最強のオーロラ撮影用・超高感度カメラは? SONY α7sIII vs Canon EOS R6 | オーロラを全国にお届けする AURORA DANCE 中垣哲也のブログ

オーロラを全国にお届けする AURORA DANCE 中垣哲也のブログ

オーロラ メッセンジャとしての活動、オーロラに関わることなど
他で書けないことも、写真もいっぱい、ここで公開します。

現在、オーロラを撮影するのに、

最もポテンシャルの高いカメラはどれか?

 

「オーロラを撮影するなら!」という観点でテストしました。

 

ベストな機材が、これからの私の重要なパートナーになります。

(容赦なく浮気すると言うことです)

 

 

 

 

それにしても、オーロラの撮影は過酷です。

 

 

オーロラは、

夜空という暗闇の中で繊細(わずかに)に光ります。

 

 

撮影するべきショータイム(オーロラが活動的な時)には、

輝きは強くなりますが、

反面、驚くほど動きも速くなり、

オーロラの動きを止め、シャープに撮るためには、

シャッタースピードを相当短くしなくてはならず、

結果的に超高感度が要求されます。

 

 

特にオーロラ爆発という最大の見せ場は、

なんとしてもきれいに撮影したいものですが、

あまりにもダイナミック(高速)なために、

写真撮影では全く歯が立たないのが実情。

 

ほんとうに悔しい・・・。

 

 

EOS-1D X Mark II SIGMA Art 20mm F1.4 

1/6sec ISO 8000

2019.09.01-ALASKA

 

 

オーロラの撮影には、

できるだけ高感度、

しかも色をきれいにとらえる必要があり、

センサーには厳しい性能が求められます。

 

日進月歩のフルサイズセンサーカメラですが、

いまこの地球上で売られているカメラ機材で、

もっともオーロラを撮ってみたい、

もっとも「使える超高感度」を持ったカメラは?

 

すでに狙いはつけてあります。

 

このテストのために、

最有力候補の2台を購入しました。

 

そして、対決に負けた方はお別れとなります。

 

 ↑ 2019年頃の機材

 

今まで15年もCanonを使い続けた私にとっては、

今更、カメラメーカーを変更すると言うことは、

多くのレンズなども新規に購入することになり、大ごとです。

 

ですが、さらなるオーロラへの挑戦は、

今までの機材や方法では、もはや撮影の限界であり、

これからは、ダイナミックなオーロラをとらえるために、

より高いポテンシャルを求めなくてはいけません。

 

 

※ ・・・・・キャノンのフラッグシップ EOS-1D X Mark III とミラーレスEOS-R6のセンサーや映像エンジンは同等であり、コストパフォーマンスの観点では、オーロラを撮影するためにEOS-1D X Mark IIIを入手する人はほぼ皆無と考えます。根拠はありませんが Nikon D6も1D X Mark III同程度と予想します。双璧だったNikonとCanonも、超高感度特性のトップはEOS-R6を参考にすれば判断できる考えです・・・・・ ※

 

 

事実上はこの2機種の対決です

 

SONYα7sIII vs Canon EOS R6

 

 

超高感度性能に特化、

明確なコンセプトで集中投資開発された最新鋭機

SONY α7s III

 

長年カメラ業界を牛耳ってきた老舗メーカーの事実上の最高感度機種 

Canon EOS R6

 

どちらも実用感度はISO100,000(10万)までとされています。

 

有効画素数を比べると

 

α7s III 約1210万画素(驚くほど少ない!)

