アルノーさんの部屋に本が山積みの理由
①書庫では本は読めない(照明が暗い。読む場所がない)
 →読みたい時は部屋へ持って行って本を読む
 →一冊一冊取りに行くのは面倒なのでまとめて借りる
 →ついでにブレンダたちが探してくれと頼んだ本も借りておく
 →借りに来たブレンダたちが書庫に返さずアルノーさんの部屋に返す→本が山積み
②実は全部アルノーさんの私物
で、ファイナルアンサー?


あと、鎧については自分の半知半解ぶりが色々露見しちゃっています。
やっぱり、詳しい人の解説待ちます。


ということで、驚きの二部構成になった「部屋の事情」、皆さんの応援に応えての続きです。


5.12事件


「やっぱりやめましょうよ。アルノーさんに悪いわ」
「ええやんええやん。面白そうなんやし」
「そうそう。こ~んな妙齢の美女たちがベッドにいるのに、無視しているアルノーさんが悪いのよ」
「シェーン、美女は図々しいで。せめて美少女にしとこ」
「ふふ。ブレンダも」
「おーい、君たち、もうちょっと静かに」
「やっぱり悪いわ」
「はいはい、アニスちゃんはちょっと外に行こうね」
「あ、ちょっと、キキさん!」


 『経済白書』の最後のページをめくりながら、アルノーは心の中で首を傾げた。
 なぜだろう。どうも背後が騒がしい気がする。
 しかし、あと1ページで本が読み終わるという誘惑に勝てなかったアルノーはそのまま読み進めようとして、「ムニ」と妙に柔らかい感触を背中に感じた。
 いや、「ムニ」というか「ムニュ」というか「ズシ」というか、こう、柔らかくてしかも妙に弾力のあるちょっと重い物が背中に乗ったのだ。
「え!?」
 と我に返る暇もなく生暖かい息がふぅっと耳をくすぐる。
「アルノーくん? ちょっとお願い事があるんだけど、いいかなぁ?」
「ええ!? シ、シ、シシシシ、シンシア!?」
「そう」
 ふぅっともう一度シンシアの息がアルノーの耳をくすぐった。と同時にさらにムニッと柔らかいものがアルノーの背中に押しつけられる。
「ちょっとアルノーくんにぃ、教えてもらいたいことがあるんだけどぉ、いい?」
「え、いや、そ、それはいいけど」
「ホント?」
「う、うん。いいけど、その、ちょ、ちょっと離れてくれるかな?」
「えぇ~、どうしてぇ?」
「いや、どうしてって、その、えっと、あの、あたっている、あたっているから」
「何がぁ?」
「えっとね、君の、あのね、その……と、と、とにかく、ちょっと離れて」
「え~」
 シンシアはアルノーのいうことを聞くどころか、さらにギュッと胸をアルノーの背中に押しつけた。何とも言えない感触がアルノーの背中に広がり、アルノーは頭の先まで血が逆流するのを感じた。
「とっ! とにかくっ、ちょっと離れてくれないか!」
 慌ててシンシアの体から身をはがそうとした時、ごうっと風が起こり、びりびりと壁が振るえた。
「え?」
 窓へ視線を移すと、この世で最強の生き物と呼ばれるの顔がある。
「オ、オ、オルタァ!?」
 
