【住宅各論:外壁7 タイル】



外壁タイルについて続きです。



貼り方によってもタイルは分かれます。

大きくは、
湿式工法という接着剤を使って壁に貼り付ける方法と、
乾式工法という金物を使って壁に取り付ける方法、
とにわかれます。



その中でも湿式工法は、

1枚1枚職人さんが手で貼っていく方法、
これは職人さんの腕によって出来映えに大きな差が生まれてきます。

 

 

打ち放しと50二丁タイルのコンピネーション。

 

 

ただ、
腕の良い職人さんが貼ったタイル壁というのは、
同じタイルとは思えないくらい美しい物です。
目地がビシッと通り壁に陰影がくっきりと生まれます。

 

 

 


乾式工法タイルなどとは比較になりません。



何枚かのタイルを紙に前もって貼り付けて持ってきて、それをバシャッと貼る方法、

ネット貼りと言います。

たくさんのタイルをいっぺんに貼ることが出来るのでビルなどに貼る際によく使われますが、

これは磁器質などの薄いタイルでしか出来ません。

 


 


さらには工場で前もって貼り付けた板を持ってきてその板を外壁に取り付ける方法、
などがあります。

 

これらが湿式工法という接着剤でタイルを貼る工法です。


ところで、

実はこのタイルという材料は何しろ重いので、
住宅の外壁、特に木造や軽量鉄骨造などの外壁の高いところに貼るのは不向きです。
高く貼るのには木造では壁が重さに耐えられませんし、

万が一落ちてきたりすると大変に危険です。

 

さらには木造に限らず鉄骨造などでも建物は柔構造、
つまりある程度揺れることにより地震などの力を逃がすよう作られているため外壁も揺れますのでタイルは落下の危険性をはらみます。

本来のタイルというのは揺れることのない鉄筋コンクリートの壁に貼るために物、
といっても過言ではありませんでした。

 

まあ、

今では接着剤が非常に進化していますのであまり落下などの心配はないのですが・・




そこで揺れても落下の危険性のない工法として生まれてきたのが、
金物を使って取り付ける乾式工法です。

先に壁に金物を取り付けておいて、そこに引っかけが作ってあるタイルをカチャカチャと引っ掛けていきます。

 

タイルを貼るのに特別な技術も何もいりませんので、

誰でも簡単に貼れるという長所もあります。

 

 

 

 

ただ、

この乾式工法では目地が深くしっかりとは出ませんので、

湿式工法のような陰影のあるタイル独特の意匠性はあまり得ることが出来ません。

 

 

 

さらにはせっ器質のタイルなどは重いので、
木造などの住宅ではどちらの工法にしても高いところで使うのは難しく、
落ちたら困りますので。
さらには頭が重いのは建築には致命的です。

つまり2階はやめといて、1階の壁だけとか、

 

 

 

バルコニーだけタイルとか。

 

 


よく見かけませんか?
1階の壁はぐるっとタイル貼ってるのに2階は塗り壁とかサイディングの家。
あれですあれ。



そこでタイルを軽くしたい、
陶磁器ではない軽いタイルなどもたくさん出てきています。
樹脂系とかセメント系とか何だかわからない難しい原材料の?

ようするに偽物なんですが・・

あれは本来はタイルとは言えないんですが・・
だって陶磁器ではありませんから。

見ると一目でわかるんですよね、あれ。

でも軽いのです。

 

ただ、

やっぱり本物貼りたいですよね。



本物のタイルは目地がビシッと通って光が当たると陰影がくっきりでて、
それは美しいのです。
それがタイルの最大の良さです。

 

 

これは手貼りボーダータイルの外壁です。

 


乾式工法だとそれがないんですよね~。
やっぱり湿式で貼りたいよね~。

でもそうするとただでさえタイルはお高いのに下地とか大変でお金かかるんだよね~。



そんなこんなでタイルというのは非常に優れものの外装材であるのは間違いがないのですが、
何しろ手間とお金がかかります。
塗り壁やサイディングなどとは比較にならない。



何だか結局何でもかんでもお金なんですけど・・
いやだね~
やっぱりどこもかしこも窯業系サイディングになっちゃうってのはしょうがないのですかね。



鉄筋コンクリートの家なら良いのですが・・
やはり憧れの外装材ってことなんですね。

 

 

 

 

Atelier繁建築設計事務所HP
http://ateliershigeru.com
よもやま建築日記~家づくりの現場から~
http://ameblo.jp/ateliershigeru/