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分子量とは?…肌に「吸収される・されない」はどう決まる?


こんにちは。橋本です。


今日は、「分子量」についてお話します。


「分子とか、難しいこと言われてもなあ」


そう思ってしまいがちですが、分子量は、肌のしくみ、スキンケアを知るうえで、とても重要な要素。


なぜなら、分子量によって、肌に「吸収される」か「吸収されない」かが、決まってくるからです。


どういうことか、ここで少し掘り下げたいと思います。


分子量:肌の吸収


最小の単位:分子


身の回りのもの、いわゆる「物質」のほとんどは、分子が集まってできたもの。


逆にいうと、ものを細かーく分割していけば、分子にたどりつきます。


分子は、ものを細かく分けていった、最小の粒です。


粒といっても、小さすぎて、もはや肉眼では見えませんが。


で、今話題にしている「分子量」というのは、その分子の重さ(質量)をあらわします。


そして、分子量におおよそ比例して、分子のサイズも決まってきます。


分子量が大きくなれば、分子のサイズも大きくなる、という感じです。


肌に吸収できる「分子量」は、どれぐらい?


人間の皮膚には、外からの異物の侵入を防いだり、体内の水分が蒸発しないようにするための機能。


皮膚のバリア機能が、生まれつき備わっています。


肌に吸収されるには、この皮膚バリアを通過しないといけないわけですが。


分子のサイズ。つまり、分子量が小さくないと、なかなかこのバリアを通過できません。


で、気になるのは「どれぐらいの分子量なら通過できるのか?」ということです。


皮膚を通過できる分子量は、おそらく「500以下」だろうといわれています 1)


図解:皮膚バリアと分子量


皮膚バリアは、ザルの網目のようなもの


たとえば、ヒアルロン酸


ヒアルロン酸の分子量は、「100万以上」だといわれています。


もう、ケタがちがいますね。


そのため、ヒアルロン酸は、そのままでは肌に吸収されていきません。


肌の表面を「ザルの網目」にたとえると、ヒアルロン酸の大きさは、「ゴルフボール」みたいなもの。


何か大胆な工夫をしない限り、どう頑張っても、網目を通すことはできない。


つまり、肌に吸収されていかないわけです。


ステロイドの分子量


アトピーの治療に使われるステロイド外用薬


その分子量は、だいたい450~520ぐらい。


皮膚バリアを通過できる大きさです。


「ステロイド外用薬はすりこんで塗る必要はないですよー」というのは、この分子量も関係しているんですね。


プロトピックの分子量


プロトピック軟膏の分子量は、822です。


一方、皮膚バリアを通過できる分子量は、およそ500以下。


「じゃあ、せっかくプロトピックを塗っても、吸収できないじゃん」


ということになってしまいますよね。


しかし、アトピーの症状があると、皮膚のバリア機能が弱っています。


少し「ザルの網目」が広がっている状態。


ですから、アトピーの症状で皮膚のバリア機能が低下していれば、分子量822のプロトピックでも、きちんと肌に吸収されていきます。


そうして、症状がよくなってくるとともに、だんだん吸収されなくなってきます。


皮膚のバリア機能が回復してくるわけですからね。


逆にいうと、いいコンディションを保っている皮膚には、プロトピックが吸収されていきません。


タクロリムス:分子モデル


人間の皮膚にはバリア機能がある。


そのため、肌に塗ったものが、すべて吸収されるとは限りません。


分子量も、肌に「吸収される」「吸収されない」の大きな決め手になってくるわけですね。


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参考文献:

1) Bos JD, Meinardi MM. The 500 Dalton rule for the skin penetration of chemical compounds and drugs. Exp Dermatol 9: 165‐9, 2000.

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