三つ屋根の家その1:ホール。 | よもやま建築日記~家づくりの現場から~
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愛知で家づくりをする建築士が日頃、思ったことや考えたことなどを徒然に、さらにはちょっとした家づくりのヒントや知識などを気の向くままに書いております。建築にはいろいろな考え方がありますが私達の考え方や取り組み方などをお伝えできればば幸いに思います。

三つ屋根の家その1:ホール。





作品紹介を久々にやろうかと思います。

題して「三つ屋根の家」という家。



名古屋近郊の住宅地に建てられたこの家は、お子さんたちがすでに手を離れられた、お孫さんたちがしょっちゅう遊びにやってくる・・そんなご夫妻のお宅です。



ですからそんなに大きな部屋や部屋数は必要がありません

リビング・ダイニングと、寝室、そしてお子さんやお孫さんが泊まるための部屋が一つあれば十分です。



そして、ご夫婦はまだまだお若い・・けれども、そんなに遠くない将来にお年をめしたときのことを考えて建てなければならない家でもあります。

そのため、この家は平屋です。



そして、何よりも、ゆとりと遊び心がほしい・・とのご要望でした。




そこで、まず、敷地南側にある昔から長年お施主さんが大事に世話をされてきた立派なお庭、その景色を大きく部屋に取り込み、南面する部屋のどこもが、あたかも庭の中にあるかのような調和を作ること。

さらに、平屋であることを利用した空間構成をデザインに昇華させること、つまり小屋組を空間に使う・・・無駄な空間を無くす、それを実現するための技術を構築する。

最後に、フレキシブルに変動する各部屋がつながったり、閉じられたりすることにより、ホールを通じて大きくもなり、小さくもなり、使い方によって自由自在・・な間取りを作ること。



以上の三つを基本として設計を進めてみた住宅・・がこの「三つ屋根の家」です。






はたして、うまくいったのかどうか?







今日は、ホールです。




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この家には玄関ホールなるものは存在しません。

家の真ん中に南北に走る廊下状のホールがあり、そこの端部が玄関になっています。

このホールの屋根は陸屋根・・に外観上は見えるよう納められた緩い勾配屋根で、ホール内は小屋組をすべて意匠として見せています。



ホールの両サイドにはリビングと座敷(客間)があり、床はまったくの一体で、その間は大きな3本のガラス戸で仕切られています。

これを閉じると、ホールはホールになり、開けるとホールはリビングにも座敷にも変貌します。

又、ホール中程にはホール自体を玄関部と部屋部に分けるための扉がついており、これを閉めればお客さんが見えてもパンツ1丁でお風呂に入ることも可能・・・なわけです。



玄関の外からは、玄関上の窓よりこのホールの中をみることが出来ます。

もちろん、小屋組は見えますが、人はまったく見えません。



外から入ってこられるお客さんは、玄関戸を開けると、まっすぐ目の前にホールを通してホール南側の大ガラスより南側のお庭にあるご主人自慢の「槙の木」を見通すことが出来ます。

大ガラス前は坪庭となっており、リビングからも座敷からもそしてホールからもこれを楽しむことが出来、その低木の坪庭越に南側の庭園も楽しむことが出来ます。

北側の玄関から南の庭を眺める・・これがこのホールの一番の贅沢になりました。



そして頭上には「吉野杉」の飛び梁と小屋組が間接照明により幻想的に照らし出されます。







アトリエ繁建築設計事務所HP

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