R6      約2010万画素

 

実はこの有効画素数の違いだけで決着はついていると言えます。

 

いまだに一般には画素数が多いといいカメラだと勘違いされている方が多いのですが、

ダイナミックレンジという「色のきれいさ」の精度は、画素数が多いと厳しくなってきます。繊細な色を見極める能力は、画素数が少ないほど有利であり、夜空、特にオーロラの撮影が目的の場合、ダイナミックレンジを最優先したカメラを選ぶべきです。

 

例えばフラッグシップ機種(そのメーカーの技術の結晶、最高スペックを持つ象徴機種)は驚くほど画素数が少ないですが、ひとつの理由は、ダイナミックレンジを軽視しないプロにとってはちょうどいい線なのです。

 

光が少ない時、暗闇を撮る時は、

圧倒的に画素が少ないほど色はきれいです。

 

オーロラのように、星空にかすかに写るかどうかの繊細な光をとらえるには、画素数が少ないほど有利になります。

 

有効画素数を比べると、

α7s IIIの方が暗闇に強いことが想像されます。

 

今時、α7sIIIの約1210万画素というのは、

「めっちゃ少ない!」と言われるほど少ないのです。

 

別な見方をすると、

「超高感度に全力を尽くすぞ!」という、

SONYの意地を感じさせる数字でもあります。

 

40年前のWalkmanに感じた、わくわく感すら覚えます。

 

一方EOS R6は、そこまで画素数を少なく出来ない、する必要がないとしたのでしょう。画素数信者を多く生み出してしまったメーカーとして、今更裏切ることに抵抗があったものと想像します。それとCanonは、超高感度特性はあまり重要視していないよう。EOSシリーズではもっとも高感度を期待出来たR6でしたが、EOS Rシリーズのベーシックな位置づけとして、中途半端に大衆向けな存在となっています。

 

わかりやすくいいますと、

オーロラをアグレッシブに撮りたい・録りたいマニアには、

Canonにはわくわく機種が見当たりません。

 

前置きが長くなりましたが、

今回のテストの結果は、事前から有効画素数を見ただけで決着がついており、テストの意義は、どの程度違うのか、長年共にしたキャノンの最新センサーを一応チェックする目的もありました。

(自分を納得させるのに、わざわざ購入したのですよ)

 

 

 

テストは、写真と動画、

ISO10,000(1万)

 〜100,000(10万)までの「超高感度領域」です。

 

ISO1万以下では、

それほど差を感じないだろうと考え省きました。

 

そして何より今回の目的は、

どの辺の高感度まで使えるか?を探るためです。

 

また、動画はモノになるのか?

 

・・・・・

 

テストは、厳正を期すために、

全く同じ被写体を、同じ条件で、同じSIGMA製レンズで撮影。

 

被写体は、わが家の壁のオーロラパネルがモデルですが、

夜、部屋が真っ暗になった際に、高演色ランプを間接的に灯し、

かなり暗い状態、ほぼ肉眼では何も見えない程に暗い状況下。

 

一言で言うと、真っ暗です。笑

 

実際のオーロラの現場でも、

これほどに暗い状況では撮影しないほどの暗さですので、

センサーテストにはあまりにも過酷ですが、

センサーの超高感度領域の差が出やすいことを狙っています。

 

↑ 明るいときに見たパネル。テスト時には、人の目にはほぼ絵柄は確認出来ないほどに暗い条件で行いました。

 

 

 

ISO10,000(1万)〜100,000(10万)の間で、

感度ISOを1/3段ずつ増加させ、同じ露出(明るさ)にするために、露出時間を1/3段ずつ減少させています。

見た目には同じ明るさが並びますが、時事にノイズが増える様子を見ます。

(RAW撮影、オートホワイトバランス)

 

またノイズリダクションに関わる設定をすべてキャンセルして、

ネイティブな性能の比較に徹しています。

(カメラ側、レタッチ側も)

 

EOS R6から。

 

 

次にα7s III

 

両機種とも、感度を上げるにつれザラついて、

ノイズが多くなる様子がわかります。

 

両機種の比較のために、同じ場所を拡大します。

同じ感度同士での画質の違いを比べます。

 

 

ISO1万(一番上)においても、

すでに両機の間で画質の違いが顕著に現れています。

 

最も感度の高い領域では、差が開いています。

R6の方が先にノイズに支配され、画像が破綻(画像として成立しない)していることがわかります。

 

 

ちなみに、

私が過去の機材(EOS-1D X、EOS-1D X Mark II)で、

オーロラ撮影で使用していたマックス感度は、

通常でISO8,000、

オーロラ爆発時で、より感度が欲しいときにマックス1万と決めていました。

12,800より上の感度では、使いものにならない印象でした。

 

