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この世に生まれ落ちてから半世紀プラスちょっとの年月が経つと、昔の様に「こんなの初めて〜!」とかいうセリフを無邪気に言うチャンスもめっきりと減って、ほとんどの事にデジャビューの様な既視感を心の片隅に覚えながら毎日の日常生活をやり過ごす事も哀しいかな、多くなってくるのですが、先週末は文字通り心臓の鼓動ドキドキ、息・キレギレものの「これは初めてだ!」と言う経験を相方と一緒にしました。
 
 
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私:雪だまさん、どうなさったのですか?なんか目が回りそうです。
雪だま:あつあつのために得意の分身の術を使ってデジャビュー感を出してみたニャ。
私:なんか眠いだけなのではないですか?
雪だま:忍法はリラックスした心が基礎なのニャり。キラリキラキラ

 

 

 

それは何気ない先週の土曜の週末、相方と私はこの所、パリにいながらにしてどうもパリの観光名所らしい所に行く事なくすっかり地元に根を張ったローカル一辺倒な生活をしていたので、ここは久しぶりにオルセー美術館に行こう、とどちらからともなく言い出して切符をオンラインで購入してから家を出たのでした。

 

その日も相変わらずの厚い曇に覆われた灰色のパリの冬の見慣れた街の景色。

オンラインで切符を予約したのでChatelet駅にあるFnacという大型電化製品店に切符を発券してもらうために立ち寄り、そこからオルセー美術館までセーヌ川沿いに歩いて行こうと向かいました。

 

何故かいつも私の4歩ほど先を歩いて行く相方を少し小憎らしく思いつつ一生懸命に後ろから早足でついて行く私。後ろから、「そっちじゃない。そこの次の角を右に曲がって」と後ろから声をかけないと方向音痴な相方は必ずと言っても良いほど見事に目的地とは逆の方角に向かって歩いて行ってしまう。冷たい向かい風の吹く中でも私の額にはうっすらと滲む汗。あせる

 

そしてPont Neuf (ポンヌフ橋)という右岸と左岸をシテ島をまたいでつなぐ橋にたどり着いた時、「この橋はパリで一番古い橋なんだよ。」と教授が生徒に説明する様にちょっと自慢げに説明する相方がちょっと可愛らしくもありますが、それは私もとうに知っている知識。相方は最近、パリの歴史についての本を片っ端から読み込んでいるのでちょっと敬意を示して生徒役に徹しました。この橋、パリで一番古い橋なのにフランス語では「新しい橋」と名付けられて1604年に完成。

 

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フランスの諺に

「Se porter comme le Pont-Neuf」(ポン・ヌフのように頑丈だ)というものがあるのですが、今日でもとても頑丈に毎日行き交う人々を支えてパリの街の生活の中に溶け込んでいます。

 

ついでですが、この橋のかかるシテ島にあるちょっと脇の小径を入った所にPlace Dauphine (ドフィーヌ広場)という場所があります。この広場は17世紀に作られたパリで一番古い広場。

 

   

 

 

 

三角形のこの不思議な空間に足を踏み入れると何か時間が止まったかの様な不思議な静寂さと「気」を感じる場所で、私はパワースポットとか全然無頓着で信じていないのですが、この場所だけは不思議な時間の流れを感じて、特に夜の帳の降りる直前や雨上がりの時に幸運にもこの場にいると思わず立ち止まってしまう美しさがあります。(しかし、相方にこの話をしてみたら、「へ〜、そうなんだ。」とキョトンとした笑顔を浮かべるだけの素っ頓狂な反応でした。かたつむり

 

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ポンヌフ橋を渡りきろうとしたその時、急に何やらたくさんの人達がセーヌ川の川上の方から封鎖された通りを集団で行進して来る気配を感じて見てみると、そこには黄色にうねる人の波がゆっくりと道を覆い尽くしながらパリの中心地に向かって歩いていました。私たちはすっかり油断していましたが、クリスマス休暇が終わって初めての土曜日はジレジョーヌにとって伸るか反るかの日だったのです。ダウンアップ

 

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オルセー美術館に行くにはこのジレジョーヌの行進する大通りを歩いていかなければならず、最初はオドオドと道の端っこの方を歩いていた相方と私でしたが、よく見れば皆普通のフランス人達で子供づれもいれば、おじいさんやキリストの仮装をして十字架を背負った人やらで過激さは全く見当たらず、次第に油断し始めた私達は、いつの間に黄色いジャケットを着た人達の群衆にまみれてキョトン、としながらオルセー美術館に向かって歩いて行きました。

