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一月のパリは毎日氷点下の日が続いて窓の外に植えたゼラニュームの苗達も霜焼けにあったかのように冷たい風のあたる箇所はしなびて、まるで茹でたほうれん草みたいになっています。

それでも太陽の陽の明るさと暖かさは目の中に、肌に春の予感をうっすらと残して、そして顔いっぱいに当たる陽の光の染み入る暖かさに心が上へ、上へと向かって行くのが分かる様になってきました。

日頃穏やかな気候の多いパリは強い風が滅多に吹かないし雨もいつもしとしとと優しく降り注いで天候が荒れる事は滅多にない。それが災いして今年のパリの冬の景色はいつも霞の中に沈んで陽の明かりに埃の粒子が反射して光と影の対比を街中にとても強く残す日々がとても多い。
 
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そしてこの大気汚染はなかなかしぶとく服や肌、喉にまとわりついてかつて上海にいた時の日々を思い起こさせます。パリの大気汚染はかなり深刻です。

昨年末は両親が東京からストックホルムへ遊びに来て、とても忙しい日々でした。
プリンス殿下の名作「1999」を中学生の時に初めて聴いた時は「わ〜、21世紀が本当に来るの?」と遠い未来の事の様に思っていたけれども、その21世紀に突入してからもう今年で17年目!

時の流れは全ての人に分け隔てなく訪れるけれども、時の流れの感じられ方は本当に人それぞれの生き方のリトマス紙の様なものなのだと思います。
子供の時は一年が永遠の様に長く感じられて、年越しの時には新しい年になる瞬間の厳かさ、「時」というものへの畏敬をも感じたのに、今では何やらあの時感じた新年に背筋をぴんと伸ばす様な厳かさを感じたかつての私の感性は何処へやら。

大衆文化と言われるものが希薄になって、時代の顔というものが見えにくくなって来た現代だけれども、アメリカでは顔の真ん中に醜く膨れ上がったおできの様な大統領が誕生して、まさしくこの人は悪い意味で2017年の世界の顔となる人だと思う。

昭和から平成の世になった時、昭和を象徴したアイコン、美空ひばりさんや石原勇次郎さんが次から次へと亡くなった様に、今、第二次世界大戦後のしばし続いた凪が終わりを告げて間違いなく次の時代のフェーズに否応無しに突入したのだと感じます。
 
時代は必ずしも良くなるものではない、という事を人は何度学んでも忘れてしまうものなのですね。
 
 
     

両親がストックホルムから遊びに来る二日前の12月の17日、我が家に待望のシンシンの義兄弟(笑)がやって来ました。

ストックホルム近郊にある猫のシェルターからの迎え入れも考えて施設に何度もメールを入れたのですがなかなか連絡がつかず、数ヶ月後に3度目のメッセージを入れた頃やっと「あなたの興味のある猫は残念ながら昨日、貰い手が見つかりました。」というメッセージが戻って来て、勿論、貰い手が見つかったのはとても喜ばしい事なのですが、何かとても素っ気ない対応。

また私達はメインクーンという猫に興味を持って、スウエーデン国内のブリーダーさんにメールを送り、返事のあった幾つかのブリーダーさんのお宅を訪問して実際に子猫を見に行ったりしたのですが、何度もやり取りをしてこちらの希望など意思疎通も互いにちゃんとしていたはずなのに、実際にその場に行って見ると、選択肢が無く、私達の希望ではない子猫を見せられたり、のらりくらりの対応の後、数週間後の沈黙の後、メールで突然「他を当たってくれ」というぶっきらぼうなメッセージを受け取ったりで、この一連の経験はスウエーデン人のある特殊な気質を見せつけられた様に感じました。
 

何か味気ない、淡白、というかとても素っ気ないスウエーデン人気質、とでもいうのでしょうか。自分の行動によって他の人に迷惑をかけようが、あえてKY(空気読まない)でけろっと明るく自分の優先事項を優先出来る、というパターン。
 
面白いのはそう言う事は一対一での同じ空間にいる時はあまりなく、実際にはとても笑顔で好印象な人達が多いのですが、それが文書だったりメール、電話だとか顔の見えないシチュエーションになると思いっきり一方通行。

私達はこのスウエーデン人の特質をinocuous negligence (悪意のない怠慢さ)と呼んでいるのですが、地理的にも隔離されて、人口の大変少なく高度に整った
社会制度がクッションの役割をして、あまり切磋琢磨して過酷な競争で勝ち抜く必要のない社会でこその特質なのかな、と。(汗)

勿論、国民性というのは一般論であって、皆がそうであると言う訳では決してなく、責任感強く目的意識もって物事に打込む働き者の方達、そういった人達もたくさんいらして、性格は個人差によるものの方が大きいのは勿論の事。

そういう様々な経験を経て、私達はとても責任感があって信頼のおけるブリーダーさんと出会い、新しい子猫を家族として迎え入れる事が出来ました。
私と相方は、新しい子猫はシンシンとは全く違ったタイプの猫を、と考えていました。
 
