こんにちは。
今日は「現場から未来を切り開く具体的なステップ」といった話を書いてみます。
木下勝寿氏が語る、どんな企業もなり得る「組織病」 組織が機能不全、退職者続出の北の達人→1年で業績13倍の秘訣」より、一部抜粋します 。
V字回復を成し遂げたのかというお話をしたいと思うんですけども、課題、解決策が5つずつあります。
まず、どんな企業にも可能性のある「5つの企業組織病」ということなんですけども。
1.職務定義の刷り込み誤認
2.お手本依存症
3.職務の矮小化現象
4.数字万能病
5.フォーマット過信病
●正解例がないと何もできない「お手本依存症」
これを全部説明すると、本当に時間があっても足りないので、3つだけ紹介したいと思います。
まず、「お手本依存症」ということで、正解例のお手本がないと何もできなくなってしまう状態。入社して配属され、仕事を教えられる際に、「これを参考にして」と(よく言いますよね)。
当社の場合、通販なので広告のクリエイティブ(の仕事がありますが、これ)はゼロから教えるのではなくて、すでにある成果の出ている広告を見せて、「これを参考にして」って作らせていました。でも、「先行事例を基に作っていくもの」という仕事のやり方の癖がついてしまうんですね。
なので、そのやり方が通用しなくなった時に、「じゃあ、何を参考にすればいいですか?」みたいになってきました。
●間違った判断が横行する「数字万能病」
そして次、「数字万能病」ですね。デジタル化が進んで多くのものが数値化されたことによって、数字だけで判断できると誤認するようになってきました。現場、現物を見ずに判断することで、間違った判断が横行するようになってきました。数字は有能ですけど万能ではありません。
例えば、広告クリエイティブを出して、成果が上がらなくなりましたって時に、数字だけを見て、「成果が上がらないですね。これは駄目です」って言ったりするんですけども。
広告の実際のクリエイティブを見てみると、「スマホだと文字が見にくいから成果が落ちているだけであって、文字のサイズを変えれば元に戻るんじゃないか?」とか、現物を見ればすぐにわかるようなことが(あります)。数字だけで判断することによって、正確な判断ができなくなるということですね。
●1つの勝ちパターンに頼りがちな「フォーマット過信病」
そして、「フォーマット過信病」と言いますけども、1つの勝ちパターンがすべてに当てはまると過信してしまうこと。何に対してもまったく同じアプローチをしてしまうということです。
例えば、通販の世界ではよくあるのが、いろんな広告のクリエイティブを出していくんですけども、例えば、広告代理店の方が「化粧品の広告の勝ちパターンはこれですよ」みたいなことを言ってくることがあるんですね。
でも、化粧品といっても、メーキャップ化粧品もあればスキンケア化粧品もあります。そして、クレンジングもあれば美容液もあります。美容液も成分ごとによってどういう成分が入っているか、特徴がぜんぜん違ってきます。
勝ちパターンというベースになるものは、ある程度の方向性として傾向はあったりするんですけども、例えば、化粧品でも美容液とクレンジングでは保湿を表す表現方法が違うんですね。「しっとり」と「もっちり」っていうのが、美容液の場合とクレンジングの場合はぜんぜん違っていたりします。
なので、勝ちパターン自体は否定するものではないですけども、化粧品の勝ちパターンみたいに大雑把なものとして認識すると、誤認をしてしまう。例えば、「自動車の勝ちパターンはこれです」と言いながら、ダイハツの軽自動車の広告とフェラーリの広告を、同じフォーマットに当てはめているようなものです(ここまで)。
この記事をとりあげたのは2番目の「数字万能病」について、現物を軽視しないで実物を確認するように、という注意喚起を読み取りました。ここからは、その点を深堀りしてお伝えします。
クイズから始めます。「世界一登山客の多い山」と言われている東京都の高尾山。登山口の近くにコンビニを新たに出店することになったとしましょう。
季節はゴールデンウイークの直前。いよいよ本格的な登山シーズンが始まり、たくさんの登山客が押し寄せてくることは確実です。それに応えるために、ライバル店もいろいろ策を練っているようです。これらの話から考えて、店長のあなたは何をしますか。
僕の研修でこのクイズをすると、一番多い答えは「飲み物を大量に発注する」です。たしかに、水分補給は登山に欠かせません。間違いではありませんが、ライバル店も同じことを考えており、差別化にはなりませんよね。
「目につきやすい広告物をつくる」「店員の教育をする」という答えもよく出ますが、これも同じ。何を売りにするのか、戦略を練ってからでないと、広告やサービスの方向性が定まりません。
もうお分かりのように、正解は「高尾山に登ってみる」です。
とりあえず店は店員に任せて、何度も繰り返し。そうやって登山者になりきってみるのです。
自分の目と耳で現場を体験しないと、登山者が本当に必要とするものが分かりません。この季節、寒暖差が大きく、晴れるか曇るか、午前か午後かで、登山者が求めるものが違うはず。驚くほど軽装備でやってきた人もいれば外国人も増えています。彼らに特有のニーズがあるかもしれません。
現場から発想したアイデアは、ライバル店との差別化に大きく寄与してくれることでしょう。こういうときこそ現場から考える「現場思考」がとても重要になります。
●事件は会議室ではなく、現場で起こっている!
僕たちは、どうしても現場から足が遠のきがちになります。情報はいろんなチャンネルを使って簡単に集められ、わざわざ現場に行かなくても仕事ができてしまうからです。
ところが、現場の状況は時々刻々変化しており、得た情報がすでに陳腐化しているかもしれません。人から人へと伝言ゲームをしているうちに、少なからず歪曲(わいきょく)、省略、一般化がほどこされます。真意や真実がねじ曲がって流布している恐れもあります。
また、現場には言葉にならない"空気感"があり、新たなインスピレーションを生むもとになります。それは、自分の身を置いてみないと絶対に分かりません。
それに、現場を軽視して、あやふやな臆測をもとに判断をしてしまうと、的をはずす恐れがあります。無駄な時間とお金を費やすことになりかねません。
最悪なのは、現場を知らない人たちが集まって、見当違いの「机上の空論」を繰り返すことです。青島刑事でなくとも「事件は会議室ではなく、現場で起こっているんだ!」(踊る大捜査線)と言いたくなります。
現場思考はトヨタをはじめ日本のものづくりの根幹であり、現場を大切にする風土は日本文化の底流にあります。こんな時代だからこそ、その良さを再認識することが大切ではないでしょうか。
●現場思考を徹底させるための実践哲学
現場思考を分かりやすく表した言葉に「3現主義」があります。現場(場所)・現物(モノ)・現実(状況)の3つの現(ゲン)です。
たとえば、何か問題や事件が発生したら、面倒でも現場に足を運ぶようにしましょう。いくら報告を聞いてもデータを見ても、現場で本当に何が起こっているかは分かりません。冒頭とりあげた木下さんの記事でもそういったことを伝えたかったのではないかと思います。
現場では、できるだけ現物をこの目で確認するようにします。自らの手で確かめて、肌ざわりを感じることが大切です。
さらに、自分で体験するだけではなく、現場でいろんな人の話を直接耳にして、何が起こったのか、現実(What, Who, When, Where, Why, How)を正しくつかむようにします。そうしないと物事の本質は見つからず、答えを見いだすヒントはすべて現場にあります。
3現主義にはいくつかの発展形があります。有名なのが、現場・現物・現実に原理・原則を加え「5ゲン主義」です。
原理とは、物事を成り立たせるための根本の法則やメカニズムです。原則とは、物事の基本的な規則や決まり事です。原理に合わないことはうまくいかず、原則に反することは好ましくありません。原理・原則から考えることで、より本質的な問題解決ができます。
さらに、即時・即座・即応で問題解決を図る「3即主義」。徹頭・徹尾・徹底させていく「3徹主義」などのバリエーションも考え出されています。広い意味では、これらも現場思考の実践哲学であると言うことができるでしょう。
●ヒントをつかめる人、つかめない人
ところが、同じように現場に足を運んでも、ヒントを見つけられる人とそうでない人がいます。一例を挙げると、研修で「新しい書店のサービスを考える」をテーマに、実際の書店で2時間ほどフィールド調査をしてもらったことがあります。
事後に報告をしてもらうと、微に入り細に入り詳しくリポートしてくれた人もいれば、ザックリと一般的な問題点だけを指摘した人もいました。得た情報量で言えば、10倍くらい違っていたことに驚かされました。
一つは問題意識の違いから生まれてきます。調べたいテーマや仮説があり、自らのアンテナを立てて現場に入らないと、情報が入ってこないからです。これを「選択的注意」と呼びます。
実際、「書店でできる新たな飲食店の可能性は?」といった仮説と共に送り出すと、集まる情報の量や質が大きく変わりました。具体的な課題を持ち、探究心や好奇心を持って現場に臨まないと、現実にあるものも気づかなくなってしまうのです。
違いが生まれるもう一つの原因があります。アンテナの感度です。どれだけ細かいところまで観察するか、人の話を聴く際には、どれだけ言葉の裏が感じとれるかが大切になります。
さらに、嗅覚、味覚、触覚も活用すると、多面的に事実を集めることできます。現場思考を働かせるには、五感を総動員することが大切となります。
それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!
頑張り屋のみなさんを応援しています!

