え~、肝試しプラリアが中途半端に投げ出されていますが……
秋に夏のことが書けるかぁ!! という心境なので、来年の夏ぐらいまで
放置
にさせて頂きます。
オチは、まぁそれほど大したことは考えていないので、
続きを書きたい! という方がおられれば、是非是非お願いします。
というか、
誰か続き書いて(切実) あ、一応プロットは組んでいるので、誰もいなければ
しぶしぶ頑張って書きます。はい。
ということで、まじまさんが以前描かれたこの絵(
腹ごしらえ)からの妄想プラリアです。
肝試し以上のお目汚しかもしれませんが、楽しんで頂ければ幸いです。
焼き芋 うだるように暑い夏が過ぎ去り、ふと朝夕の冷え込みが気になり始めたなと思うのもつかの間、秋はあっという間にやって来る。
何だか日が落ちるのが早いな。
どうも空が高いな。
今日はいつもより冷えるね。
とか何とか言っているうちに、着込む衣が一つまた一つと増えていき、秋もたけなわな今日この頃は……
「さ、さむ~い!!」
上空を飛ぶ竜&ワイヴァーンの背でがたがた震えなければならない始末である。
「うう、地上では暖かかったのに」
オーバーコートを引き寄せてブレンダは歯の根が合わない唇をふるわせている。
「上がこんなに寒いやなんてサギや~」
恨みの叫び声に元気がないのは寒さのためである。ワイヴァーンの背に膝を抱えて座り込み、支給されたオーバーコートをすっぽりと首まで着込み、そのオーバーコートに付いているフードは顔が隠れるぐらい覆っている。ワイヴァーンの手綱を握る手のみがコートからのぞいていた。
「ブレンダ、その格好は危ないよ」
そばで竜を操るアルノーは苦笑気味で注意するが、恨めしそうな視線を向けられただけだった。
「そりゃ、アルノーさんはなれてるからええかもしれんけど…」
そして唇を突き出しながらポソリと呟く。
「そのチェインメイルも妙に温かそうやしな」
耳ざとく聞きとがめたアルノーは片眉を上げた。
「ブレンダも夏から金属鎧を取り入れたんじゃなかった?」
アルノーの言葉どおり、現在ブレンダは胸鎧に金属の部分鎧を着けている。
素人同然だったブレンダたちだが、驚異の成長力で今ではいっぱしの戦士と同じ実力をつけている。そのため当初は皮鎧しか着られなかったブレンダだが、最近は部分的に金属鎧を身に着けることが出来るようになっていた。
ところがアルノーの言葉にブレンダはさらに唇を突き出しただけだった。
「そやけど、ぜっんぜん、温かくないんやもん!」
ブレンダの言葉にアルノーは吹き出した。
「だったら僕のチェインメイルも同じだけど?」
「うっ」
アルノーの返答にブレンダは言葉をつまらせた。
そしてすねたようにそっぽを向いた。
「やけど、自分で着てみるのと人が着ているのは違うやん」
ブツブツそう呟くブレンダの瞳に、今日の目的地ラムゼー村がうつった。
やっと地上に戻れると安堵のため息をつくとブレンダはようやく背筋を伸ばしてワイヴァーンの背で立ち上がった。
「寒くないの?」
ビックリして尋ねたアルノーにブレンダは口をへの字に曲げて見せて言った。
「寒いけど、こんな格好は見せれんやろ。仮にも女王の騎士やのに」
それからは、本人はキリリとした顔のつもりなのか、ちょっと取り澄ました顔をしたためにアルノーはもう一度吹き出しそうになった。
「それでは、今のところなんの異常もありませんね」
ラムゼー村への定期的な見回りは村人への安否確認で締めくくられる。
ラムゼー村は三教の補給線と言ってもいい存在なので、面倒臭くてもこれは欠かすことができない大事な任務だった。
普段は「何もありませんよ」という言葉で終わるラムゼー村への巡回だが、時には「どうも畑が荒らされている」とか「村に病人が」とか「大事な荷物が届いていないのだが」という苦情や陳情が入るときもある。そういうときにはいち早く対応しなくちゃいけない。この辺境には誰の差し金か警備隊がいないために、そういった仕事も三教が負っているからだ。
とはいえ、数々の困難を乗り越えたブレンダたちにはそういった苦情・陳情でも平和の証と思えるようになっていた。
そして今日のように、
「どうぞ、お勤め中に食べて下さい」
村の女性がホカホカと湯気を上げた芋を入れたカゴをアルノーに渡し、ニッコリと微笑むという特典が付くこともあった。
「あ、いえ、お気遣い無く」
ところがアルノーは四角四面に断り文句をのべる。それでもと女性にカゴを押しつけられ、
「すみません。ありがとうございます」
と几帳面に礼を言ってやっと受け取る始末だ。
そんなアルノーに今度はブレンダが吹き出す番だった。
「え? 何?」
キョトンとブレンダを見返すアルノーだが、ブレンダはニマニマ笑みをつくりながら「別に~」と言うだけだった。
「あの人はアルノーさんに気があるんやな」
竜に乗っての帰り道、ブレンダは吹き出した訳を言った。
手に握り締めたゆで芋以外は、行く道と同じ格好だ。もぐもぐと芋を食べる口もフードの奥に隠れている。
「そうなのかな~」
アルノーも芋をほおばりながらまだ残っているカゴの中の芋を見た。芋はかなり残っているが三教全員に配るには少し少なすぎる。
誰に残りを渡そうかと思い悩んでいるアルノーをブレンダがフードの下からちらりと見た。
「アルノーさん、誰に渡そうか考えてるやろ」
「え? ああ、うん。全員分はないからなぁ」
ウ~ンと考え込むアルノーをもう一度ブレンダはちらりと見る。
「隊長には渡すんか?」
「え? ああ、そうだな。隊長には渡さないと」
真面目に返すアルノーをブレンダはジ~とフードの下から見つめた。
そして、
「あかん、あかんわ、アルノーさん」
「え? 何が?」
突然、ブンブンとフードごと首を振り始めたブレンダをアルノーが驚いたように見つめた。
「アルノーさんは女心を分かっていない!」
びしっとオーバーコートからのぞく指をアルノーに突きつける。
「お、女心!?」
目を白黒させるアルノーにブレンダはたたみかけた。
「女性からのプレゼントを他の女性(ひと)にあげるなんて、一番やったらあかんことやで。一番サイテーな男がやることや。何をやってもそれだけはやったらあかん。ええな」
「え、あ、うん」
ブレンダの(フードの下からの)気迫に押されて、つい頷くアルノーだが
「じゃあ、ブレンダが今食べている芋は?」
とは何となく聞くことが出来なかった。
ただ、フードの下からは、
「あったか~。これ、ホンマに温まるわ~。これから芋を持ち歩くことにしよかな~」
というつぶやきのみが聞こえていた。
ゆで芋は結局そのほとんどがブレンダとアルノーの胃におさまり、残りはウェインやシェーン、シンシアなどいつも集まるメンバーにこっそりとお裾分けされた。
ただ、芋はカカンバーさんが春に苗を植えてくれていたらしく三教でも取れ、さっそくアニスさんと親方がパイやタルトなどのお菓子を作り、三教のメンバーはその相伴にあずかることができた。
芋のお菓子は当然のことながら隊長も口にし、甘い物好きな隊長は数日ご機嫌で、ゆで芋の差し入れを渡さなかったアルノーがやっと良心の呵責から解放された頃。
「あ、アルノーさんやん。なんや、今から見回り?」
いつもの巡回のため制服を着て竜舎の前を歩いていたアルノーをブレンダが呼び止めた。
「ああ、今からラムゼー村まで、ウェインとね」
親指で指した竜舎の先では、ウェインが自分の竜に手綱を付けていた。
「へぇ、今日は一段と冷え込んでいるから上は寒そうやなぁ」
ブレンダはアルノーと空を何度も見比べながらそう呟いたのち、にまっと笑った。