 

次は、別な部分の比較ですが、立体感、質感に注目です。

 

立体感や質感を比べて見ます。

 

感度が低い方では大差がないように見えますが、

オリジナルデータを拡大すると歴然としています。

(皆さんが閲覧されている状態でどこまで表示されているかはわかりませんので、私の印象を補足しておきます)

 

感度が上がるに従って、

繊細な濃淡が、ノイズに埋もれてしまい、

立体感を失っていくようすがわかります。

 

 

次は繊細な色を見極めるダイナミックレンジの違いを比較します。

 

 

あまり濃淡がなく、色も単一ですが、微妙に違う部分を比較してダイナミックレンジを比較します。

 

正確な色の情報を持っていないところがノイズに現れます。

 

R6の方は1万(一番上)からすでに不快なノイズが感じられ、

α7s IIIの方は、R6に比べるとノイズはやや嫌みが少ない印象です。

 

R6の方がやや明るめに写りますが、ノイズが目立ってきますので、使用できる感度は低めですね。

 

反面α7s IIIは暗めですが、より高感度でも彩度は失われにくい印象。この点がオーロラ撮影では重要になってきます。

 

・・・

 

前にも述べたとおり、この実験は、

ほとんど人の目には見えないほど暗いものを撮影しています。

 

両機共に、これほどの高い感度でも、

カラーバランスは良好に保たれており、それは驚くほどです。

 

α7s IIIは画素数が少なく、ダイナミックレンジが優位で、

より高感度でも「使いものになりやすい」と言えます。

「見栄えが良い」印象。

 

 

次は・・・

 

両機がどれだけ感度を上げると「同等のノイズ感が生じるか」

 

両機において、同じくらいの画質(ノイズ)の画像を並べて、

ISOの違いを確認します。

 

言い換えると、両機に置いて、

どれくらいの感度まで使ってしまっても良いのか?の参考です。

 

以下は、私の主観で比べて並べていますが、この作業を何度も繰り返して平均を見いだしています。

 

 

α7s IIIで ISO 20,000、R6が 10,000の時に同等に感じます。

(質感、ノイズ、画質)

 

3段ずれた状態で一致しているように思います。

1段は1/3絞り換算し、

3段ずれと言うことは1絞り違うことになります。

 

 

 

さらに高感度です。

やはり3段ずらして一致するように見えますが、

感度が増すたびにR6の方がやや厳しくなっているでしょうか。

 

 

いよいよクライマックス、限界に挑戦です。

やはり3段ずらし(1絞り)ずらしています。

 

 

両機の間で露出を3段(1絞り)ずらしていますが、

この極超高感度領域ですと、ややα7s IIIの方が良好ですので、

この領域では4段、すなわち、

1絞り強、α7s IIIの方が勝っているように思えます。

 

たった一絞り程度?

それしか違わないの?

そう思われるかもしれません。

 

でも、その一絞りの違いは、

暗闇で動き回るオーロラを撮る時では雲泥の差となります。

 

 

♡ RAWデータのポテンシャルをチェックしました

 

オーロラの撮影は、

夜空という暗闇に特殊な発光体が光り輝くという、

広いダイナミックレンジが要求される被写体です。

 

RAW現像でバランス良く整え表現しなくてはなりません。

 

そのためRAWデータに求められるのは、

狭いレンジを人の目に見えるように

広いダイナミックレンジに戻す現像処理に耐えられる

奥深いデータを持っているかが非常に重要です。

 

わかりやすく例えますと・・・

満月の夜、

皆さんの目には月面のウサギの模様が見えると思いますが、

写真に撮ると真っ白。

地上の景色はある程度見えますが、写真では真っ暗です。

人の目はダイナミックレンジが広く、

写真は非常に狭いレンジを表現していて、

レンジの外は破綻(真っ白、真っ黒)しているのです。

 

オーロラの場合も同じで、

人の目には暗闇でも多少の景色が見え、

オーロラの輝きも繊細な濃淡が感じられます。

ところが写真にしてしまうと、景色は真っ黒、

オーロラはギラギラになりやすいのです。

 

この狭いレンジを、

人の目で見ているようなレンジまで広げてあげようとするには、

RAWデータを適切に現像する必要があります。

 

 

さてRAWデータを過激にいじって、耐えられるか?

