【住宅各論:屋根材6 金属屋根】



さてさて、
説明だけでえらい長くなってしまいました。

そんな金属屋根について考えてみましょう。
 

 



金属屋根にももちろん長所と短所があります。

まず長所

1:何と言っても軽いこと。


軽いと言っても金属ですからもちろん重いです。
でも瓦などに比べればずっと軽い。

それもビルなどに使われる屋熱材などとは違い、
あくまでも住宅の屋根に使われる0.3mmなどの薄い屋根材の場合の話しです。

とにかく軽い、
なので耐震性に優れます



2:加工しやすいこと。


もちろんこれも住宅の屋根に使われる薄い屋根材の場合の話しです。
板金屋さんが現場で加工しながら葺くことが出来るので施工性に優れます



3:防水性が高いこと。


防水性が高いというのは言い方がちょっと違うかもしれませんが、
瓦棒葺きたて平葺きルーフデッキなどで屋根を葺くと、
0.5寸なんていう他の屋根材とは次元の違う屋根勾配で屋根を葺くことが出来ます。
つまりほとんど平らに近い屋根が作れます。

これは建物のデザイン性などには大きく寄与する物になります。

ちなみにもちろんその物がどういう物なのかによって違いはありますが一般的には、
スレート屋根ですと3寸くらい、
瓦屋根ですと4寸くらい、
が最低勾配になります。


あ、というのは・・
屋根の勾配、つまり斜屋根の角度を示す単位のことで、
横に10行った所の斜屋根の高さが4上がる角度が4寸勾配です。

なので瓦棒葺きなどで最低勾配0.5寸なんかで屋根を葺くと、
建物の大屋根の斜面長さが5mあったとすると屋根の低いところから高いところまでの高さの差が25cmで出来る、
ということになります。

ちなみにこの場合4寸勾配なら高さの差は200cmつまり2mです。
 

 



4:金属の種類によって耐久性を選ぶことが出来ること。


銅板・ステンレス・ガルバリウム鋼板などの金属で葺けば、
ほぼメンテナンスフリーで相当年数耐用することが出来ます。
もちろん塗装などが取れてきたり端部が壊れたりなんてことはあるかもしれませんが、
根本的に葺き替えなければならないなんてのはまずありません。



そして、
5:これが私たちには最重要なのですが、
金属的な未来的なデザインや、
シンプルでスカッとしたデザインや、
和風やジャパネスクなデザインなど、
他にはないデザイン性を得ることが出来ます
 

 



ただもちろん金属屋根には大きな欠点もあります。

1:雨の日に屋根に当たる雨の音。


一番大きな欠点ですか。
勘違いされている方も多いようですが、
これは遮音性とは違います。
金属は遮音性は高いです。
外の車の音などはそんなに入っては来ません。

ただ、
その金属に当たる雨の音つまり打撃音
どうしても金属の厚さが薄いために太鼓の皮のような状態になり、
雨音がしてしまいます。
これをいやがる方は多いようです。

ただ、
昨今では裏当てなどした防音型などのものも増えてきています。
さらには設計で断熱などとあわせて遮音性を持たせることにより、
相当雨音はしなくなってきました。



実際の所、
きちんと対応した設計と施工をしてあれば、
屋根に当たる雨音がうるさいなんて時は、
ハッキリ言って外壁や外の庭や道路に当たる雨音の方がずっとずっと大きいと思うんですよね。

今でもうるさくて寝れない金属屋根なんてのは、
そういう設計をしていない屋根じゃないですかね?



2:断熱性が低いこと。


これも事実です。
金属は熱伝導率が高くしかも屋根材は薄いので熱を伝えます。

ただ、
これまた設計や施工の問題ですよね。
きちんと断熱設計していれば何の問題もありません。
断熱材をどこにどのくらいどういうものを入れて、
どうやって熱を外に逃がすのか?
ってことです。

今でも平然と金属屋根は暑いよ!
なんて言う人がいるのはそれをやってない家がどれだけあるのか?
ってことなのかもしれません。

まあ、
ただ瓦にだけにはさすがに勝てませんが・・
スレートなら同じようなもんだと思っています。



3:錆びること。


お父さん世代などはこれがあるので金属屋根イコール安物と思っている人が多いようです。
そんなお父さんには、

ふっる~!!

と言ってあげてください。


先に金属屋根の材料で書いたように、
その金属を何にするのかで金属屋根の耐用年数はまったく違います。

今でも、
トタン屋根なんかにしてしまったら、
当然10年もすれば錆び錆びでしょう。



でも、
銅・ステンレス・アルミなどにしたり、
昔からあるそんな高価な金属でなくとも、
ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板などにすれば、
その家のローン支払い期間くらいは楽勝で錆びません。
メンテナンスフリーです。

もちろんいろんなことがありますし環境にもよりますので絶対ではないですが・・

だって台風で看板飛んできてぶち当たったら流石に無理でしょうし、
でもそれなら瓦だって割れちゃったりしますしね。





なんか、
金属屋根絶賛!
みたいになってしまった。

まあ、
ようするに我々のような建築家とか設計事務所なんて商売の人達は素材感のある本物の建材が好きなんですね。

瓦棒葺きやたて平葺きのシンプルでスッキリした感性とか、
一文字葺きや横葺きなんかのジャパネスクなイメージとか、
そこに金属特有のシャープな素材感なんかが相まってくると、
他にはない意匠性を得ることが出来ます。



ただ、
欠点も多い屋根材ですので、
あくまでも屋根材だけではなく、
屋根勾配や形状や野地板や断熱遮音材や通気層などとあわせて考えて、
決して設計を間違えないようお願いいたします。


 

Atelier繁建築設計事務所HP
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