アルノーの愛竜オルタが、むっとした表情でアルノーを見つめていた。もし竜に表情があるならば、だが。
「待て、誤解だ! これは、何でもないんだ!」
 まるで浮気現場を妻に見つかった夫のようにアルノーは慌てふためきながら腰を椅子から浮かした。
 途端に何かがピンと椅子を引っ張る。
 素早く身を翻し、アルノーから離れるシンシア。
 ハッと気付いて慌てて身を翻したアルノーの目の前にガンとタライが落ちてきた。チッと舌打ちが起こる外野。
 だが、そのタライをよけるために一歩後退したアルノーは床が滑るもので塗りたくられていることに気付いた。
「う、うわ!」
 つるつると滑りながらも何とか体勢を整えようとつかまるものを手探りで探すアルノー。
 ようやくつかんだと思えば、それも何かにつながっている感触がある。
 慌てて身を翻せば、バフーと粉のようなものがやはり目の前に降ってきた。オオッと今度は歓声が上がる外野。
「き、君たち!」
 ようやくどういう状況かつかめ始めたアルノーはキッと戸口を睨んだ。
 が、これが失敗だった。
 つるりと体勢を崩してしまったアルノーはどしんと床にしりもちをつく。
 その時何かが足に引っかかる感触がし、バサッと壁から何かが飛んできた。
 ゴロリと横転がりしてそれを避けたアルノーの傍らをシーツがもう一方の壁へと飛んでいく。パチパチと拍手が起こる外野。
「この!」
 さらにゴロゴロと転がってくる桶や、床から飛び上がってくる網を避けたアルノーはバンと、怒りにまかせて薄く開いている扉を開けた。
 その瞬間。
 ザバァー。
 最後のとどめとばかりに水がアルノーの頭にふりそそぐ。
 ガコッとひっくり返った桶がアルノーの頭にかぶさるおまけ付きで。
 うわぁぁぁと拍手喝采の外野を見渡せば、満面の笑みのブレンダ、シェーン、ウェイン。そしてちょっと心配そうにおろおろしているアニス。
 ちらりと部屋の中を見れば、げらげらとおかしそうに笑っているシンシアと満足げな笑みを見せながら窓から部屋へと降り立ったキキがいた。
「さっすがキキさんやなぁ。イタズラを二段、三段どころか四段五段まで仕掛け、相手が油断した頃合いを見計らって最後の隠し球を仕込んでいる。なかなか真似できひんわぁ」
「そうだよねぇ。初めにシンシアさんでアルノーさんを油断させ、次にオルタで混乱させるのもさすがだよね」
「いやいや」
 ブレンダとシェーンの褒め言葉にキキは大満足の微笑みを見せながら手を振る。
「シンシアちゃんとオルタの案はウェインだよ。あたしじゃここまでは凝れないよ」
「いえいえ」
 キキの褒め言葉にウェインは恐れ入ったように彼女にお辞儀をする。
「キキの案があればこそだよ」
「いや、もともとはウェインの案だよ。それに、乗ってくれたシンシアちゃんや皆さんにも感謝☆」
 ぺこりとキキもウェインや皆にお辞儀を返した。
 わぁ、とまた拍手が起こる。
 その中、一人取り残されていたアルノーにアニスがおろおろと声をかけた。
「あの、大丈夫ですかアルノーさん。私、一応止めたんですけど……」
 おろおろとタオルを渡すアニスのタオルを受け取り、心配させないように彼女に微笑んだアルノーはくるりとウェインたちを振り返った。
「ウェイン~、キキ~、それに、ブレンダ、シェーン、シンシア~むかっ
 部屋を見渡せばタライや桶、シーツや網、油や水でぐちゃぐちゃのどろどろ。
 そんな中で5人は互いの健闘をたたえるかのようにハイタッチをかわしている。
 わざわざベッドや本など邪魔になるものを廊下に出しているのが小憎らしい。
 そう、自分が座っていた文机だけが唯一の聖域のように部屋の奥で鎮座ましましていた。
「君たちは~むかっ
 怒り心頭のアルノーだが、5人は全く反省の色も見せずけろりとした顔をアルノーに向けた。
「アルノー、これは身から出た錆だよ。ここまでの大仕掛けをしている間君は、一度たりとも顔を上げて辺りを見回すという行為をしなかったんだから」
 ウェインが諭すようにそうのたまうと、そうだそうだとブレンダとシェーンも相づちを打つ。
「そやそや。年頃の娘がベッドにいても気付かへんぐらいなんやからな」
「そうだよ。シンシアさんの胸には気付くくせに~」
「いや、あれは……」
 つい、モワンとその感触を思い出して顔が赤くなるアルノー。
「そう、むしろ感謝して欲しいですね」
 とウェインはニヤニヤ笑いながらアルノーの肩を叩いた。
「いい思いしたでしょ」
「ばっ!」
 耳打ちするウェインに真っ赤な顔で怒ろうとするアルノーだが、ハッと気付いたように窓を見た。
「ちょっと待て、まさかオルタも……」
「そう、今回は参加者だよ」
 キキが窓から顔を出して手招きすると、アルノーの竜オルタとキキの竜イカルガが同時に顔を見せた。
「結構ノリノリで助かったよ」
「オルタ~」
 恨めしげな視線をオルタへ向けると、「フンだ。鼻の下伸ばしていたくせに」と言わんばかりにオルタはそっぽを向く。
「いや、あのさ。あれは不可抗力というか。いや、だから、機嫌なおしてくれよ」
 途端に言い訳を始めるアルノーにブレンダたちはゲラゲラと笑い転げた。
「アハハハ。アルノーさん、ホンマにオルタの尻に敷かれているなぁ」
「仲が良くてうらやましいな~」
「案外、女性に縁がないのもオルタのせいではないですか?」
「試してみるぅ?」
 ニッコリと無邪気な、だが少しばかり邪悪な笑みを見せるシンシア。
 オオッと色めき立つ背後だが、アルノーはまだ気付いていない。
 こっそりとアルノーの背後に忍び寄ったシンシアは、再びアルノーの背中に抱きついた。
「アルノーくん、ごめんなさぁい。悪気なかったんだよぉ?」
「え、あ、シンシア? あ、あの」
 ムニムニと押しつけられる胸の感触に耳まで真っ赤になるアルノー。
 ゴウッと巻き起こる風。
「ま、待て、オルタ。落ち着け」
 一目散に部屋の外へ退避するブレンダたち。
「話せば分かる~~~!!」
 
アルノーの絶叫を最後に、ドカンと轟音が宿舎中に響いた。


THE END


あと、もうちょっと続くかも……

「PoDを色々考察しよう」は私が他のプラリアを書いている間に思いついた小ネタ集です。

そのため、オチがあったり、なかったり。ギャグに走ったり、突然シリアスになったりします。

そして、他プレイヤーキャラクターに関しては、完全に妄想です。

こんな感じの日常を暮らしてるのかな。

という想像から生まれた妄想なので、「私のキャラクターはこんな事しないよ」というのがあれば、おっしゃって下さい。

そうして頂ければさらなる妄想(ゴホゴホ)……PC理解が深まりますので。


お風呂の事情

ということで、ここから言い訳です。

お風呂ネタはまじまさんの談話室でされていた話題のネタを拾いました。

アルノーさん=まじめ

シンシアさん=お色気

シェーンさん=お子様

というキャラ設定はネタにしやすくて、つい使ってしまいます。すみません。(;´▽`A``

あと、使いやすいネタは、

ウェインさん=悪戯とかの首謀者

アルノーさん=オルタ&隊長

シェーンさん=竜が好き

ティアナさん=隊長LOVE

です。

エルシトリンさんの「オヤジギャグで場を凍り付かせる」という設定も使いたかったのですが、上手いこと思いつきませんでした。

キキさんの「悪戯の天才」は、次のプラリアで使用するつもりです。


お風呂はマスターとの質問であることは分かっているのですが、どのような形態かは出てきていなかったと思います。

ので、別の設定とかが描写されていたらすみません。(その時はまた、色々妄想し考えます)


