さてさて前回の続きです。
そこで、
こういうことは建築でも同様のことが言えると思っています。

「用」と「美」というのは、
絶対に相容れません。



ここで言う「用」とは、
「用の美」という理にかなった使われる道具の美しさ、
ということではなく、

あくまでも「使うこと」あるいは「住むこと」ということです



極端なことを言えば、
美しく格好いい建物というのは、
使いやすくて住みやすくて安全な建物とはなりません。



なので我々のような建築に携わる者達は、
常にこの「用」と「美」を近づけようと日夜努力しています。

技術であったり、
経験や知識であったり、
新しい材料や設備であったり、
などを駆使して頭を絞って「用」と「美」を近づけようとしています。



けれども、
いくら近づけても、
そんな「用」と「美」を完全に同立させることは、
出来ません。



ただ真四角なだけの建物にただ平らな屋根をかければ、
まず雨漏りは起こしませんが、
そんな建物を格好いいとか美しいなんて言う人はまずいません。

真四角な建物に均等に柱を立ててあげれば構造的には非常に地震等に強くなりますが、
そんな建物は柱が邪魔で美しく使いやすく機能的になどなるわけがありません。



まあ、
お金を無尽蔵にかければ大抵のことは出来るのですが、
決められた金額の中で建てなければならないのですから・・
残念ながら。

お金と言っても、

たとえば、
階段の手摺り、
既製品のシステム建材の壁付手摺りなら2~3万円もあれば十分ですし、

 

 

自立手摺りでも10万円もあれば出来ますが、

 


どこかのお洒落なビルの階段のステンレスや、

 

 

強化硝子や、

 

 

鋳物の手摺り、

 

 

あんな風にしてくださいって・・
まあ100万円では足りないでしょう?

桁が違うんです。
建物自体が何億何十億もするビルのスケールメリットがあるので出来ることで、
とてもじゃないけど一般住宅では出来ません。



なので、
バランスが必要になるのです。



その、
「用」と「美」の境目をその経済性の中でどこにもっていくのか、
ということです。



私達のような建築家などと呼ばれる人が建てる建物というのは、
基本的にはこのバランス「美」に寄っています。



もちろんそれはその人の考え方にもよりますので、
その寄り方は様々なのですが・・



普通な建物を普通に建てれば普通に使いやすく住みやすく安全な建物は出来上がります。

一般的な住宅メーカーや不動産屋住宅や建て売り住宅などという建物は全てこういった普通を基準に「用」に寄った作り方をしています。

たくさんたくさん建てますから、
後で文句を言われないように、
間違いやミスが起きないようにするのにはそれが一番だからです。

その時期の流行など取り入れて、
いくら格好良く見えてもそれは普通の上に貼り付けたデザインでしかありません。



が、
それでは面白くない。
のです。

私達が建てる意味が無い。

造形と空間が造りたいんです。
だって大きな造形や空間は建築でしか造れないんです。



お金をたくさんたくさん掛けた何億もする大豪邸ならかなりのことは出来ます。
相当に「美」によった家にすることが出来ます。
が、
そんな家は極々一部の話で、
逆に言えばそんな家は工夫もクソもないので我々からすれば誰でも出来るので面白くも何ともない。

いや、
ちょっと言い過ぎか・・



もちろん豪邸も大好きです!
是非ご依頼ください、
待ってます。



大きな造形や空間をデザインできるのは建築だけです。
せっかく建てるのなら造形や空間をデザインしたいのです。



 

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