The Beatles (ザ・ビートルズ)に始まり The Kinks (ザ・キンクス)や The Rolling Stones (ザ・ローリングストーンズ)など数多くの英国バンドが米ビルボードチャートを席巻し、ブリティッシュ・インヴェイジョン(英国バンドの米侵攻)と呼ばれた1960年代中期。オーストラリアで絶大な人気を誇ったバンドがあった。その名は The Easybeats (ジ・イージービーツ)。世界的には「Friday On My Mind(フライデー・オン・マイ・マインド)」だけの一発屋だと思われがちであるが、本国オーストラリアでは、「オーストラリアのビートルズ」と言っていいぐらい人気があったグループだ。

こうして書いている私であるが、オーストラリアに来るまでイージービーツのことは全然知らなかった。空手仲間のオーストラリア人が、キンクスが好きな私にベスト盤CDを貸してくれたのだ。

Easybeats



初期は、ボーカルのStevie Wright (スティーヴィー・ライト)とリズムギタリストのGeorge Young (ジョージ・ヤング)の二人が曲作りをしていて、私が好きなそのころの曲は「Sorry(ソーリー)」 <ここをクリック>。

「ジャカジャカジャカジャッ!」と印象的なリフを弾いているのがジョージ・ヤングで、彼はAC/DC (エーシー・ディーシー)のヤング兄弟、アンガスとマルコム(Angus & Malcolm Young)の兄貴だ。リードギターはオランダ系移民の Harry Vanda (ハリー・ヴァンダ)で、後には彼がスティーヴィーに代わってジョージと曲を作っていくことになり、二人はイージービーツ解散後はAC/DCのアルバムをプロデュ―スすることになる。

オーストラリアでトップを取ったイージービーツは、イギリス進出を試みる。当時のイギリスはロック、ファッションの最先端を走り、スウィンギング・ロンドンと呼ばれている頃だ。イギリスを制せば世界を制せるし、何といってもイギリスは母国なのだ(ハリー以外は生まれがイギリスの移民)。

イギリスでのプロデューサーはShel Talmy (シェル・タルミー)。で、シェル・タルミーといえば「You Really Got Me (ユー・リアリー・ガット・ミー)」他、キンクスの初期の一連のヒット曲をプロデュースした人物だ。そして、彼のプロデュースでジョージとハリー作の「フライデー・オン・マイ・マインド」が豪州はもとより米英のチャートでも大ヒットする。

私的には、「Good Times(グッド・タイムズ)」という曲が最もカッコイイと思う(これは違うプロデューサー)。The Small Faces (ザ・スモール・フェイセズ)のSteve Marriott (スティーヴ・マリオット)がバックコーラスで、1990年代に日本のドラマの主題歌を手掛けたりしたNicky Hopkins (ニッキー・ホプキンス)がピアノで参加している名曲だ<ここをクリック>。

イギリス時代には、歌いながら踊りまくるスティーヴィーの噂を聞きつけたローリング・ストーンズのMick Jagger (ミック・ジャガー)がわざわざ観に来て、そのすごさに嫉妬したという逸話が残っている。スティーヴィーの踊りはこれが一番かな <ここをクリック>。どうやったらこんなに速く体を動かせるのだろう?

そのスティーヴィーだが、今年68歳で亡くなった。3年ほど前に彼のドキュメンタリー番組があったが、あまりの変わりように私は目を疑った。イージービーツ解散後にヘロイン漬けになってなかなか抜け出せなかったらしく、容姿は面影がなく80歳以上に見え、当時すでに車椅子生活だったようだ。麻薬の恐ろしさをまざまざと見せつけられたドキュメンタリーだった。

「セックス、ドラッグ、ロックンロール」なんてスローガンがあるが、一番目と三番目は大いに奨励するとして、真ん中には絶対に手を出さないこと!

何はともあれ、60年代のブリティッシュロックが好きな人は、このイージービーツも気に入るであろう。私がそうであったように。


では、スティーヴィーの冥福を祈りつつ二枚組CDを聴くとするか。


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