【住宅各論:キッチン3】
さてさて、
今日は、
キッチン、キッチンセットの平面形状による分類です。
ようするに、
キッチンセットを上から見たときの形ですね。
ワークトップの形状です。
大切なのは人間工学。
キッチン内での作業時の移動距離と作業スペースをどうするかです。
だいたい、
I型、
L型、
コ型、
Ⅱ型、
の4種類ですか。
まず、
1:I型キッチン。
ワークトップがまっすぐな直線形で一つだけのキッチンセットです。
一番多いタイプのキッチン平面形でオープンキッチン、アイランドキッチン、壁付きキッチンなど全てのキッチン形状の基本平面形状になります。
昔はこのI型で巾が2700mmとか3000mmとかの大きなキッチンが作業スペースが大きくとれるためによく選ばれたのですが、
巾が大きいと作業しながらキッチン内をたくさんたくさん横歩きしなければならないため昨今はあまり巾の大きなキッチンセットは好まれません。
通常の使い方であれば一歩でシンクに一歩でレンジに移動できる、
巾は2400~2500mm程度が一般的です。
そこで不足する作業スペースをつくるために、
奥行きを大きくしてそこに物を置けるようにしたオープンキッチンやセミオープンなどやカウンターのある対面キッチンなどが多くなっています。
手を伸ばして奥に食器やボールなどを置くということです。
2:L型キッチン。
ワークトップがL型に90度折れ曲がった形のキッチンセットです。
壁付きキッチンなどの場合はオープンキッチンなどのように奥行きを大きくすることが構造的に出来ません。
このため巾の大きなキッチンセットにして作業スペースを確保すると移動距離が大きくなってしまいます。
ちょっとお塩を取りに2歩も3歩も歩かなければならない・・
ことになってしまうわけです。
そこで、
移動距離を小さくしながら作業スペースを増やすことが出来るようしたのが、
このL型キッチンです。
横を向くだけでシンクから作業スペースに移ることが出来ます。
もちろん正面はオープンキッチンで側面は壁付きキッチンになるL型や、
L型のアイランドキッチンなどと、
組み合わせることも可能です。
どのくらい作業スペースが必要なのかで決めればよいかと思います。
ただ、
当然全体としては少し大きくなりますので、
少々お値段は上がることになります。
3:コ型キッチン。
ワークトップがコの字型になったキッチン。
L型キッチンよりもさらに作業スペースが増やせるキッチンです。
4:Ⅱ型キッチン。
ワークトップが2列になったコ型キッチンの側部がない形状のキッチンです。
このコ型やⅡ型は作業スペースをたくさん作ることが出来る平面形状のキッチンです。
ただ、このコ型やⅡ型の場合、
キッチン内で移動する際に振り向くという動作が必要になり、
横を向くだけなのとは違いこれはそんなに楽なことではありません。
1回だけ振り向いて食器や食材を取り出すだけなのではなく、
野菜を切って振り向いて調味料を取り、
振り向いて鍋に入れ、
振り向いてまな板を洗い、
振り向いて鍋を回す、
という移動が続きます。
けっこうきつい。
このため、
このコ型キッチンやⅡ型キッチンというのは、
あまりお母さんが料理を作る一般家庭には向きません。
どちらかというと、
毎日大量の料理を作られる方や、
毎週パーティーを開くような方、
多人数で調理をされる方、
料理教室を開くような方、
半分料理人のような方、
などに向いています。
料理屋さんやレストランなどプロの方の厨房というのはだいたいこの形状とアイランドの組み合わせですよね、
それだけの作業スペースが必要な方用ということになります。
さてさて、
そこで、
先日のキッチン種類名と平面形状名をそれぞれ組み合わせると、
下の写真のキッチンは、
I型のペニンシュラ型オープンキッチン。
次の写真は、
L型の半ペニンシュラ型壁付オープンキッチンの吊戸付ということになります。
まあ、キッチンメーカーなんて、
新商品が出来るたびにコピーライターなんて人たちが勝手に新しい名前をつけるのでね。
どんどんどんどん
新しい名前が生まれてきますので、
明日はどうゆう名前になっているかわかりませんが。
何がどう変わってるのかさっぱりわかりませんし?
前と何も変わってませんが?
それどころか、
昔に戻ってるんですが?
真新しい聞いたことのない名前を聞くと、
人は
なんかすごい!
格好いい!
素敵!
ってなっちゃうようです。
そんなん、
どうでもいいと思うんですけどね。
要はどういうキッチンがほしいのか?
でね。
でも、
名前が目新しいと売れるんでしょうね。
Atelier繁建築設計事務所HP
http://ateliershigeru.com
よもやま建築日記~家づくりの現場から~
http://ameblo.jp/ateliershigeru/
