私は お芝居としての歌舞伎の舞台を
観ることももちろんだけど

歌舞伎の周辺に存在する
いろんな習わしや風習
慣例まで含めて

『日本人が日本人たる所以』のような
文化そのものが大好きです。

こう書きながら
もちろん、
それだってまだまだ勉強中だけど
知れば知るほど
あー、こういうとこ、いいなぁーって
思うことがとても多い。


平成の世の日常に普通に生きていたら
普段、あんまり遭遇しないような、
ちょっとした気遣いや
相手に対する思いやりの心
へりくだり感
そして美しい日本語
季節感。

そういうものが残っている、
伝統芸能の世界の舞台裏というか
舞台の正面からは見えない部分。

こう言う部分にチラッと遭遇すると
にまっ(●´ω`●)と なります。


たとえば
先日の晴の会の折に
歌舞伎の役者さんに頂いたコチラ。
熨斗紙の表に注目です↓

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『そ』^_^


学生時代の多くの時間を
京都の祇園界隈で過ごしていた私は
当時の飲食店が
お得意先のお客様にわたしていたお品の表に
この文字が載っていたのを思い出しました。


これって関西以外でも使われますかね?

少なくとも、九州に帰ってきてからは
私自身は見たことがない気がします。



この『そ』は
「粗品」という意味の「そ」です。


かつての花柳界でも
ちょっと風流な・粋な店には
「そ」の熨斗紙が多かったよう。

ただし「そ」が持つ意味合いとしては
堅苦しくなくユル過ぎもせず
まぁお気楽にどうぞ どうぞ…というような
そういう、控えめな・謙譲のニュアンスというか
空気を持っているように思います。


『粗品』じゃなくて
フォルムも美しい『そ』の文字には
そういう、日本人らしい
謙譲の美徳が込められているんですね(o^^o)


もちろん、
楽屋見舞いに対する儀礼、という意味では
『御礼』も大正解です。


こういう細かいとこに
色んな意味や想いが
さりげなく隠れてる。

日本語も
歌舞伎界のしきたりや文化も
とても楽しく、美しいですね^_^