【住宅各論:階段5】



一番難しい階段である、
様々な年齢の不特定多数の初めて来た人が使う階段というのはどこにあるのか?
というと、
ホテルとか美術館とか、
劇場とか映画館とか、
百貨店とかショッピングセンターとか、
もちろん公共施設とか、

 


このためそういった建築にある階段というのは法律上最も厳しい規制の下につくられています。



それにしてもたとえば美術館とかホテルとか劇場とかの階段って、
美しい階段が多いですよね。

 


もちろんお金がたくさんかかってますでしょうし・・
天才建築家の大先生なんかのデザイン設計ってのがその理由なのでしょうが・・

規制が多い建築には用の美が込めやすい、
のではないかとも思っています。

広い場所に大きな階段を規制に従ってただ普通に作ってもある程度は美しく見えるのではないか?
ということです。
バランスが良くなるのです。



階段というのは細かい部材を大量に組み合わせて作りますのできちんと作るとそれだけでそのディテールは美しいものになります。
そこに何かの工夫やデザインやなんかを施してやると、
それは美しい階段が出来上がります。



逆にそういった法の規制が緩い階段というものもあります。
ようするにある程度同じ人達がいつも使う階段です。

同じ人たちが使うのでその人達にあわせて作ればよくて、ある程度計画的に逸脱していてもすぐに慣れますのであまり問題は発生しません。

もちろんまずは住宅なのですが、
それ以外にも
個別店舗やレストランなんかの階段とか、
オフィスビルなんかの階段とか、



やたらお洒落な階段とかぶっ飛んで格好いい階段などのデザインに偏った階段というのはこういった建築の階段に多いようです。

ただ用の美からは逸脱した階段も多い?

美しいけどめっちゃ歩きにくい、

格好いいけどあっぶない階段。

 

バラバラクチャクチャな段の階段、
向きがあっちゃこっちゃ変わる階段、
手摺りがない階段、
スカスカで子供が落ちそうな階段、
やたら長っぽそい階段、
梯子に近いような箱階段、
やたら幅が広いのに手摺りが端っこだからそこばっか歩く階段、

見た時になんじゃこりゃ!?
なんて階段はこういう建築に多いようです。

みなみな格好いいかもしれませんが、
用は満たしません。



そういえば手摺りのない代わりに階段下に水平にネットを張ってある階段なんてのも見たことがあります。

落ちてもネットがあるので安全です!っちゅうわけです?

やたら見た目はスッキリしていて綺麗ですが、そこを上る人が落ちるであろうことが前提とされた階段です。
ここまでくるともう設計者の傲慢なのかお施主さんが馬鹿なのか?
わからなくなってきますが。



用の美を持つ階段は美しい
けれどもそれはその用を満たして初めて言えることです。

 


構造的に細かく法の規制も大きい、
安全性も防災性も強く求められる、
作るのももちろん大変、



だから階段は難しい・・



けれども、
だから階段は美しい・・
のです。

 

 

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