鎧の事情

剣道を習っている友人に防具について聞いた時にフッと思いついたネタです。

鉄の鎧が夏暑いことに関して、まじまさんからのご指摘では、ヨーロッパは日本と違って湿気が少なく、気温も低いので鉄の鎧でもなんとかなったかもだそうです。

だからこそ、十字軍の遠征で死ぬような目にあったとか。

確かに、鉄が太陽の熱で温められて云々という話も、鎧の上にサーコートを着るだけで防げたそうです。

(この話聞いた時、「うっそぉ、そんな程度で何とかなるもんなの?」と思いましたが、そっか気温が低いんだ)

逆に竜に乗っていると寒いからチェインメイルでちょうどいいかも、という話は入れようかなと迷いながら冗長になりそうだったのでやめました。


あと、船乗りは鎧を着ないということですが、実は戦闘員は着ていたりします。

日本の場合、鎧は鮫皮をなめしたヤツや竹を漆で固めたヤツとかで作られているので、鎧を着ていても結構浮きます。

とはいえ、武将の鎧は鉄板が仕込んであってかなり重いので、全ての鎧が浮くわけではありませんが。

でもある程度は着たまま泳げたそうです。

平家物語で平家の武将が鎧を二重に着て入水自殺したという描写があるのですが、逆に言うと鎧を二重に着ないと沈めなかったとも考えられます。

ヨーロッパでもヴァイキングとかは鎧着込みますしね。

また部分鎧など、落ちてもすぐに脱げるような鎧は船乗りでも着ていたそうです。

まぁ、フルプレートアーマーは余裕で沈みそうですが。


その他、友人に聞いたのですが、剣道の防具はなれてくるとより重たいものの方がよくなってくるそうです。

まず、打たれた時の衝撃を防いでくれるので痛くなくなるそうですし、さらに重い防具の方が体にぴったりとはまるそうです。

この話も入れようかなと思いながら、上手く表現できなかったのでやめました。


魔術師は現実世界にいないのでどうなのかは分かりませんが、一応リアクションの中で軽装でなければいけない的な描写があったので「鎧は着ちゃダメ」ということにしました。


鎧とか武器に関しては実は全然詳しくないので、詳しい人に解説してもらえるとありがたいです。

(日本の弓に関しては構造から解説できますが)


部屋の事情

これは完全に妄想です。(・ω・)b

まじまさんの談話室で皆がわいわいやっているのが、時々アルノーさんの部屋でPCがわいわいやっている感じに見えて、つい妄想してしまったものです。

なんか特にウェインさんは、普通にアルノーさんの部屋に入り浸っている感じがします。

(相部屋でもないのにいつもいる気が……それとも相部屋設定なのでしょうか?)

アルノーさんの部屋は本が山になってそうと妄想しましたが、本当は部屋は鎧と身の回りの品しか置いてなくて本は図書室で読んでいる方がらしいなとも思います。

だから部屋にも寝る時しかいなくて、プライベート時間はいつも図書室でこもりっきりとか。

ただ、アルノーさんの部屋で皆が入り浸る理由が思いつかなかったので、ちょっと強引に「みんな本を借りに来てそのまま入り浸り」という状況を作りました。

ところで、なぜみんなアルノーさんの部屋へ借りに来るかといえば、

「図書室の本より探し易いんや。便利な検索機能が付いているからな」byブレンダ

です。


で、続きですが、今むにゃむにゃと考え中です。

「悪戯の天才」であるキキさんの設定がいかせればいいのですが、著者の能力に限界があるので古典的な悪戯になりそうです。


ところで、今気付きましたが「~の事情」という題名は「ガルシア家の事情」から続いています。

小ネタ集なので適当に題名を考えたのですが、何も考えなさすぎですね。(反省)

部屋の事情


訓練生の寝室ってどうなっているのでしょう?

前回のプラリアでは大部屋っぽく書きましたが、実際にはどうも個室みたいです。

ただしこれが、一人一人にあてがわれた部屋なのか、実は相部屋でニホン人とかエ○マー君とか特別なメンバーだけ個室になっているのかは意見が別れるところですが。

これもマスターに聞けば分かることですが、とりあえず色々想像してみましょう。


まず、道徳上、男性たちの部屋と女性たちの部屋は別々に設けられているでしょう。

建物からして違うのか同じ建物で階が違うだけなのかはちょっと分かりませんが、農業研究所は大きな一つの建物みたいなので、おそらく階が違う程度なのではないかなぁと思います。

構造的には塔を除くと一番上の階に隊長とかスタッフの部屋があり、もちろんエルマー君の部屋もここかなと思います。(エルマー君の部屋の上で怪しい行動をしていたエミリィさんの描写があったので)

