった





【vs翔】

「ただいまー」

いつものように玄関で帰宅を告げると、スウェット姿のしょーちゃんがリビングから顔を出した

「おかえり、相葉くん」

靴を脱いでいる間にカバンや荷物を受け取ると、リビングへ持って行ってくれた

「ありがと、しょーちゃん」

少し大きめの声でお礼を言い、洗面台で手洗いうがいをしていると視線を感じる

「どーしたの?」

入口の扉にもたれ掛かりながら俺を眺めるしょーちゃん

「んー…終わった?」

「うん」

リビングに戻ろうと促すより先に、するりと腰に回された両腕
目の前にある整った顔は何十年も見続けても飽きるわけもなく、むしろドキドキさせられっぱなしだ

「ええと…リビングいかないの?」

「その前に、相葉くん不足を解消したい」

俺の記憶に間違いがなければ、本日朝からロケということでしょーちゃんが起きるより先に家を出たが、間違いなく昨晩は仲良く同じ布団で寝たはずだ
つまりしょーちゃんと顔を合わせるのは20時間ぶりくらいだ

「俺が足りなくなるの、早くない??」

「だって明日は朝早いっていうから、昨日の夜はキスすらせずに寝たんだぞ?そりゃ不足するだろ」

「ふはっ!そーゆーもん?」

「そーゆーもん」

腰に回された腕に力が籠ると、俺のお腹としょーちゃんのお腹がぴったりとくっつき、それに合わせて顔が近づいてくる
徐々に伏せられるまつ毛に、俺も少しずつ目を閉じる

はっ!!!!!

にんにく!うがいはしたけど、俺臭くないかな??いや、絶対臭いよ…

「むぐっ」

「あっ…」

両手でしょーちゃんの可愛い唇を塞ぐと、目に見えて不機嫌になった

「ご、ごめんね、しょーちゃん」

「なに?したくないの?」

俺の腰から離された両手で、唇を塞ぐ手を剥がされ、そのまま掴まれてしまう

「えっと…ちょっと時間貰える?」

変な空気にならないように、ぎゅうっとしょーちゃんの手を握るけれど、伝わっているだろうか?

「…何分?」

「えっ!?そーだな…1時間くらい?」

「は?無理」

「えっ…」

視界がぶれたと思ったら、壁に追いやられて噛み付くように口を塞がれた
初っ端から口内を余すとこなく舐められて、息も絶え絶えに口臭のことを聞こうと思ったけれど

「ベッド行こうよ」

夜のお誘いを仕掛けてくるしょーちゃんは気にしていないみたいだと、頷きながら俺は安堵した




【vs和】

「ただいまー」

「おかえり、まーくん」

「うわっ、もう飲んでるの?いいなー」

「今日は丸々オフだったんでね」

「俺も飲もー」

「その前に風呂に…」

ぴたりと止まったニノちゃんに、俺は冷蔵庫から出したビールを持ったまま首を傾げた

「…なんか、今日匂い違うね」

「えっ!?汗臭い??」

「いや、そーゆーんじゃなくて」

手の中のコントローラーをラグに放り投げて、ソファに座った俺ににじり寄る
ビールのプルタブを起こして一気にビールを流し込むと、外気で火照った身体を冷ましてくれる
すんすんと鼻を鳴らすニノちゃんに、わんちゃんみたいだなぁと両手で髪の毛くしゃくしゃに撫で回してつむじを堪能していると

「やめろって」

そう言いながら赤く染った耳は、わんちゃんで言うとこのしっぽのような役割を果たす
わかりにくい天邪鬼なニノちゃんの、可愛いとこのひとつ
ふくふくのほっぺたにチューしてやると、もう酔ってんのかとジト目で見られた

「あ、にんにく?」

………

はっ!!!!!

