【住宅各論:屋根材3 スレート】



皆さんのお宅の屋根って何ですか?

まあ、
昨今の住宅屋根は斜屋根ならその大半がスレートですかね。

スレートと言ってもわからないかも?

フルベスト
カラーベスト
コロニアル

などのことをスレートと言い、正確には化粧スレートなどと言います。

 

 

ただ、
本当のスレートというのはこれらのことを言うのではありません。

本当のスレートというのは、
粘板岩という石を薄くスライスして切り出して加工し屋根材などにした、
石の板のことを言います。



今ではこの石のスレートは普通の化粧スレートとはわけて、
天然スレートなどと呼ばれます。



この天然スレート何しろ石ですから、
非常に耐久性・防火性に優れていて意匠性も抜群なのです。
その上屋根材としては薄くて軽いので耐震性もよいのですが、

何しろ自然素材ですから今ではもうそうそう手に入るものではありません。
もちろん手に入ったとしても当然とても高価です。

 

私自身もうこの仕事を数十年続けていますが、

この天然スレートを実際に使ったことがあるのは過去2回しかありません。

ここにお見せする写真もフリー素材などでは探してもまったくありませんでした。

それくらいなかなかお目にかかれない代物なわけです。

 

 

 

ただ、ようは天然スレートって格好いいのです。

なので、

そんな天然スレートに模して作られるようになったのが、
化粧スレート

 

 

 


つまり偽物です。

化粧スレートというのは、、
昔ならアスベストとセメントで、
今は繊維混入セメントなどから作られた成型屋根材です。

外壁の窯業系サイディングなどと同じように型材さえあれば形から化粧まで自由自在でありとあらゆる色や柄や形に作ることが可能で、工場で大量生産できます。



最大の長所は、

とにかく安い!
とにかく施工が簡単!

なのですが、

さらには捨てがたい長所として、
薄く軽い屋根材であるため耐震性が高い
セメントなどで作られているので防火性が高くそのまま屋根防火になる。
そして色柄形が豊富!
なことです。

色や柄はもちろん一般的には平板状のものが多いですが、
形も平形から波形や瓦型のものまで多種多様です。

 

 




つまり、
外壁窯業系サイディングの屋根版と思ってもらえればいいかと・・



かくして今や、
日本住宅の標準仕様!化粧スレート!
となったのです。

 

 



ただ、
サイディング同様に短所もたくさんあります。

セメントなどで作られていて薄いので何かが飛んできて当たったりすると割れやすい。
コケやカビが生えやすい。
耐用年数が10~20年と短い。

特に耐用年数はもちろん環境に寄るところも大きいのですが、
10年程度毎には再塗装が必要で、
20~30年たてば葺き替えが必要になります。



実はこの葺き替えが大変なんです。

今あるスレートを全て撤去して新しい屋根材で葺き直す?
なんていうと、とんでもないお金がかかってしまいます。

何しろ屋根ですから・・

まず建物全周に屋根まで足場を掛けて、
樋やアンテナや太陽光パネルを取り外して、
スレートを撤去して、
防水ルーフィングを張り直し下地を組んで、
新しい屋根材を葺きます。

 



すっげ~大変!
お金かかる!
たいていの人は見積もり見たらひっくりかえります。



なので、
実際にはカバー工法という方法で、
今のスレートはそのままにしておいてその上にもう一つ屋根を葺いてしまうことが多いです。

ずっと安価に屋根葺き直しが出来ますが、
その際に注意しなければいけないのは上に葺く屋根材はより軽いものにしなければ建物の耐震性が落ちてしまうこと。

同じスレートにするといくら軽いスレートと言っても二重になれば相当重くなります。
設計時から重量屋根設計してあれば問題ないですが、それがわからなければどうしようもありません。
まあ、一般的には普通のメーカー住宅や建売住宅ではやっていないでしょう。

であれば、
たとえ法律では何も決められていないにしても、
金属屋根などより軽い屋根にすべきです。
 

 



そうやって諸々考えると・・
少しくらい当初お高くても、
最初からメンテナンスフリーに近い瓦屋根や金属屋根にしておいた方が良いんじゃね~?
って思うのですが・・



2カ所ある50万も60万もするトイレの便器、ランク下げれば出来るんじゃねっ?
って思うのですが・・
 

 

 

 

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