で、次の階が女子の部屋。その下が男子の部屋。それからその下が食堂とか厨房とかがある部屋ではないでしょうか。

指揮所とか研究室とか講義室とかがどうなっているのかもちょっと分かりませんが、こういうパブリックなスペースは別棟になっていそうです。もちろん寝泊まりしている建物とつながったような形で設けられていると思いますが。

あ、そう言えば中庭もありましたね。

もしかすると指揮所や隊長室などは真ん中にあり、右棟が男子の部屋、左棟が女子の部屋という感じかもしれません。

ちなみに竜舎は別棟だと思います。


で、訓練生の部屋ですが、おそらくベッド一つと椅子一つ、そして洗面台が一つそなえられた簡易なものではないでしょうか。

もちろん今ではそれぞれ、自分たちが持ち込んだもので部屋はデコレーションされているでしょうが。

例えばブレンダの部屋は、あっちこっちにスカーフとかショールとかが引っかけられているだろうし、シェーンさんの部屋はアクセサリーがたくさん飾られているかな? アルノーさんの部屋はきっと本が山高く積まれているのでしょうね。ウェインさんの部屋には海図なんかがべったり貼られているかもしれない(船乗りをなんだと思っているのだ)。


という、そんな想像から生まれたプラ・リアです。

ちなみに私は大部屋の方が好きです。

第二次世界大戦で、女性だけで編成された飛行隊を映画にしたものがあったのですが、大部屋で女の子たちがわいわいやっているのが楽しそうだったのです。

ベッドとベッドの間のわずかなスペースに自分の持ち物で色々デコレーションしているところとか。

もちろん戦時中なので、居なくなった(戦死した)人のベッドが突然荷物を片づけられて殺風景になるのは、何ともいたたまれない気持ちになりますが。

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


「アルノーさん、『料理本大全』ってある?」

 アルノーの部屋にノックもしないで入ったブレンダは、そのままアルノーの返事も待たずに本の山を物色し始めた。

「ん? ああ、確か、そっちの山の上から三番目ぐらいかな」

 しかし、本に夢中のアルノーは咎めるどころか生返事だ。生返事とはいえ、しっかり本の場所だけは覚えているようだが。

「あ、あったあった。うっわぁ、これ美味しそう~。今度親方に頼んで作ってもらおうかなぁ」

 アルノーが文机から顔も上げないことをいいことにブレンダはベッドに腰掛け、分厚い『料理大全』を眺め始めた。

 やがて疲れ始めてきたのか、ゴロリとベットにうつ伏せになり、頬杖をしながら『料理大全』に載っている料理の挿絵を眺め始める。

 途中、しきりに「これ美味しそうやなぁ」、「これはどんな味がするんやろ?」とつぶやいているが、アルノーは全く無反応だった。


「アルノーさん、『料理大全』ってこちらでしょうか?」

 トントンと遠慮がちにノックしておずおずと部屋をのぞいたアニスは、行儀悪くベットでゴロゴロしているブレンダを見て少し顔をしかめた。

「ブレンダ、行儀悪いわよ」

 慌てて起きあがったブレンダは、自分の手元の『料理大全』を持ち上げて「これ?」とアニスに聞く。

「そう、それです。ハーブを使った料理でもうちょっと幅を広げられないかなと思いまして」

 そう言いながらアニスはブレンダから受け取った『料理大全』をパラパラとめくり、ハーブ料理の項目を開けると、ベットに腰掛け熱心に読みふけり始めた。

 手持ちぶさたなブレンダはブラブラと本の山の周りを歩き、積まれている本の題名を眺める。

「『青と黒』、『花の百名山』、『ポリー・ハッターと賢者の杖』……あ、これ『アルルカンシリーズ』(注)やん。アルノーさん、こんなのも読むん?」

「あ~、それは確か昔同僚に押しつけられた本かな? こっちまで持ってきてたんだ」

「あ、『冬のソナチネ』もある。これ、ちょっと前に流行ったベストセラーやろ。芝居小屋でこれを劇にした奴が何回も公演されていて、ちょっと年配の貴婦人たちに人気やったんや。主役のヨハンいう俳優がむっちゃ男前で、みんな『ヨハン様、ヨハン様』言うていたなぁ」

「そうだったかな。中身は普通の恋愛小説だったよ」

「当たり前やん。……って、アルノーさん、興味があったから読んだわけやないんやな」

 生返事のアルノーにはこれ以上相手にしてもらえないと思ったのか、ブレンダは『冬のソナチネ』を手に取るとパラパラと読み始めた。


「アルノーさん、『若葉物語』の続きってある?」

 アニスが『料理大全』に夢中なことをいいことに、ブレンダがまたベッドでゴロゴロし始めた頃、シェーンがブレンダと同じくノックもしないで部屋へ入ってきた。

「え~と、確か、その山の一番上かな?」

 ブレンダの時と同じようにアルノーは顔も上げずに答える。

「あった。これ面白いね。ブレンダも読んだ?」

 シェーンはブレンダの横に腰掛けながら、ブレンダに聞く。

「読んだよ。でもうちは、『十五少女漂流記』とか『銅仮面』とかの方が好きやなぁ」

「ブレンダは冒険ものが好きなの?」

「そやな。いつか自分もしたいなぁって思うからやろか。ていう話していたらまた読みたくなったわ。アルノーさん、なんかない?」

「『ヤクスのふしぎな旅』ならあるけど」

「それ、子供の頃読んだわ。懐かしいなぁ。もっぺん読も」

 ブレンダは起き上がり、本の山から児童書を引っ張り出す。その間にシェーンはベッドにうつ伏せになり、頬杖をつきながら『続・若葉物語』を読みふけり始めた。ブレンダもその横に本を広げ、同じ体勢で読み始めた。


