蒼い月夜に沈む千年の館
蒼い夜に訪ねてごらん
千年の夢がそこに凍結されて
君が来るのを待っている
(画像と本文は直接の関係はありません)
6月に入り、大雨も降りました。これからは雨の季節。記事はまだ5月のものですが、初夏のある雨の休日のこと。
5月13日(土)、天気予報では曇り時々雨。降っても小雨ということで、気温もあまり低くないし、レインウエアを着込んで排気量110ccの小型自動二輪、スーパーカブ110プロにまたがって曇天の下、バイパスを快調に走った。曇りや小雨の日は妖精の住む?神社、五所駒瀧神社がいい、そしてその裏山の真壁富士(396m)は豊かな樹林に覆われた山で、小雨程度なら、むしろ瑞々しい緑の中の山歩きが楽しめるだろう。それで真壁富士を目指してバイパスから片側一車線の国道に入り、山沿いを走っていると、なんと予期しない突然の豪雨に近い驟雨。それでも引き返さなかったのは、真壁富士方向が明るかったからだ。たぶん目的地は曇りか小雨。真壁富士の麓の町のスーパーまで行って様子を見ようと思った。
茨城県桜川市の旧真壁町のスーパーにバイクを停める。思った通り雨はポツポツ降る程度で、空も明るい曇り空だった。飲み物とパンを買って、町郊外の真壁富士に向かう。もう濃い雨雲はなさそうだ。
真壁富士(396m)は緑深い低山だが、なるほど、富士山に似てなくもない。権現山とも呼ばれている。
登山口は五所駒瀧神社の境内にある。境内は「千年の森」と呼ばれる苔むした瑞々しい森だ。だから、小雨の日がよく似合う。
苔の上の妖精みたいな石のオブジェが迎えてくれた。境内のあちこちにこういう可愛らしいオブジェや奇妙なオブジェがある。
五所駒瀧神社の拝殿。陽の光の中よりも、小雨の中の方が映えるような気がする。
賽銭箱の上にも可愛いオブジェが。いったい誰が作っているのだろう?
登山口からしばらくは木立の中のゆるやかな登り。小雨程度なら樹の葉が傘になって雨具もいらないくらいだ。
山の中腹にある小さな祠。夏祭りの時は、ここまで松明行列が登るという。夜の森の中の松明行列。綺麗だろうな。
真壁富士は本当に展望のない山だ。中腹の祠から見下ろす真壁の町。これが唯一の展望。戦国時代の真壁郷は佐竹氏の重臣の真壁氏の所領で、江戸初期に佐竹氏の秋田への国替えで、真壁氏も秋田に移り、その後、笠間藩の飛び地として陣屋が置かれた。
祠を過ぎると山は様相を変えた。傾斜はきつく、道は不明瞭になり、巨岩の中を縫うように進むが、樹林は相変わらず豊かで、岩と樹のコントラストが奇妙で面白い。尾根は狭く、急峻になり、ガサガサと音がしたら、猪が1匹、尾根を登って走り去って行った。
山頂の富士浅間神社。といっても祠なのだが。樹に覆われた山頂は、まったく見晴らしがなく、しかも小雨で薄暗く、とても神秘的な感じがした。この先は獣道のような道しかなく、来た道を戻ることに。巨岩の中を縫うように下山すると、この山の険しさをあらためて実感した。中腹の祠からは道が穏やかになるのでホッとする。
下山すると、苔むした狛犬が迎えてくれた。五所駒瀧神社は苔に覆われた世界にあるようで、雨がよく似合う。穏やかな雨の中を帰途についたのだが、帰りにまた驟雨に見舞われた。そして今度は家の方角が明るく、着いた時に雨は上がっていた。
ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります。