- 見切る! 強いリーダーの決断力/福田 秀人
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少し前のブログに書いた桑島社長のセミナーで紹介されていた本ですが、オススメいただいただけあって面白かったです。というよりも、耳が痛いという内容でした。毎回毎回こういう手の本を読むと冷や汗も出るのですが、「ふふーん」と読んでしまうような本よりも断然有益です。
冒頭にも書かれていますが、将来は正しく予測することはできない。であるならば、現実を直視して、正しい判断力を下すことが必要だ、というのがこの本の論旨になります。
取り上げられている事例もさまざまで、著者独自の言い回しで、そういったことに陥っている会社が非常に多いということを述べています。
例えば「カレンダー理論」。これは毎年(いつも)やっているものだからやめるといろいろ思われるのではないか、というような理由にならない理由で継続されているものがあるのではないか、というコスト削減の問題。どこの会社にも一つや二つはこうしたことがあるのでは、と思うとやはり耳が痛いですよね。
そして「コンコルド理論」。ここまでお金も人もつぎ込んだのだから、と赤字であろうとなんであろうと、継続してしまうという体質の会社。これはなかなかないな、と思いながら、大きなプロジェクトでは確かにそうかも知れないですが、日々の業務プロセスの中ではもしかすると、こういったことに陥っている可能性もあります。
外にもこういう事例があるということで、いろいろ書かれているので、興味のある人は読んでほしいのですが、上記の二つ以外にもこうした行いをしている会社は「愛されるべきほのぼの会社」として存在し、そしてつぶれていくというのがあるようです。これにあてはまる「ほのぼの会社」はこんな会社というのをこの本からの抜粋で記載しておきます。
■ほのぼの会社の九条件
・人事関係
1、採用した社員は、怠け者でも雇い続け、ミスや手抜きをしても叱らない。
2、仕事をせず、ろくな成果をあげなくても、昇給、昇進させていく。
3、昇進させた者は、その役職では力不足であっても、異動や降格をさせない。
・仕入関係
4、仕入先や外注先がミスをしても、「気をつけてね」と言うだけで簡単に許し、めったなことで取引を中止しない。
5、金払いがよく、めったなことで値引きを要求せず、安い見積もりを出せば「こんなに安くて大丈夫なの?」と心配してくれる。
・顧客関係
6、販売先や顧客の面倒な注文やサービスの要求には、二つ返事で応じ、顧客満足を心がける。
7、気安く値引きする。
8、クレームをつけられれば、相手側に非があっても反論せず、謝罪や補償をする。
・株主関係
9、ちょっと儲かれば、内部留保に回すより、株主配当をはずむ。
どうでしょうか?あなたの会社はこの九条件は満たしていませんか。該当するな、と思ったら本書を読んでみてください。アドバイスになる部分もあると思います。
プラス思考だけでも事業、経営はうまくいかない、とういのも「なるほどな」と思う内容です。だからこそ、リーダーとしての決断力として、冷静さを兼ね備えていないというところなのでしょう。