「アルノー、この間借りた本だけどって、うわっ、人口密度高!」

 部屋に入ってきたウェインは、アルノーの部屋の様子に一瞬たじろいだ。

 ベッドの上には妙齢(?)の女の子たちが思い思いの格好で本を読みふけっている。その状況を一瞥だにもせず、アルノーは文机で熱心に本を読んでいた。

「この状況で本が読めるのはうらやましいのか、もったいないのか。というより、何読んでんだろ?」

 ちらりとアルノーが読んでいる本に視線を走らせたウェインは愕然とする。

「『経済白書』!? それを、今、この状況下で読むのか?」

「ん~、ウェインか? もう少しでこれ読み終わるから、もうちょっと待っててくれないかな?」

「しかも読み終わるんだ!」

 本を読む時のアルノーの集中力にウェインが呆然としているところへ、キキがひょっこり顔をのぞかせた。

「アルノー、借りてた『ロミオ×ジュリエット』面白かったよ。次は『ハムレット×マクベス』とかないかな?」

「それはまだ読んでないな。探しとくよ」

「うん。お願い」

「キキさん、キキさん」

 そう言って出て行こうとするキキをウェインはちょいちょいと手招きで呼んだ。

 しばしコソコソと内緒話する二人。

「うん。分かった。ちょっと探しに行ってくるよ」

 ニヤリと笑ったキキは一目散に部屋を飛び出た。

「では私も、フォローを準備しますか」

 面白いことになりそうだとニヤニヤ笑いをしながらウェインもゆっくりと部屋を出て扉を閉める。

 最後に熱心に本を読みふけっているアルノーを確認して。


あ、あれ?

なんか続いちゃったぞ?

続き、あんま考えていないのであまり期待しないで下さい。


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

(注) 『青と黒』:某文豪の長編大作。

   『ポリー・ハッターと賢者の杖』:魔法学校が舞台の某人気児童文学。7巻シリーズ。

   『アルルカンシリーズ』:女流作家陣が主体となって執筆している恋愛小説シリーズ。(ウィキペディアで「アルルカン」を検索してみよう)

   『冬のソナチネ』:大ブームを博した恋愛小説。芝居としても上演され、主役のヨハンは人気俳優となり、「ヨハン様効果」を生み出した。

   『若葉物語』:少女向けベストセラー本。続編もある。

   『十五少女漂流記』:十五人の少女が漂流する冒険記。

   『五銃士』:国王に仕える五人の銃士が世を忍ぶ仮の姿で悪の怪人を倒していく話。

   『ヤクスのふしぎな旅』:子供向けのお芝居にもなった良質の児童書。

   『ロミオ×ジュリエット』:ネオ・ヴェネチアで悪政をしくモンタギュー家。そのモンタギュー家に果敢に立ち向かうジュリエット。そして、敵同士と知らずにジュリエットと恋に落ちるロミオの悲しい恋の物語。(これ本当に実在する話なので検索かけてみて下さい)

   『ハムレット×マクベス』:叔父への復讐に燃えるハムレットを言葉巧みに操るマクベスの野心を描いた悲劇。(これは実在しません。たぶん)


   こういうの考えるの面白~いo(〃^▽^〃)o


追記:「銃士」はいないんじゃという指摘を受けたので本の題名を変えました。
   『五銃士』→『銅仮面』
   『銅仮面』:銅の仮面を無理矢理付けられた騎士が復讐のため悪人たちを倒していく冒険譚。

鎧の事情


まじまさんの絵では正装はスケイルメイルっぽいけど、訓練中はどんな服でみんな訓練しているのでしょう?
これもマスターに聞けば分かることですが、とりあえず色々想像してみましょう。


同じくまじまさんの絵では勤務中はチェインメイルにサーコートのようですが、スケイルメイルもそうだけどチェインメイルもものすごく重いのです。
だから、騎士出身で着慣れている人や体力のある男性は大丈夫だと思いますが、着慣れていない女性陣にはかなり重労働だと思います。
ということで、訓練初期は綿の入った胴着、チェインメイルやスケイルメイルの下に着込むもの、で訓練していたのではないでしょうか。
そして、ある程度なれてくるとなめした皮を膠で固めた革鎧を着て訓練したと思います。
ただし、この膠で固めた革鎧、意外と重いのですよ。あと、固いので自由自在に動き回るには相当の修練が必要です。
初めの頃は脇とか腿とか体の柔らかい部分にみんなあざを作っていたんじゃないかな? さすがに革鎧をそれぞれの体に合わせてオーダーメイドしたわけでもないだろうし……


