アトピー辛さランキング 第3位 「考え方を縛られる」
「アトピーに考え方を縛られる」
これを辛かったことの第3位にしました。
これは当時は辛いとは感じていませんでしたが、
もしかしたらほんとはこれが一番辛いことかもしれません。
あまりにも肌がひどい状態だったため、
私はだんだん現実を余り見ないようになりました。
いわゆる現実逃避ですね。
空想好きな女の子。
自分の作った世界の中で
自由に生きる女の子。
お城に住むお姫様になって
空飛ぶペガサスに乗っていたこともあったし、
拳銃を片手に一人強盗に立ち向かい
殉職する刑事になっていたこともありました。
…書いてて恥ずかしいわ(*^o^*)
ま、小学生ですからねぇ…。
あとは、ひたすら本を読んでいました。
特にアルセーヌ・ルパンのシリーズが大好きで、
全巻読みましたね。
たまらなくダンディーなルパンの世界に
どっぷりと浸りこんでいました。
でも、そんなふうに過ごしていても、
どうしても現実に戻される時はありました。
本を読んでいても、
自分の手や腕は視界に入ってきます。
それが嫌で、本は机の上に広げた状態で置いて読んでいました。
また、教室ではずっと引き出しの中に両手を入れていました。
字を書いたりするときだけ、出して来て
書いたらまた引き出しへ。
両手はいつもポケットの中へ。
よく手を出せと怒られましたが。
見ないで済むように
静かに過ごしていました。
ところが、
自分でも不思議なんですが、
4年生くらいだったでしょうか?
テレビに出たいと思った時期があるんです。
当時、NHKで「中学生日記」という番組をやっていました。
これは名古屋の中学生たちが出演して、
いろんな学校生活のあれこれを演ずるドラマでした。
あるとき、この出演している中学生が
地元のごく普通の中学生なんだと知ったんですね。
それなら、私も出られるかも♪
って単純に思ったんです。
ただ、何度かテレビを見ていると
主人公が友達に本を渡す場面なんかで
手の大写しの場面があるんです。
それを見て、
「私が出る時には、手の大写しはやめてもらわなくちゃ」と
真剣に(笑)考えていました。
でも、そのうち、
「いや、手だけじゃないや、顔のアップも困るわ」
「足の荒れてるところが映るから、スカートはダメね」
…と、ようやくのこと、テレビに出られるような肌の状態じゃないと
深く自分で納得したんですね。
自分が自分を見て嫌だっていう以外に
人から客観的にどう見られるかっていうことに
ようやく思い至ったんです。
バカみたいですが、これは割と大きな経験でした。
自分のやりたいことがあっても、
まず先にアトピーでもできるかどうか?
それを考えないといけない場合がある。
私は、そんなふうに学んでしまいました。
それ以後も、部活であったり、就職であったり、
あるいは異性との交際や結婚、出産についてでも、
いろんな場面で「アトピーだからできない」という考えに
私は縛られていってしまいました。
「テレビに出たいけど出られない」
これはその考えにはまってしまった
最初の1歩だったように思います。