底冷えの京都と普茶弁当 | 野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

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昨日は、今年4回目の京都にやって来た。通院のためだ。

 

1月1日の怪我はだいぶ順調に回復しているため、「せっかく京都に来ているのだから、少しぐらい観光したい」という気分が沸いて来た。(笑)とはいえ、まだあちこち歩き回れるほどの自信はないので、夜間の観光バスで食事付の面白そうなものはないか探してみた。

 

すると、あった! 京阪バスの「雲龍院の特別拝観と閑臥庵コース」(8200円)だ。

 

昨日は第4週の日曜日で、エルスール財団記念館では野村喜和夫現代詩講座があった。午前中にその準備を済ませ、スタッフに引継ぎをしてから品川へ。14時17分品川発の「のぞみ」で京都に向かった。あいにくの雨で、富士山はまったく見えず。

 

16時21分京都着。そのまま烏丸口の観光バス案内所に向かい、予約してあった観光バスのバウチャーを受け取って乗り込んだ。三連休最終日の夜だからか、それとも少々渋すぎるコースだからか、乗客は私を含めて女性のみ三人だった。17時10分京都駅発。

 

バスは、間もなく伏見の泉湧寺別院の雲龍院に到着した。伏見稲荷には二回来たことがあるが、雲龍院の拝観は初めてだ。しかも、閉門後にたった三人で特別貸切拝観! 若住職の解説付きで、あまりにもぜいたくな時間となった。

 

 

 

 

 

応安5年(1372年)に後光厳天皇によって開かれたという雲龍院は、皇室との関係も深く、昨年は上皇様もいらっしゃったそうだ。

 

龍の襖絵のある本堂、北朝の歴代天皇の位牌が祀られた霊明殿、「走る大黒天」などは写真撮影禁止だったが、JRの京都キャンペーンにも使われた「蓮華の間」「悟りの間」は撮影OKだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも、住職が海外旅行で買い求めて自ら運んだという象の絵、昨日から飾り始めたという若住職の妹さんの雛人形、檀家の一人であった大石内蔵助の書「龍淵」など、興味深いものがたくさんあった。

 

それにしても、お寺は寒い! 足の裏から冷気が体中に伝わる。ガイドさんは「これが今の時期ならではの底冷えです。無料で味わえる京都名物なんです」と言って、私たちを笑わせた。

 

次にバスが向かったのは、地下鉄烏丸線「鞍馬口」近くにある、黄檗宗の禅寺、閑臥庵だった。宇治市の黄檗宗大本山の萬福寺はかつて母と拝観したことがあったが、閑臥庵は初めてだ。

 

中国風の門をくぐり、ライトアップされ金色に輝く本堂に向かう。本堂脇のお庭が見渡せる座敷が夕飯会場だった。広いお座敷で、バスガイドさんを含め四人での普茶弁当の夕食。これまたぜいたく! しかも、別料金でアルコールも頼めるというので、みんなで遠慮なく注文した。(笑)ハイボール、梅酒ロック、そして私は瓶ビールだ。もちろん、仕事中のガイドさんはお茶だけだった。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、普茶料理とは江戸時代初期に中国から日本へもたらされた精進料理。今回はお弁当のスタイルでいただいた。

 

ごま豆腐の元祖ともいうべき「麻腐(まふ)」、調理の際に残ったへたなども余すことなく使い、細かく刻んで葛でとじ、雲に見立てたという「雲片(うんぺん)」、一見てんぷらのように見えるが、素材や衣自体に味がついている唐揚げに近い料理「油茲(ゆじ)」などどれもおいしかったが、ものすごいボリュームで、少しばかり残してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、約3時間20分のコースが無事終了。ガイドさんからは「明日の病院頑張ってください!」と、エールを送っていただいた。ありがとうございます!

 

冬の特別拝観がある今の時期は、観光バスも面白いコースがあるようですので、みなさまもいかがですか? 私は、雲龍院の「蓮華の間」と「悟りの間」がとても気に入りました。また、「迷いの間」に続く、月明かりが入ったように見える座敷も、夜間拝観でしか味わえない忘れ難いものでした。