という、そんな想像から生まれたプラ・リアです。
今回はヤマもオチもないです。

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


「くぅ~、しみるぅ~」
 首筋にできたアザにブレンダは水で冷やした手ぬぐいをのせ、うめいた。
 首筋だけではなく、肩、脇、腕、手首、横腹、太もも、ふくらはぎにもアザはできている。
 皆、革鎧が体にこすれてできたアザだ。
 ベアトリスが鎧を着慣れるために哨戒中だけでなく訓練中も鎧の着用を命じたのだ。だが、着慣れていない者からすると、この命令はかなりの重労働である。
 革鎧も初めは「なんだ、意外と軽いやん。楽勝楽勝」と思っていたが、一日が終わる頃には鎧が肉に食い込み、痛いやら重いやら。
 鎧を外すと肩口は真っ赤に腫れ上がっていた。そしてその傷が治らないうちに次の日が来てしまう。
 今やアザは、赤ではなく薄黒く変色していた。
「初めだけだ。鎧の重さが気にならなくなったら、アザも消えているさ」
 胴着を脱ぎ、汗ばんだ体を拭きながらエルシトリンが励ました。
「そやけど、次はそれを着なあかんのやろ?」
 ブレンダが指さす先にはエルシトリンのチェインメイルがあった。騎士所属の者は初めから皆チェインメイルで訓練している。訓練中は着用しなくてもいいのだが、おそらくブレンダたち初心者へのハンデの意味も含めて着用しているのだろう。
「すぐにはそうならないと思うよ。次は革にリングをはめ込んで補強した鎧だろうし」
「そやけど、いずれはそれになるわけやし。ちょっと持たせてもろてかまへん?」
「ああ、いいよ」
 エルシトリンはブレンダの手にジャラリとチェインメイルをのせる。ずっしりとした重さがブレンダの手にかかり、ブレンダは少しよろめいた。
「うわ、重た! こんなんエルシトリンさんらは着ているん!?」
「なれたらたいしたことないさ。とは言っても一日中着ているとさすがにちょっとしんどいかな? 鍛錬の一つだと思っているけどね」
「そうは言うけど、これ、うちらが着ている奴と全然重さが違うやん?」
「うん。でも重みはなれたらそれほど問題じゃなくなってくる。それよりこれを着た時の暑さと手入れの方が大変かな」
「手入れ?」
「チェインメイルは鉄でできているからね。毎日手入れをしないとさびてくるんだ。ほつれたところは繕わなくちゃいけないし」
「ええ! じゃあ、この編み目一つ一つをエルシトリンさんたちは毎日手入れしているわけ?」
「当然だ。まぁ、自分の命にも関わるところだから、文句はないな」
「ふえぇぇぇ~」
「それだけじゃない。鉄は通気性が悪いし、太陽の光りで熱くなるし、これを着ている時の夏の暑さは地獄だね」
「うわぁ。じゃあ、うち、アザぐらいで弱音吐いていたらあかんのや」
「はは、そうだな。スケイルメイルはもっと重くなるわけだし」
「エルシトリンさん、ちょっといい?」
 ブレンダとエルシトリンの許へシェーンがしかめ面をしながらやって来た。
「革の匂いが落ちないの。それにこのシミ、全然落ちないんだけど。どうしたらいいの?」
 シェーンがずいと見せたシャツには青黒いシミやら赤茶けたシミがこびりついている。
「ああ、革から落ちた膠のシミだな。シェーン、それは染み抜きしても落ちないから、諦めるしかないよ」
「ええ~」
「シェーン、シェーン」
 情けない顔になったシェーンをちょいちょいとブレンダは手招きする。
「これぐらいで落ち込んでいたらあかんで。エルシトリンさんの胴着見てみ。ほら、チェインメイルの赤さびで、もう初めからその色なのか何なのか分からん色になっているで」
 椅子に引っかけられているエルシトリンの胴着を見ると、確かにチェーン模様の赤いシミで全身が染まっていた。
 同じくそれに視線を注いだエルシトリンも「はは」と苦笑いをする。
「いくら手入れしてもね、どうしても錆は出てきてしまうからね」
 それからもう一つの椅子に引っかけていた別のシャツをエルシトリンは着ながら言った。
「鎧の下に着る服と普段の服は分けておいた方がいいぞ。鎧の下に着る服は通気性が良く吸収性が良く、そして丈夫で厚手のものが良い。その方がアザもできにくい」
「そういう意味でも綿入りの胴着なんやな。これから夏になるのに、よくそんな厚い物着れるなぁって思てたんや」
 ブレンダが感心したところでトントンと部屋の扉がノックされた。
「何話し込んでるの? そろそろ夕食だよ」
 食堂へ来ていない者を呼びに来たのか、扉を開けるとウェインが顔をのぞかせた。
「鎧を着るのは大変や、という話しているんや」
「ああ、なるほど」
 ウェインはブレンダの手に握られているチェインメイルを見てうなずいた。それから少し眉をひそめる。
「任務だから仕方がないとは思うけど、私たち船乗りからすると鎧を着るのは絶対ごめんなんだよね。特に鉄!」
 びしっとエルシトリンのチェインメイルを指さす。
「海へ落ちたら余裕でおぼれ死んでしまうんだよ」
「じゃあ、船乗りって海で何着ているん?」
「基本、鎧は絶対着ない。着ている服もすぐ脱げるものばかりだよ。服のまま泳ぐ訓練もするけど、そういった綿の入った服は絶対に着ないよ。どんなに寒くてもね」
 と言ってウェインはエルシトリンの胴着を指した。
「これもなん?」
「綿が水を吸って死ぬほど重くなるんだ」
「へえ。じゃあ、ウェインさんたちは普段エルシトリンさんたちとは全く逆の格好をしているってわけなんや」
「騎士も船乗りもある意味特殊な職業だからな。もっとも鉄は潮風に当たると錆びやすいから、私たちの方でも海に鎧を持ち込みたくないけど」
「なるほどな~。ほな、魔術師はどうなんやろ」
 そうブレンダが言った時タイミングよく部屋の前をシンシアが通りかかった。
「え? 何? シンシアちゃんのこと呼んだ?」
「うん。魔術師はこの服を着ちゃダメっていうのあるんかな? ていう話」
「着ちゃダメ?」
 話についていけていないシンシアにエルシトリンが説明した。
「つまり、ブレンダが言っているのは、魔術師は鎧を着ることができるのか、という話だ」
「シンシアちゃんは鎧を着ることができないよ」
「え! そうなん?」
「うん。魔法を使おうと思えば呪文の詠唱と共に複雑な印を組まないといけないんだけど、鎧はその手の動きを邪魔するから着たら魔法が使えないのよね」
「ほぉ~」とブレンダは納得したように頷いた。そして感心したようにシンシアの服を見回した。
「つまり、シンシアさんがいつも薄着なんは魔法を使うためなんやな」
 そう言ってしきりに感心するブレンダにシンシアは小首を傾げた。それから自分の服を見回す。
 豊満な胸を強調するような胸元。
 色っぽい脚線美を見せるスカート。
 まだまだ春先で冷たい風も吹くというのに、体の線をあらわにした服。
「違うよ」
 シンシアは首を振ってブレンダの言葉を否定した。
「これは趣味だよ」
「「「「…………」」」」
 途端に降りた沈黙を気にすることなく
「今日の夕飯は何かな♪」
 シンシアは呑気そうに食堂へ向かった。
 そして残された面々は……
(趣味なんだ)
(趣味なんですね)
(趣味なんや)
(いいなぁ、胸)
 それぞれの思いを残して夜は更けていく。


