3年前の秋、私は恐ろしい体験をしました。シャレにならない話なので、遊び半分で読まないでください。
そして、読んでいる間は、絶対に後ろを振り返らないでください。
私を含め男5人で鬼怒川温泉に行くことになり、私の車で、まずは観光のために日光へ向かいました。ちょうど紅葉の時期ということもあり、どこもかしこも人であふれていました。東照宮や中禅寺湖など一通り見物し、旅館に着いたのが午後5時を少し回った頃でした。
旅館の名前は麒麟亭、創業100年以上の由緒ある老舗旅館ということもあり、外観もさることながら、中庭は白玉砂利が一面に広がり、優雅なひと時を演出してくれる、申し分のない旅館だった。
部屋に案内され、美人女将のあいさつと、夕食メニューの説明などを受け、午後7時夕食がスタートしました。
すでに5人とも温泉に浸かり、リラックスした気持ちの良い状態で、自慢の料理を堪能したのです。
風呂上がりのせいか酒の回りも早く、気分上々の先輩が「コンパニオンをそろそろ」と言い出し、朝までOKという高級コンパニオンを呼ぶことになりました。
午後11時少し前に、5名のコンパニオンが部屋に到着し、宴会が始まりました。
高級というだけありどの女性も美しく、もめることなくカップルが出来上がり、0時を回った頃、エッチな宴会が始まったのです。
電気を消し、5組のペアが一斉にスタート、部屋の中は、猛獣が暴れまわるジャングルのようだった事を今でもよく覚えています。
数時間が経過し、すっかり眠ってた私は、尿意を感じ目が覚めました。
しかし、この旅館は部屋にトイレがないので、真っ暗で出口の方向もわからない状態だったのですが、電気を点てしまうと、みんなに迷惑をかけてしまうので、私は忍び足で寝ている者たちをかき分け、廊下に出た。
薄暗い廊下をトイレに向かい歩きはじめ、あたりを見渡すと、柱時計が3時丁度を指していました。
その時です。私はあろうことか、車の中で先輩が話していた。この旅館にまつわる怪談話を思い出したのです。
先輩も人に聞いた話で、この旅館のトイレには女性の霊が取り付いていて、用を足しているとき「女性の手が便器の底から出てきて、トイレの中に引きずりこむ」と言う話でした。
なんだか急に寒気を感じはじめ、ラップ音のような不気味な音が聞こえてきたように感じたのです。
しかし、尿意はどんどん増していき、部屋に引き返すこともできず、ぶつぶつと適当なお経を唱えながら、何とかトイレに着いた。
扉を押し、一歩中に入ると、まず目に飛び込んできたのが、正面の大きな鏡です。私は目を背け、再びお経を唱え始めました。
「用を足して早く部屋に戻ろう」と、私が呟きながら小便器に近づくと、3つある小の便器にすべて故障中の張り紙が張ってあったのです。私は仕方なく個室トイレの扉を開いた。
すると、便座が和式だったので、浴衣をめくりあげ腰を下ろし小便をし始めた。
その瞬間です! 私の一物を握られたのです。あっ!・・・。
しかし、勢いよく出始めた尿は止まらない。握られた一物が引っ張られ、その力はどんどん強くなっていった。
頭の中に、車の中で聞いた。この旅館の引きずり込む霊の話が浮かんできた。
更に引っ張る力が強くなり「このままでは、便器に引きずり込まれる」私はつぶやき、意を決し、恐怖で瞑っていた目を開けて、勇気を振り絞り、一物を握る手を見たのです。
すると・・・・・・?
おわり