 

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初めは皆和気藹々、とした感じた普通のデモという感じの頃。

 

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フランスの国旗フランスを掲げる人も入ればゲイの市民権運動の旗虹を掲げる人まで様々。

 

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そしてきわめつけは十字架を背負ったイエスの格好をした人まで登場。

 

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そしてデモの波に乗って私達も目的地のオルセー美術館前に到着。

 

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最初、緊張の面持ちだった相方もすっかりリラックスして、私も何やら参加した事もない学生運動に参加したかの様な擬似経験にちょっと興奮気味。

 

しかし、内心、こんなジレジョーヌの行進があったらきっとオルセー美術館は用心のために閉館なのでは、、、と思い始めました。目

 

オルセーが見えてきて、どうもなんかちょっと荒くれっぽい変な人があちらこちらにポツリポツリと見え始めて、「あれ、ちょっと雰囲気急に変わってきた?」と思いつつオルセー美術館の入り口に並んでいると急に美術館の係員が行列のためのポールを片付け始めて私達の前にいた女性達も「大丈夫かしら」と話していました。

 

私の後ろには不安そうな顔で並んでいる小柄な中国人女性がいました。何やらどんどん道が人でいっぱいになり始めて訳もなく凄い緊張感を空気の中に感じ始めた時「バン・バン・バン」ドンッという乾いた単発的な音がした瞬間、前に並んでいた女性は「危険。列を離れましょう。」と言うので私達もすぐに後に続いて一刻も早くデモの群衆から距離を置こうと早歩きで非常事態である事を無言のうちに感じながらいた時、知らぬ間に白い煙が私達の後ろから襲いかかって来て、初めは「???」な私達。でその独特な刺激臭に喉が焼ける様な、目にお酢が入って来た様なキツイ煙に「催涙ガス!」と気づき駆け足で退散。DASH!

 

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オルセーの裏の入り口もあっという間に警官に封鎖されて凄い緊迫感。

 

相方も私も迂闊でした。そして多分、オルセー美術館の関係者も不意打ちを食らったかの様に事前にこの混乱を察知出来なかったのでしょう。

私達はできるだけ左岸の奥の方を通ってサンルイ島の我が家へ戻ろうと早足で歩いていると、店主達が店の中で心配そうな顔で電話口に食らいついている様子をガラス越しに何件も見たと言う事は多分、左岸の人達もジレジョーヌのその日のデモの予定を知らずにいたのか、または過小評価していたのかもしれません。

 

そんな渦中にいながら、私は心の中では「あ、この先にサン・ジェルマンにあるLadureeがあるはず。」と思いながら相方に「美術館は見れなかったけど、ここでガレット・デ・ロワ(アーモンドクリームの入ったパイで正式には1月6日の公現節に家族で食べます。)を買おうよ。」と提案。相方は突然の事に「へっ?!」と言う表情。

 

家に帰ってからシャワーを浴びて冷えた体を温めて熱いコーヒーを入れてガレットにナイフを入れて切り分けました。

 

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Ladureeのガレットのフェーブはとても上品な感じ。

 

カチっと私の入れたフォークに当たるフェーブの感触とちょっと充血した目の中にキラッと光る嬉しい喜びの輝きを見て取った相方は「おめでとう!」と紙で出来た金色の王冠を私の頭の上に乗せてなんちゃって感満載の即席クイーンの出来上がり。音譜

 

様々な出来事とそれに伴う緊張感の中で1日を終えた土曜の夜、グッタリと疲れて眠りに落ちて目が覚めてから翌日、新聞のニュースで詳細を追いながら「浮世の苦楽は紙一重」と言う諺が不意に思い出されました。

 

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幸いな事に翌日以降もガスによる後遺症は全くありませんでした。フランスにいらっしゃる方達も土曜の外出には是非お気をつけください。本当にいつまでこの状態が続くのか全く見当がつかないジレジョーヌのデモとその余波の続く週末のパリの街です。

 

 

雪だま:そんな感じの週末でもお花があると気持ちも部屋も明るくなるニャ。ピンク薔薇クローバーピンク薔薇

私:本当にそうですね、雪だまさん。

雪だま:フラワーマジックには忍者の術も敵わないニャ。

私:爆  笑

 

 

 

 

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