オチなしです。
お粗末様でした。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
エルシトリンさん初書きですが、こんな感じなのでしょうか?
あまりリアクションで絡んだことないですが、こんな感じでみんなのお母さん的に頼られていたらいいな、と思います。


追記:皮鎧→革鎧に訂正しました。(恥ずかし~)

お風呂の事情


ニホン人にとってはかなり死活問題だと思いますが、そこんところどうなっているのでしょう?
まぁ、マスターに聞けばいいんですが、とりあえず色々想像してみましょう。


お風呂に入ろうと思えば、川から水を引いてきて、さらに水を沸かさなきゃいけないので、実はかなりの労力がいります。
とはいえど、古代ローマでは都市ごとに銭湯が完備してあったというので、アストリアなど首都には公衆浴場があるんじゃないかな?
古代ローマでは皇帝も貴族も一般市民も、この公衆浴場を使用し裸の付き合いをしていたとか……。(ちなみに混浴)
フロルヴァーナ陛下も同じように裸の付き合いをしていたら、目の保養どころか神々しくて直視できないかもしれないですが、さすがにそれはないでしょうから、王宮とか一部の裕福な貴族・商人などは自宅に風呂を設備してそうです。


で、第三教導中隊の風呂事情はどうかというと、そもそも三教の水道事情がどうなっているのかを考えなくちゃいけないと思います。
普通に考えられるのは、井戸を掘ってその水で生活用水などをまかなっているパターンですね。
竜は水やえさを必要としないらしいので、水はそこで生活する人間と馬の分ぐらいで良かったはず。
三教は辺境にあるみたいなので、わざわざ川から水を引くより井戸を掘った方が実利的だと思うのです。
が、井戸水だと20人分の風呂を沸かすのはかなり大変です。
まず、水を井戸から汲んでこなくちゃいけないし、それを沸かさなきゃいけないのです。さらには使用した水を捨てて、風呂釜を洗わなくちゃいけません。
エミリィさんに任せず、当番制にしたとしてもかなりの重労働です。
もちろん、シャワーなどという贅沢なものはないでしょう。
ということで、三教の風呂事情はおそらくこんなものではないでしょうか。

①基本、体の汚れは濡れた布で拭いて落とす程度。
②女の子たちなど、髪の毛を洗いたい人は非番の日近くの川へ行って水浴び。
③風呂は五右衛門風呂のようなものがあるけど、浸かるだけのためのもので、そこで体を洗ったりするのは禁止されている。沸かすのは当番制。(もしかするとニホン人だけは風呂として利用しているかも)