シンシンは私のかけがえの無いソウル・メイトでした。
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血筋や血統とは全く関係のない所で、シンシンのくぐり抜けて来た様々な経験とその中でも失われず一層輝きを増した人を信じる心の輝きがシンシンの人格ならぬ猫格を形成して、あのとても穏やかな性格、旺盛な好奇心、臨機応変なしなやかさをもって私達との心の絆を強め私達にとってかけがえの無い魂の一部になり、私達もシンシンの一部になりました。

✨✨

メインクーン・キャットはその名前の通り、アメリカのメイン州を代表する飼われている家猫の品種の中で最大になる猫。見かけの大きさとは裏腹にその性格の穏やかさと飼主への従順さと忠実さの性格が特徴で、別名Gentle Giant とも呼ばれる所以になっています。
その起源についても、フランスのマリー・アントワネットがつかまる前にアメリカへの亡命を計画していて、彼女はつかまってしまったけど彼女の飼い猫だけがアメリカへの亡命に成功してアメリカ現地の猫と恋仲になって生まれた、という壮大なロマンス説(ちょっと信憑性が薄いですね。😌)もあります。

信憑性があるのが、バイキングに連れられてネズミ取りとして舟で飼われていた北欧の猫(ノルウエージャン・フォーレスト)がアメリカにたどり着いてアメリカ現地猫と子孫をつくってそれが現在のメインクーンになった、という説。

この逸話を読んだ時、相方の家族の住むメイン州と私達の住むパリつながり(メイン州とパリがつながる、なんて事は滅多にあるものではありません!!😆)、という偶然の一致にもちょっと運命を感じたのと、それとやっぱりシンシンとは全く別のタイプの猫を迎えたい、と思ったのがメインクーンを飼おう、と思ったきっかけだったのです。
 
 
 
初めて、ブリーダーさんの元へ子猫達を見に行った時、4匹いる中で私の気を惹いたのがこの白い子猫。
 
 
他の子猫がとてもやんちゃで活発なのと対照的に、体つきは一番兄弟姉妹の中で大きいにも関わらず、性格が一番穏やかで落ち着いているのがとてもシンシンに似ていて。。やっぱりシンシンの弟分にはシンシンと似た子が気になったのかもしれません。
 
メインクーンの白は優勢遺伝なので、メインクーン特有の優勢遺伝で出やすい難聴(目の色の左右で異なる所謂オッド・アイを持つ白い猫に出やすい)や心臓などの疾患への心配も無きにしも有らずだったのですが、ブリーダーさんがとても信頼の置ける遺伝関係にも詳しい方だったので大変幸運でした。

相方が帰りの車の中で「どの子猫が気に入った?」と聞くので「白い子猫かな。」と言ったら一緒について来てくれたスウエーデン人の相方の会社の秘書の方も「実は私もあの白い子猫が気に入った」というのでその時点でもう決定(笑)。
 


そして家に来る日も決まって相方とSofo’r Pets (Ostgotagatan 26, 116 25 Stockholm)に一通りの必要になるものを買いそろえ、シンシンの時には買った事の無かったキャットタワーを、「勿体ない」、と言い張るピューリタン気質全開な相方を説き伏せ、初めて購入成功。(大笑)

そして当日、なにかそわそわとしながら午前中の時間をやり過ごし、前の晩は二人ともちょっと緊張のあまり良く眠れなかった事もあって重たい頭を強めのコーヒーを数杯デミタスで飲んでそわそわとしながら待機。

そして夕方の5時になってブリーダーさんと共にやって来ました。
 
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ケージから出されたまだ三ヶ月目の白い子猫は部屋の中を緊張感を全身で漂わせながら歩き回り、さささ〜っと机下の椅子に隠れて周囲の様子を目を大きく見開いて全身耳だんぼにして観察している。

ブリーダーさんから育てる上での様々な注意事項を聞いて、彼女はメインクーンは大きくなる猫だけれどもなるだけ小さめに育てた方が猫として本来いいと考えてる、という事を話してくれました。

 
餌はもう、大人用の餌に切り替えて良い、と言う事でいくつかの推薦銘柄のキャットフードを書いてくれる。そして子猫の血筋の証明書に記された親達の遺伝情報を細かく説明してくれ、最後にスウエーデン発行のEU用のパスポートを貰う。
 
シンシンの時はペット用の健康保険に入っておらず、検査費・入院費など合計で1万ドル近くかかった。今回はちゃんとペット用の健康保険にも加入済み。

スウエーデンは数少ない狂犬病清浄国なので狂犬病の予防接種は義務化されていないけれども、私達はパリの家に連れて行くつもりだったので、パリについてから狂犬病の予防接種を受けさせた。(注射をうってから最低、三週間はフランス国外を出られない。)
 
その夜の私達の浮き足立った喜び。

夜、寝静まった中で、遠くでヒタヒタと小さな猫の足音が聞こえて来る。私は心配性なので何度も真夜中に様子を見に行くと、寝ていてもすくっと首を持ち上げて私を大きな目で観察している。
 
