新選組の謎「沖田総司編」①[池田屋での喀血] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 新選組の名を一躍有名にしたのが池田屋騒動でしょう。

 

 元治元年(1864)6月5日の夜、会津藩と薩摩藩が仕掛けた「政変」によって京を追われた長州藩の藩士らが、失地回復のために京の三条小橋にある料理屋池田屋で鳩首していました。

 

 局長の近藤勇が隊士の沖田総司らとともに表口より入って玄関口で「旅宿改めである」旨を告げると、主人は驚いて奥の2階へ走っていきます。

 

 そこで近藤らが主人の跡を追って2階へ上がると、長州藩士ら20名ほどが一斉に抜刀したのです。

 

 対する新選組は、このとき二手に分かれて長州藩士らの会合場所を探っていたため、総勢10名。

 

 浪士らの半分の数です。

 

 かなりの激戦となり、近藤がのちに郷里へ宛てた書簡で、沖田総司の刀の帽子(切っ先部分)が折れたと証言しています。

 

 時代劇などではこのとき、その総司が喀血して離脱するシーンが必ずといっていいほど描かれています。

 

 本当に総司は喀血したのでしょうか。

(つづく)

 

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