『陰陽風雨』とは、今から約2500年前の中国で、気候を表現するときに用いられたそうです。
私のこの10年も、陰のときも、陽のときも、風が吹く日も、雨の日も…ありました。まさにこの表現がぴったりだと感じました。上手くできてるな~、楽しいな~と感じることは、4分の1くらいで、後は悩んだり悔やんだり苦しんだり…。
一般的には、陽は明るく、陰は暗いイメージがありますから、どうしても陽性の方が肯定的、陰性の方が否定的にとらえられがちです。でも、これらは日本語のなかに現れた陰陽のイメージにすぎません。
陰と陽は、互いに補い合う関係です。どちらか一方が欠ければ、どちらも存在できません。
私の好きなかんざしの制作技法に『透かし』があります。私はいつも、この透かした部分(空気)が大切だと思っています。
糸ノコで透かされて、銀板が抜けることによって、その向こう側の景色が見えます。
銀と髪(空気・景色)が作り出すモノが、ようやくひとつのかんざしとして存在できる!と思うからです。透かされたその空気の部分まで含めてようやく華eのかんざしになるのです。
鼈甲なら成り立つかもしれませんが、真っ平な銀のみでは、かんざしとしては…なかなか使いませんよね?
陰なら陰、陽なら陽というものが絶対的に存在するのではなく、互いに補い合う関係…
それが、どこか透かしの技法につながり、私がどうしても心引かれて、10年間あきもせず、銀製かんざしを制作してしまう由縁かと…。
東京と京都で、10周年の個展をさせていただけるなんて、幸せです~☆
もうすぐ、個展の詳細を告知いたします。
是非おこしやす(^o^)