観た、『大海原を行く渡り鳥』 | Joon's blog

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支離滅裂

『大海原を行く渡り鳥』を観ました。

 

長崎県の雲仙に辿り着いた滝は、磯部や由紀を載せた馬車が強盗に遭っているところを救い出す。しかし、由紀が持っていた、大金を詰めた鞄を奪われてしまう。

強盗の正体はゲルマニウム鉱山を所有する由紀と兄である信夫の坂井兄妹への嫌がらせを続ける平和運輸、その社長が磯部だったのだ。

平和運輸に乗り込んだ滝は奪われた大金を取り戻すだけでなく、父を探しに長崎までやって来たみどりの父親で、不本意ながら磯部の下で働いている三木を説得する。

それを知った磯部は、強盗に失敗した哲と三木を殺させる。磯部が信夫の経営する観光会社を潰しに掛かる事を知った滝は、信夫の会社の用心棒として雇われるが……といったお話。

要約すると、滝が鉱山の権利を奪おうとする磯部の陰謀を叩き潰そうとする話です。

 

シリーズ第7作。

今回、俺ッチが観たのは何年か前にBSプレミアムで放送されていた(のを録画した)もの。

そして、今年になってBS12が渡り鳥シリーズを集中放送していましたが、両方とも第5&6作目を放送してくんないんですよねぇ。

ここまで観てきて、そんなにマズい内容になるような作風でもないと思うんだけど…。

放送してくれたらしてくれたで、またいつもの山とか土地の権利書を巡る話なんだろうな(笑)。

 

いつもと変わらない話とは言え、それが続けばキャラの深みが増してきます。

とは言え、毎回登場するのは主人公の滝だけですが(笑)、よっぽどテキトーな脚本でもなければキャラが破綻する事はなく、滝だったらこうするだろうという意味で感情移入しやすくなるんですね。

相も変わらず、滝は流れ着いた街でトラブルに巻き込まれますが、みどりという手無し子[テテナシゴ]が悲しんでいるのを見過ごせなかったのが発端。

年端も行かない子供には献身的な優しさを見せるけど、年頃の女性には目もくれない(笑)滝のキャラは今作ではもう確固たるものになっています。

 

滝とイイ感じになるヒロインを演じるのは浅丘ルリ子さん。

…と言いたいところですが、今作ではヒロイン=由紀の影がかなり薄く、ストーリーにもあまり影響を与えないし、イイ感じにすらならないんだよね。

ヘタすれば今作のヒロインの座はみどりに譲らざるを得ないくらい(笑)。

思い返せば、ここまでヒロインに想いを寄せられる事はあっても、滝からの好意を見せるシーンってほとんどないですよね。こちらの妄想で強引に思わなきゃいけないというか。

 

渡り鳥シリーズの密かな見どころは、雄大な大自然。

オープニングでは画面いっぱいに広がる山を映し出し、これだけでスケールがデカい映画なんだと思い込ませます。

1961年の作品という事で、山道も舗装はされているけどアスファルトはまだ敷いておらず、人間の手が入っていない自然の姿を堪能できるのもいいんです。

こういう所にも古い映画の醍醐味があるんだよね。

 

そして今作に始まった話ではありませんが……山を巡る話なのにどうしてこんなタイトルを付けたんだよと。

海が1ミリも出てこないわけではないので、“ラストで大海原を行く渡り鳥”と呼ぶ方が正確です。

まぁ、タイトル詐欺も渡り鳥シリーズのお家芸という事で見逃してあげましょう(笑)。

 

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