 
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シンシンが亡くなってから私が姉の様に慕うパリの大切な友人がこんな事を話してくれた。「猫によって生まれた心の空虚感は猫によってしか埋められない。」と。

これには一理あると思った。彼女も大切な大切な我が子の様なトラニャン子をお見送りして、今は双子の様に仲の良い美猫アイドルのキジトラ〜ズに囲まれて目をキラキラさせて愛をいっぱい放って、そしてまた受け取って、パリの一番星の様に輝いている。
 
シンシンとトラニャンのつないでくれた縁。心から大切に思います。

人との縁は人生の中で一番大切な宝物。
能縁と所縁、人生そのもの。


そして不思議な事にこの新しい子猫が来てからもっともっとシンシンの事も身近に感じられる様になっています。
 
それは新しく来た子猫を通してシンシンの姿を探す、というのではなくってシンシンが私を通してこの新しい家族を見守る、といった感じなのです。



さて、この子猫の登記上の名は Prins Valiant というどうもアメリカの古くからのコミックブックのキャラクターからのものらしいのですが、どうもピンと来ないので、相方と急遽ネーミング会議。
 
⬆️これがそのPrins Valiant... どうもこのおかっぱスタイルがピンと来ず。。

どうせなら、とても北欧らしいスウエーデンらしい名前にしたい、という相方の提案でいろいろと考えたのですがどうもいいのが思い浮かばず、最後は「家の住所の通りの名前にしようか?」というのですがOlof Palmes Gata はどうしても発音出来ない〜!

そんな感じで数日間、名無しでしたが、、、、

ふと、この子猫があまりに素早く部屋の端から端まで目にも止まらぬ早さでビューッと走るのを見て私が

「He is just like a snowball!」

と言ったその時、相棒の目がキラリ!

「それで決まり!」
 
  

ということでスノーボール(和名:雪だま)に決定しました。(笑)

 


その後、ストックホルムへやって来た両親とともにクリスマス前にパリへ飛行機で移動。
 
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両親とはパリでオペラを観たり、マルシェへ行って家で料理を作ったり、ととても楽しい日々を過ごす事が出来ました。

パリにはフランクフルト経緯で乗り継ぎが心配でしたが、スノーボールもシンシンと同じく好奇心旺盛に乗り切りました。
イル・サンルイのパリの我が家にもすぐに慣れて、着いて一時間後には我が物顔でソファーの上にどっしり。
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私達はクリスマスツリーを二人一緒になってから飾った事が一度もなかったのですが、偶然入ったボン・マルシェというデパートでとても素敵なクリスマスツリーの飾りを見たのでそこで沢山買って、私から相方へのクリスマスプレゼントとしました。
 
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その後、イル・シテに常設してある園芸店の一角にクリスマスツリーを買いに出かけて、帰りは二人でモミの木を肩に担いで帰って来て、何かとても穏やかで幸せな気持ちに満たされました。私達は様々な困難な状況を、苦境とも言える様な棘の路、燃え盛る炎の中を素足で歩く様な大変な事も多々あったけれども、出会ってからお互いをあきらめずに12年かけて二人でこうやってクリスマスツリーを家に飾れる様にまでなったのだ、と飾り終えたツリーを見ながら二人でなにやらシンミリとする。
 
シンガポールでの椰子の木の即席クリスマスツリーに興味津々なシンシン


スノーボールもいたずらする事なく、私達がツリーに飾る最中もじっと興味深くみていました。これはまるでシンシンと一緒。

先日、狂犬病の予防接種も受けさせてストックホルムへの帰国も二月の初旬に決まりました。そして我が家にスノーボールがやって来てから一ヶ月が過ぎ、身体の大きさも当初の2倍以上になって、毎朝起きて駆け寄って来るスノーボールを見る度に「おや??」と分かるほどに日々成長著しいです。
 
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メインクーン・キャットの子猫としての成長期間はおよそ二年間。
他の猫に比べると格段に長い成長期間です。食事も一日、凡そ4回か5回でまるで犬を飼っているみたいです。性格はまったくアグレッシブなところが無くて、いつでも穏やかでとても陽気な性格はメインクーンの特徴なのでしょう。
 

私と遊ぶ時も注意深く決して爪を出さない様にしてじゃれます。うとうと眠る時も、足や手を私の上に乗せてきて、まるで人間みたいです。肉球を器用につかって小さなな物を地面から持ち上げたり、遊びのルールを作り出して遊びに誘いに来たり、呼ぶと必ず遠くからでもこちらに走ってやって来ます。
 


相方はメキシコへ、ギリシャへ、と家を空ける事がまだまだ多いのですが、毎日、電話をかけて来てはスノーボールの成長振りに驚いています。
 
 
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時間は全ての人に平等に流れて、一日が、毎日が振り返る事無く過ぎて行く。同じ時間を共有して意志を通い合わせることを努力して、そして学びながら家族になっていく。

これから相方と私、そしてシンシン、みんなで一緒に雪だまを慈しんで育てていきたいと思います。
 
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シンシン、空高くからいつまでも見守っていてね。