【確認申請って何だ?2】
実は、
この確認申請は、
申請者は誰がなっても構いません。
建物を建てる人でなくても、
建物のお金を払う人じゃなくても、
建物の所有者として登記する人じゃなくても、
土地を持っている人じゃなくても、
誰でも出せます。
なので、
お爺さんの土地にお父さんがお金を出して息子さんの家を建てる、
なんてことも確認申請上はまったく問題はありません。
ただ、
銀行さんやその後の税務署や登記がどうなるかは別の話ですが。
ようするに建てる建物の内容が大事なのであって、
申請する人は誰でも良いわけです。
そして、
確認申請は我々のような建築士の資格を持った者が、
その多くは設計監理者ですが、
委任状をもらって申請代理者となって申請をすることになるわけで、
これを代理申請と言います。
ただ、
実は、
これも私達のような建築士の資格を持った人でなくても、
申請はすることが出来ます。
建築士というのは、
建物の設計や監理などを行うことが出来る人であって、
申請出来る人、
ということではありません。
別に誰でも申請することは出来るわけです。
設計や監理だけ建築士に頼んで申請は自分で、
なんてことも可能で、
法律で認められた範囲であれば、
自分で設計して申請することも出来ます。
これを本人申請と言います。
司法書士さんの登記だとか、
税理士さんの確定申告とか、
なんかも同じことですね。
本人申請が可能です。
ただ、
建築の場合は、
建築基準法など建築関係法規を熟知して、
設計図を描ける人でなければ、
まず一般の方が申請をすることは不可能、
だと思いますが。
何しろ専門技術職ですので・・
昔、
とある審査機関で確認申請の打ち合わせをしていたときのこと、
隣に図面とか書類とかを出して確認申請をお願いします、
とおじさんがやって来ました。
しばらく打ち合わせをしていると、
なんかもめています。
これでは駄目です。
受付なんてとても出来ません。
何でじゃ~!
せっかく準備して来たのに、
とりあえず受け付けて後で持ってくれば良いだろう!
と、
おやまあと聞いていると、
どうも一般の方が自分でDIYで離れかなんかを建てたいからと本人申請に来たようです。
その後も、
まず設計図を描いてください、
スケッチでは駄目です。
ここにこの建物は建てられません。
容積率とか建ぺい率とかご存じありませんか?
まず建築基準法を勉強してください!
などなど。
どうも、
お話にならないようです。
それにたいして凄い剣幕でおじさんはまくし立てます。
なんでこんなもん出すぐらいにお金使わないかんねん、
こんなもんぐらいわしでも出来るわ!
駄目なら教えてくれれば良いだろう!
いや・・・・
そして、
業を煮やした審査官が・・
面白そうに眺めていた私を指差して言ったのです。
あの人に相談しなさい、
あの人は建築士さんですから!
って。
馬鹿野郎、
何言うんだお前・・
すると、
おじさんがスタスタやってきて言いました。
やってもらえますか?
こんなものにもったいなくてお金は払えませんが!
と。
丁重にお断りいたしました。
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