【住宅各論:屋根材5 金属屋根】



前回、金属屋根で屋根を葺くための金属の種類について書きました。
その上で、
それらの金属を使って屋根をつくるための葺き方の種類です。



葺き方っていうのはどういうことかというと、
ようするにその金属の板をどのような形にして屋根に貼るか・・
ということです。

屋根材に使う金属の板はその板の厚みによって葺き方はまったく違います。
基本的には外壁の場合と一緒です。
 ※参考に「住宅各論:外壁5」  

 

 

 


外壁では
薄い0.2~0.4mm程度ならスパンドレルや板金、
厚い1.5~2.5mm程度ならパネル、

屋根もこれと同様で、
やはり厚い1.0mmとか2.0mmとかの金属の屋根はビルや工場などに使うものなので、
住宅の屋根で使う場合はそのほとんどが厚さ0.2~0.3mm程度の薄い金属になります。
ここでは一般的な住宅の屋根の話しにしましょう。

だって無茶苦茶あるから大変なんだもん・・



ではよくある順にということで、
値段順ではありませんのであしからず。

瓦棒葺き(心木あり)
瓦棒葺き(心木なし)
たて平葺き(たてはぜ葺き)
一文字葺き
菱葺き
亀甲葺き
横葺き
段葺き
金属瓦葺き

波板葺き
ルーフデッキ・折板葺き


といったところで。



瓦棒葺き心木あり:
昔からある葺き方で屋根の上から下に向かって心木という角棒を打ち付けてそこに金属板を巻き付けて葺きます
現場で板金屋さんが加工して葺く自由度が高い葺き方です。
防水性が非常に高いので小さな屋根勾配でも可能です。

 

 

 


瓦棒葺き心木なし:
瓦棒葺きの心木をなしにした葺き方です。
工場で平部分の1枚1枚を作ってきておいて現場で組み合わせて葺きます
これも防水性が高く小さな屋根勾配でも可能です。
また大きな屋根などにも対応します。
昨今、一番多い葺き方ですね、
工期を非常に短く出来ますから。

 

 

 


たて平葺き(たてはぜ葺き):
瓦棒葺きの心木部分がなくはぜでぎゅぎゅっとくっつけただけの葺き方
単純で防水性も高く安価ですが、
心木がないので屋根板にしっかり緊結するのが難しく少々強風などに弱くなります。
台風なんかで倉庫とかの屋根がベリッとめくれて飛んでった!
なんてのはこの葺き方が多いです。
つまり小さい屋根とか庇なんかに向いた葺き方です。

 

 

 


一文字葺き:
スレートみたいに金属板を小さく切り分けて一枚一枚の平板を屋根面の水平方向に一直線になるように組み合わせていく葺き方です。
非常にデザイン性が高くカーブなどの屋根でも自在に葺けます。
数寄屋建築や神社仏閣の金属屋根などはだいたいこれですね。
ただ防水性についてはやや劣るためあまり緩い屋根勾配では出来ません。
板金屋さんの腕の見せ所です。

 

 

 


菱葺き・亀甲葺き:
一文字葺き同様の小さい金属板を菱形や扇形などの形で組み合わせて張っていく葺き方
特にそういうデザインに特化した葺き方で、
非常に高価なのでどうしてもという場合にしか使われません。
屋根勾配や防水性については一文字葺き同様です。

 

 

 


横葺き・段葺き:
一文字葺きに似ていますが細かい部材ではなく、
屋根に対して横に長い部材を組み合わせた葺き方です。
折り曲げ部を段状にして厚く見えるようしたのが段葺きです。
これらもデザイン性が高いのですが、
やはり緩い勾配では出来ません。

 

 

 


金属瓦葺き:
金属板をプレスなどで瓦の形状に成型し、
それを組み合わせて葺く葺き方
です。
ようするに金属でつくった瓦ですね。
デザイン性は高いのですが、ちょっと高価になります。
金属製で軽いので屋根葺き替えの際のカバー工法などでよく使われます。

 

 




と、
ここからはちょっと種類が変わります。
金属の板を組み合わせて葺くのではなく、
大きな板を持ってきてバーンと載っける葺き方です。
普通の斜屋根ではなく陸屋根のように勾配を小さく葺く葺き方です。



波板葺き:
波形のスパンドレル状にした金属の板を防水ボルトで留めていく葺き方
防水性や耐風性はかなり劣りますが最も安価な葺き方です。
簡易な建物に用いられます。

 

 

 


ルーフデッキ・折板葺き:
金属の板を大きな山と谷に折り曲げて重ね合わせていく葺き方
非常に防水性が高い上に野地板が不要になるので安価に屋根を葺けます。
この山と谷の大きさによって強度が決まり、
大スパンが可能になるので工場や公共施設など大型建築の屋根に多用されています。
住宅などの場合は山と谷の小さなルーフデッキと呼ばれる軽いものを使います。

 

 




はぁ~
なんかまたまた疲れてきた。

ここに書いたのはまあ代表的な金属屋根の葺き方で、
これ以外にも様々な葺き方やいろんなメーカーが考案している特殊な葺き方なんかが多々あります。



ま、
大きく言えば、
板金やさんが葺く葺き方と、
工場である程度造ってきた物を葺く葺き方
とにわかれます。

どっちが良いかはあんまり関係ないですかね。

防水性というのは屋根勾配次第な所がありますので、
何とも言えないところです。

1寸なんていう屋根勾配が緩い場合は瓦棒やたて平葺きやルーフデッキになりますが、
4寸なんていう屋根勾配であればどれでも同じです。
一文字葺きだから防水性が劣るなんてわけではありません。



あとはデザインなどの好みでしょうかね。

私らからすれば、
その建物全体のイメージですね。

 

 

 

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