④おしゃれな人は体にオイルを塗ったり香水を振りかけていたりする。


という、そんな想像から生まれたプラ・リアです。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


「うあぁ~、気持ちいい~。ん~、一日の疲れのあとは風呂やねぇ~」
 ブレンダは湯船につかってウ~ンと体を伸ばした。
「ブレンダ、もうちょっとそっちへ寄ってよ。私が入れないじゃない」
「あ、ごめんごめん」
 伸ばしていた手を引っ込めると、シンシアがそろそろと湯船に体を入れた。貴重なお湯なのでこぼれないようにするためだ。
 タポンと胸までつかった時、シンシアの豊満な胸が湯船がたてる波と共に揺れる。
「ウ~ン、気持ちいい~」
 シンシアもブレンダと同じように腕を伸ばし、ぐるぐると肩を回した。
「あ~、もう。胸が大きいのも考え物よね。肩が凝って肩が凝って……って、ブレンダ、何人の胸をじっと見てるの?」
「ん~、いや、胸って水に浮くんやなぁと思って」
「当たり前じゃない。脂肪のかたまりなんだから」
「ふ~ん、じゃあ、やっぱ水の中に入っていると『浮いてるな~』という感覚はあるん?」
「そりゃあるよ。現に肩とかが楽になるもの」
「へ~、やっぱ胸が大きいと肩凝るんや」
「当然。こういう重い物を肩からつるしているもんなのよ」
 そう言ってシンシアは胸を手ですくい上げてゆさゆさと揺すった。彼女の胸の動きと共に水もタプタプと揺れる。
「いいな。シンシアさん」
 と、二人の背後でポソリと小さく暗い声が起こった。
 ぎくりとブレンダとシンシアが後ろを振り返ると、シェーンが恨めしそうな目でシンシアの胸を見つめていた。
「あ、シェーン、来てたんや」
「ごめん、入るでしょ?」
 そそくさと二人はシェーンが入れるだけのスペースを作る。狭い湯船なので三人入ればもう一杯だ。

 二人の空けたスペースに入ったシェーンは、以前にも増してじっとシンシアの胸を見つめた。
「いいなあ、私も一度でいいから肩が凝るほど胸が大きくなってみたい~」
「いや、一度大きくなると、あとはたれるだけで小さくにはならへんねんやけど……」
 そんなブレンダのツッコミも無視してシェーンは真剣な瞳でシンシアに尋ねる。
「ねぇ。どうやったらそれだけ大きくなれるの?」
「う~ん、気が付いたらもうこの大きさだったから、方法なんて分からないんだけど……シェーンはまだまだ若いから、これからじゃないの?」
「でも、ブレンダさんだってちゃんとあるのに、私はまだまだお子様体型なんだもん」
 シンシアのフォローにシェーンはすねたように口を尖らせた。
「わかめとかそういう海草類がいいと聞くけど? あと、うちのは別に胸があるわけや無くて、筋肉が発達しているからやで。ちょっとさわってみ」
 ずいと差し出したブレンダの胸をシェーンはおそるおそる指でつついた。
「あ、本当だ。ブレンダさんの胸、かたい」
「じゃあ、シンシアちゃんのもさわってみて」
「うわ。シンシアさんの胸ぷよぷよしている」
「え、ホンマ! うちもさわりたい! うわぁ~、ホンマや。シェーンやないけど、胸大きいのってうらやましいなぁ」
「ちょっと二人とも、やめなさい。くすぐったい、くすぐったいってば!」
「まぁまぁ、減るもんじゃなし」
「そうそう」
「あのさぁ、どうでもいいけど、会話マル聞こえなんだけど……」
 遠慮がちにかけられた声に三人はピタリと動きを止めた。
「なんや、今日の当番、アルノーさんやったん?」
「いや、ウェインもいるけど、さっきから突発的な発作に見舞われたらしく、おなか抱えて転げ回っている」
 湯船は壁一枚を隔てて湯沸かし口につながっている。そこで当番の者が一人から二人、待機して湯を沸かしているのだ。お湯が沸きすぎて熱かったり、逆に冷めすぎてぬるかったりした時、当番の人間に声をかけやすいように、壁は薄くできており、窓まで付いている。だから湯船の会話は湯沸かしをしている人間に丸聞こえなのだ。
 その窓をバタンと開けて、シンシアとブレンダは湯沸かし口をのぞいた。
 火を焚く釜口に座っていたアルノーが慌てて視線をそらす。その顔は首筋まで真っ赤だ。横では確かにウェインがおなかを抱えて笑い転げている。
「あははは。ごめんね。でも、会話に参加すれば良かったのに」
「そやそや」
「できるわけないだろ~!」
「なんや、遠慮せんでええのに~。そや、今度の非番の日、女の子たちで川へ水浴びに行こう言っているんやけど、アルノーさんたちも来ない?」
「だから、行けるわけないだろ。ウェイン、笑っていないで手伝え。湯をぐらぐらに焚いて彼女たちを追い出すぞ」
 ひぃひぃと目元に涙をにじませながらウェインはなんとか体勢を立て直した。そして、窓から顔をのぞかせていないシェーンに声をかける。
「シェーン、もむと大きくなるって言うよ~」
 バタンともう一つの窓が開いて、ザバァとお湯が二人の頭へ降り注いだ。
「フンだ。どうせ、もんでくれる相手もいないですよ~だ」
「まぁまぁ、シェーン、今度胸が大きくなる踊り教えてあげるから、すねないすねない」
 アハハハと賑やかに女の子たちは風呂を上がっていく。
 その様子を眺めながら、アルノーはひとつ大きくため息をついた。
「なぁ、やっぱり女の子の入浴には女の子が当番に立つべきだと思うのだけど」
「何を言っているんだアルノー、役得役得」
 アルノーはシェーンにかけられたお湯で水浸しになった自分の服と床を見回した。
 服も床も乾かさなくちゃいけない。その労力はいかばかりだろう。
「これが役得?」
 ポタリと髪から雫が滑り落ち、床の水たまりにはねた。


ありがちネタですね。
お粗末様でした。m(_ _ )m


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

ちょっと久しぶりなので、皆さんの口調がおかしいです。
後で弱冠手直しするけど、こういったことは言わないよというのがあったら教えて下さい。(特にシンシアさんがよく解らなかったですあせる
あと、勝手に登場させてごめんなさい
PoDのこういうノリって好きなんですよ。