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赤ちゃんの服は、「大人より1枚少なめで」っていうけど…


こんにちは。橋本です。


大人の感覚で、「赤ちゃんは暖かくしてあげないと…」と思って服を着せてあげる。


その親心が、じつは赤ちゃんにとっては、「ちょっと暑いよー」という状態になることがあります。


もちろん、赤ちゃん自身で着たり脱いだりすることはできませんし、口では言ってくれません。


それもあって、ついつい、親目線、親の体感で、服の枚数を調整してしまうんですね。


ところが、これが赤ちゃんの体感からすると、少し暑い。


そうすると、必要以上に体温を上げてしまい、余分な汗をかくことによって、かゆみが出てしまう、湿疹を作ってしまうこともあるわけです。


そうならないためには、「赤ちゃんの服は、大人より1枚少なめで」が、ひとつの目安ですよー、といわれることがありますが…。


本当に、赤ちゃんに着せる服は少なめで大丈夫なんでしょうか?


赤ちゃん:服の枚数


 


赤ちゃんは“寒さ”に弱くないの?


「赤ちゃんは暖かくしてあげないと…」というのは、ある意味正解です。


なぜなら、赤ちゃん…とくに新生児は、熱を失いやすい体の作りになっているからです。


新生児は大人に比べ、まだ熱を保つ働きをする皮下脂肪が少なく、熱を発する基礎代謝量も少ない。


さらには、体が小さい割に体の表面積が大きいため、皮膚から熱が逃げやすいという性質があるんですね。


だからこそ、産まれてしばらくは、適切な温度環境になるよう、親が保温調節してあげることが、大切なのは間違いありません。


 


アクションからくみ取るのが基本


温度環境が適切かどうかの判断は、赤ちゃんの行動を注意深く見守るのが基本です。


たとえば、「静」と「動」も体温調節のシステムのひとつ。


省熱と放熱のバランスが、「静」と「動」という赤ちゃんのアクションの違いを生み出しています。


産まれたての赤ん坊は、よく身を縮め激しく泣き続けますよね。


あれは、本能で寒さを避けるために、「動」というアクションによって熱を生み出し、自ら体を温めているという側面もあるのです。


逆に、ガニ股、万歳ポーズで、手足を伸ばし静かに眠り続ける時は寒くない…安心して熱を放出している。


この状態が、「静」というわけですね。


赤ちゃんは、寒い時には積極的にアクションをおこす。


では、暑い時にはどうでしょう?


 


赤ちゃんは“暑さ”に弱い


じつは、より気をつけてもらいたいのは「暑さ」です。


さっきは、「赤ちゃんは寒さから守らなければいけない」って言ってたのに、今度は「暑さに弱い」って言ってみたり。


「着させろ」と言ったかと思えば、「服は少なめで」と反対のことを言う。


お前はバカか、と怒られそうですが(苦笑)。


赤ちゃんは寒さに弱いのは間違いないものの、「赤ちゃんは暑さに弱いもの」という意識もそれ以上に大切だ、ということなんですね。


寒い時には、赤ちゃんは泣いたり、震えたりするので、危険信号をくみ取りやすい。


さらに、そうして自ら熱を発することは、体温をキープし、自衛することにもつながります。


つまり、まだ小さいながらも、寒さに対しては、赤ちゃん自身が努力して、わずかながらでも回避することができるわけです。


それに比べ、暑さに対しては、赤ちゃんは汗をかくことでしか対応できません。


大人のように、窓を開けたり、エアコンをかけたり、服を脱いだりといったことができないのですから。


そうなると、暑さに対しては、親の育児方法が大きく影響してくるというわけです。


赤ちゃんが自分の意志で回避行動ができる「寒さ」に比べ、自分の意思ではなかなか行動しようがないのが「暑さ」。


そういう意味で、「赤ちゃんは暑さに弱いもの」という意識が大切なんですね。


乳幼児の呼吸が、ある日突然止まってしまうSIDS(シッズ:乳幼児突然死症候群)というのを耳にしたことはないでしょうか?


乳幼児突然死症候群は、それまで健康だった赤ちゃん(おもに1歳未満)が、何の前触れもなく突然呼吸を停止してしまい、亡くなってしまう現象です。


参考サイト:

乳幼児突然死症候群(SIDS)をなくすために


この現象の原因は不明であるものの、「うつぶせ寝」が最大の原因ではないか、と考えられていますが。


過度に暖めすぎたり、服を着込まさせたりするのも、このSIDSの危険因子ではないかという意見もあります。


この意見を厚生労働省は、公式に認めるには至っていませんが、アメリカ小児科学会は、2011年に「温め過ぎないこと」をSIDSの予防として認めています 1)


まだまだ議論の余地がありますが、こうした面からも、赤ちゃんを思えばこその保温が、逆に負担をかけているケースがあることが、指摘されているわけです。


 


「赤ちゃんの成長」と「体温」をデータから見てみる


どこからが快適で、どこからが暖めすぎなのか?


はっきりさせるのは実際には難しい問題です。


個人差も大きいですからね。


でもやはり、先ほどにも触れたように、いちばんは、「赤ちゃんのアクションからくみ取る」ということです。


それを踏まえた上なら、次のようなデータも、ひとつの参考になります。


乳幼児の1日の体温の動きをあらわしたグラフです 2)


グラフ:乳幼児の体温比較


これを見てもらうと、生後1か月までは、ほんの少し体温が高めで、1日の中での変動が少ない。


つまり、体温のコントロールがまだ頼りない状態ともいえます。


生後3~4か月以降から体温は、36度台前半へと下がり、1日の中での変動にもメリハリが徐々に出てくる様子がわかるかと思います。


比較すると、だんだんリズムが出てきてますよね。


それだけ成長によって、寒さに対する体温調節も徐々にコントロールしやすくなってきていると考えられるわけです。


 


じゃあ、実際に何枚着ればいいのよ


ですから、産まれた直後に役立っていた暖める行為も、同じように続けていては、成長した3~4か月以降では、デメリットが出てくる可能性もあります。


この時期の赤ちゃんは新陳代謝がいいですよね。


寝返りも打ちはじめ、動きもどんどん活発になってくる時期です。


大人と同じ厚さの服を着れば、必要以上に汗をかいてしまい、結果、汗が冷えて風邪を引いてしまったり。


汗が肌への刺激になったり、場合によっては、体が温まってかゆがったりすることにもなります。


これって、アトピーの子どもにとっては、大きなデメリットです。


そのため、赤ちゃんに着せる服の枚数の目安は、


生後1か月頃まで大人より1枚多め


生後3ヶ月頃まで大人と同じ程度


生後3ヶ月頃以降大人より1枚少なめ


このような感じで、赤ちゃんの様子を見ながら、成長に合わせて臨機応変に変えていく。


大人の感覚から推し量るだけでなく、赤ちゃんの都合に合わせて、うまく段階的に対応していくことが大切なんですね。


このようにみてみると、「大人より1枚少なめで」という心づかいは、健康やスキンケアにとって意味のあること。


もちろん、アトピーを悪化させない、ぶり返させないためにも、必要なケアであるわけです。


 


 


 


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参考文献:

1) Task Force on Sudden Infant Death Syndrome, Moon RY: SIDS and Other Sleep-Related Infant Deaths: Expansion of Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment. Pediatrics 128(5): 1030-1039, 2011.

2) 巷野 悟郎 ほか: 健康小児の体温の研究. 厚生省小児保健環境研究班, 1979.


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