夏のある日、A太の皮膚の状態が悪化してきました。
いつものアトピーとは違う
水泡のようなものができているのです。
病院に行ったところ
「とびひ」と診断されました。
「とびひ」は傷などに細菌が感染してできるもので
掻き壊して水泡をつぶすと
汁が付いた場所に症状が広がっていく
という病気です。
治療はとびひ部分に薬を塗り
水泡のつぶれ防止にガーゼで覆うこと。
(ガーゼで覆わない治療法もあるようですが
当時の私はそのように指導されました）
幼稚園はお休みです。
アトピーの為か
とびひはあっという間に全身に広がり
そこを1か所づつガーゼで覆うのは大変な作業でした。
やっと仕上がったとき
そこにはガーゼのばんそうこうだらけのA太がいました。
このころの私はいつもA太のアトピーを嘆いていました。
この時もA太のかわいそうな姿を見て
泣きだしたい気持ちでした。
外出できずにい部屋遊びをするA太を見ながら
この子と健康でピカピカ輝くよその子と
いったい何が違うのか
何が悪いのか
どうしたらアトピーが治るのか
私は考えました。
とびひは１週間ばかり続きました。