顔だけじゃなく、嗅覚までわんちゃん並なの!?と失礼なことを思いつつ、俺は誤魔化すようにテーブルに放置されている缶を持ち上げて中身を全て流し込む

「にんにくだ、匂いの正体」

「…」

「あんまり匂いしないけど、今日のロケ先?」

「…うん」

「え?なに?なんで急に落ち込んでるの」

「…俺、臭かった?」

「はぁ?」

「ちゃんと歯も磨いたし、帰ってきてからうがいもしたけど、仕方ないじゃん!」

「ちょ…なに怒ってんの?」

「俺だって(今まで忘れてたけど)気にしてんだから!!」

「……何勘違いしてるしらないけれど、俺はまーくんならなんでもイけるんですけど?」

「…へ?」

「加齢臭だろうか、屁が劇的に臭かろうが、まーくんなら気にならないよ」

「…うそだ」

「なによ、じゃあアンタは俺の足が臭かったら捨てんの?」

「えっ」

「別れの原因が臭いから、なんて泣けるよなぁ」

「ち、違っ!別れない!絶対別れないから!!」

「なんだよ、わかってんじゃん」

いつもの意地悪な笑みを浮かべるニノちゃんは、俺の唇に優しく口付けた

「アンタのことならなんでも知りたいし、どんなアンタも見たいから、絶対に俺に隠し事すんなよ」

返事も聞かずにソファに押し倒された俺は、風呂にも入らせてもらえないまま、身体中を嗅がれて夜を明かしたことは、誰にも言えない秘密となった




【vs潤】

「ただいまー」

「おかえり」

食欲をそそる匂いにつられてキッチンへ向かうと、前髪を上げて黒縁メガネの潤ちゃんはおつかれさま、と優しく微笑んでくれた

「あ、これ今日のロケで貰ったやつ」

「またいっぱい貰ったね?」

「うん!いつも近くの農家さん達もくれるから、ありがたいよねぇ」

にこにこと答える俺に、少し不貞腐れた表情の潤ちゃん
どーしたの?と問いかけると、少し言い淀んだが根が素直な潤ちゃんは、あっさりと気持ちを吐き出した

「…まーが人に好かれるのは今に始まったことじゃないけれど、やっぱりみんなに愛されててムカついてる」

「えー?農家さんたち優しいだけで、俺がどうとかじゃないよ」

「そんなの分かんないじゃん…だってまー、優しいしかっこいいし、みんな好きになるよ」

テレビで観る潤ちゃんはいつも自信満々なのに、本当は不安を上手く隠しながら芸能界という荒波に足元を攫われないように必死なんだよね
だからお家の潤ちゃんを見てると癒してあげたくなるし、甘やかしてあげたくなる

「例え他の人が俺を好きになっても、俺は潤ちゃん選んでるんだから、関係ないよ」

「…うん、ありがと」

「んふふー、しょげ潤はかわいいなぁ」

可愛くない!と反論してくるのがまた可愛くて、横に並んで頭を撫でる
嫌がる様子もないのでそのまま続けていると、手を掴まれて指先にキスを落とされる
その仕草一つ一つが王子様みたいだ

「今は俺だけのまー、でしょ?」

コンロの電源を落とすと、掴まれた手とは逆の手で頬を撫でられる

「うん…」

はっ!!!!!

ヤバい…俺絶対にんにく臭いよ…
意外とロマンチストな潤ちゃんをがっかりさせちゃう!

「ま、待って!」

「…なに?」

「あのね…ご飯食べてからにしない?潤ちゃんの美味しいご飯、あつあつのうちに食べたいなー」

なんて…ちょっと意識して上目遣いとかしてみるけれど、さすがにいい歳した男がやってもキツいかな

「ん…、今日の力作だから、いっぱい食べてよ」

あっ、有効だった

ぎゅっと抱きしめられると、色っぽいため息が耳を擽ってゾクゾクする

「食欲が満たされたら、あとは…わかってるよね?」

耳に直接注がれる低音ボイスに腰が砕けそうになるけれど、睡眠欲かな?なんてボケてみせれば「寝れると思ってるの?」と悪い顔で笑われた

彼はプリンスではなくキングだという事を思い出し、念入りに歯磨きと口臭消しに力を注がなくてはと頭に思い浮かべながら、夕飯を堪能したのだった