「そんなアルノーさんに、うちからプレゼントや」
懐からブレンダはホカホカと熱い芋を取り出す。
「石焼き芋って言ってな、集めた落ち葉の下で蒸し焼きにした芋や。温まるで」
それをポイポイとアルノーに放り投げた。
「アチッ!」
そのあまりの熱さにアルノーが驚くとブレンダはアハハと面白そうに笑った。
「こうやってな」
ブレンダは自分のサーコートをめくり、そこに芋をゴロゴロと入れた。
「ここに入れとくとちょっと温かいんや。そんで、上で食べたらええで」
なるほどとアルノーも真似して焼き芋を懐へ入れた。ゆで芋と違い蒸し芋だから水分は少なく服が汚れる心配はない。それでいてゆで芋よりもホカホカと温かかった。
「ありがとう。助かるよ」
「やろ」
ニッコリと笑って残りはシェーンたちと分け合うのか、ブレンダは楽しそうに歩き去った。
「さ、さぶ~」
秋の空の上空はどこまでも澄み切っていて果てがないように、気温の冷え込みも果てがない。
なまじ竜に乗って風を切っているから、その寒さは並大抵のものではなかった。
ガタガタとどこかで見た光景そのままに震えているウェインを見て、アルノーは思わず笑みをこぼした。
アルノーのように以前から竜に乗っている者と違って、この春から竜やワイヴァーンに乗り始めた者にとって気候の変化はかなりキツイのだろう。地上でこれぐらいの気温なら上空ではこれぐらいの寒さという調節がうまくできなくて、たいていは上空で震える羽目になっていた。
ふと、アルノーはお腹のあたりがほこほこ温かいことに気づいた。
「ああ、そうだ」
アルノーは懐から焼き芋を取り出すと、
「ウェイン!」
ぽいっとウェインに放り投げた。
「え? うわ! アチッ!!」
あちちとウェインは芋を放り投げながら冷ます。それを横目で眺めながらアルノーは芋をほおばった。
ホカホカとした芋の甘みが口の中に広がり、甘党ではないが隊長のように笑みがこぼれる。受け取ったウェインも
「助かるな~」
と言いながら嬉しそうにほおばっていた。
「何? 親方からの差し入れとか?」
「いいや、ブレンダから……」
ウェインの問いにそう答えかけて、アルノーは「あ!」とうめいた。
「え? 何? 何なの?」
ウェインは驚いたようにきょろきょろと周囲を見回すが、別に何もない。不信気にアルノーをちらりと見ると、アルノーは食べかけの芋を手にしたまま何かをしきりに考えていた。
「……ウ~ン、でも、ウェインは男だし、この場合は違うのかなぁ」
「え? 一体何の話?」
ウェインにはちっとも分からなかったが、アルノーの頭には何度もブレンダの言葉がこだましていた。
『女性からのプレゼントを他の人にあげるなんて、一番やったらあかんことやで』
その頃ブレンダは……
「なぁ、シェーン、うち、そろそろ芋を食べるの止めよう思うんや」
「え~、何で~」
「ほら、『天高く馬肥ゆる秋』言うやろ」
「ああ、『女心と秋の空』だね! わかるわかる。私もやばいの。頑張ってダイエットしなくちゃ!」
「そうそう。ホンマ、秋は女性にとって大敵やなぁ」
そんな二人の会話を
(いや、それはまた別の意味だから!)
とそばを通ったアルサリーズが心の中でつっこんでいたとかいないとか。
<オチナシ・了>
*****
設定その一 秋なのでブレンダたちも金属鎧を部分的に着けられるぐらい腕が上達している。
設定その二 オルタはだいぶんブレンダたちになれてヤキモチはあまり焼かなくなった
(だけど女性から芋をもらったとき、ちょっと機嫌は悪かったかも)
まぁ、つまるところ夏の話より秋の話が書きたくなったんです。
肝試し、そのうち続き書きますんで、今のところこれでご容赦下さいm(_ _ )m
そして相変わらず、ブレンダ以外のPCが出張っているプラリアですみません。