続きです。
建築の「用」と「美」のバランス、
なので、
一軒一軒その家にふさわしいバランスを探します。
敷地はどうか、
地盤はどうか、
災害は何が起こりうるか、
家族構成はどうか、
住み方はどうか、
お仕事は何か、
お子さんはどのくらいか、
趣味は何か、
などなど・・
それを元に、
まず、
その建物に必要とされる「用」を決めていきます。
その上で、
その「用」の中でどうやってどのくらいの「美」を作るのかを決めていきます。
建築家さんにも様々な考え方がありますので、
この「用」と「美」のバランスは建てる人によって違います。
だいたい、
有名建築家なんて人や雑誌に出てくるような建築家なんて人たちは、
基本的に思いっきり「美」に寄った人たちです。
なので、
こんな人たちに建ててもらって、
雨漏りしましたとか、
冬寒くて寒くてとか、
新築なのに地震で壊れたとか、
言っても無駄です。
そもそも、
そんなことは最初から考えていません、
って言うかそんなこと考えてたらそんな格好いい建物は出来ません。
ま、
はっきり言ってちょっと言い過ぎですが・・
逆に、
思いっきり「用」に寄っている、
メーカーや工務店の企業建築家なんて名乗ってる人に頼んで、
格好良い空間をなんて言っても、
そんなのは無理です。
何かあればその工務店さんが責任を負い後々修繕などすることになるのですから、
後々文句を言われないよう、
機能・住環境・安全なんかを一番に、
出来るだけお金がかからないよう考えていますので、
雑誌に出てくるような空間の家にはなり得ません。
そもそも、
そういう家は最初から定められた規格で建てていますので、
その規格から外れたことは違うことは出来ません。
まあ、
やれば出来るかも知れませんがもの凄い追加料金が発生します。
そして、
そこに経済性が入ってきます。
何事もお金はかかりますので、
ご予算の中でどこまで出来るのか？
言い換えれば、
ある意味お金を沢山かけ続ければ、
この「用」と「美」はどんどん近づけることが出来ます。
ただ、
現実には住宅でそんなことは相当な大金持ちの人にしか出来ません。
これだってある意味家です。
大きなビルなどでそれが出来るのは、
建物の大きさや金額からスケールメリットがあるからです。
必要とされる「用」を満足させた上で、
その中で最高の「美」を生み出す。
それが建築だと思っています。
そこで、
顧みるに高速道路です。
高速道路に「美」など必要ありません。
必要なのは１にも２にも機能と安全です。
なのに最近の高速道路はなんだか「美」ばかりが先走っている気がします。
なんか、
どこもかしこも格好いい格好いい。
実際に、
逆走などがたくさん発生しているのですから、
高速道路の「用」の極みである安全というのは完全に破綻していることになるわけなのですが。
「用」も極めるとそれが美しい、
「用の美」というやつですが、
高速道路に「美」があるとすれば、
そういう物でなければならないのはないでしょうかね？
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