ストレステストをします。

 

 

RAWデータの比較は、

ノーマル現像において、ほぼ同等の画質が得られるデータを、

同時に粗が目立つような過激な設定のRAW現像処理を行い、RAWデータの情報量と信頼性を体感します。

 

 

画質が破綻するほどに過激な設定を施し、

どちらが、どれほど持ち耐えるかを感覚的に比較します。

あらゆる設定を試し確認しました。

 

写真は、設定のほんの一例ですが、

これほどの過激な設定を施しても、

画像として破綻が少ない耐久性のある、

深度の深いデータだと実感します。

15年間にわたり、RAWデータを扱ってきた人間の主観です。

 

ハイライト部では、どちらもRAWデータの破綻の有無は感じにくい。

 

 

 

繊細なトーンの表現は差異が現れやすいですが、

α7s IIIの方がやや色を残しており、

頑張って耐えている感じがします。

 

少なくても、α7s IIIはR6には劣っていないと言えます。

 

・・・

 

実は過去に・・・

α7sIIIの前身であるα7s IIをオーロラの実写で試したのですが、

RAWデータをチェックしたところ、

驚くほどダイナミックレンジが狭く、

またカラーバランスが著しく偏っているように感じました。

 

表現を変えると、

オーロラの緑しか感じていない、

画像の中に緑色しか存在していないような、

まるでjpg(カメラが自動的に決めた色で、表示するには問題ないが、編集は厳しい)データを扱っている感じ。

 

この時、同時に使用していたCanonRAWのカラーバランスの良さは、違う次元だと感じました。

この試写の結果で、

当時は超高感度向きと言われていたα7sIIは、

まだオーロラには使えるレベルではないと実感していました。

 

・・・

 

今回のRAWデータの実力ですが、

両機共に非常に優秀、

使いモノにならなかった1世代前のα7s IIのRAWデータは、

最新のα7s IIIにおいて、

一気にCanonに追いついた印象を持ちました。

(越した?)

 

○○○○○ まとめ ○○○○○

 

オーロラをよりアグレッシブに撮るという観点から、

超高感度を持つ2台の先鋭を比較しました。

 

SONYα7s III vs Canon EOS R6

 

オーロラ撮影で活用したい超高感度領域を、

実際のオーロラの現場より遙かに暗い過酷な環境で撮影、

ダイナミックレンジやノイズ、質感などを比較しました。

 

■ カラーバランス

両機種とも、超高感度領域において、カラーバランスの崩れは感じられず非常に良好。

 

■ ノイズや立体感、微妙な色の表現(ダイナミックレンジ)

両機の間で1絞り強の差が感じられた。

(画素数の違いに相応すると思われる)

 

■ オーロラ撮影では、どれくらいの感度まで使えそうか?

 

現時点ではオーロラの実写は行っておらず、

実際に様々なオーロラを試してみないと判断できません。

また今回は使用していないノイズリダクションも効果が期待出来ると思われ、

目的により話も大きく違ってきますので、

実際にいろいろと試してみないとコメントしにくいですが、

銀河撮影でも試した結果も加味すると、

ノイズや質感からこれ以上は無理かなという線を探った結果、

現時点でマックスを設定するなら、

 

α7s III → ISO 25,600

 

EOS R6→ ISO 12,800

 

※ オーロラの明るさや、月明の有無で状況はかなり変わります。

 

(注意:どちらも実用感度はISO100,000(10万)までとされていますが、それは光が十分にある場合であり、極めて特殊な、ダイナミックレンジを要求されるオーロラの撮影には全く通用しません。裏返しに言いますと、暗闇を撮影されない方には、今回のテストの結果は何の参考にもなりません。)

 

写真のテストに続き、

4K動画の実写も比較しましたので、次で紹介したいと思います。

 

先に結果を言ってしまうと、大きな差がありそうです。