りさが何をしているのか気になりながらも待ち合わせ場所へ向かった。
心の90%以上はそのことを考えていた。
だからみんなの前で普通に振舞えるか不安だった。
でも不思議なことにまったく何も気にしていないかのように楽しむ自分がいた。
なんだか体の外に薄い膜ができたように、
もう一人の自分が奥の自分を隠すかのように、
外界と自分の奥底を遮断していた。
ただ・・・友人と別れたその瞬間、外界との結界はあっという間になくなった。
家路につく自分、なぜかその足は急いでいた。
「もし家に帰ってりさがいなかったら、いなかったら・・・
これは何かをつかむきっかけになるかもしれない。りさより早く帰らないと。」
恐る恐る家のドアを開けた・・・・。
いない・・・・。りさはいない・・。いないどころか帰った形跡もない。
バスルームやリビング、ウォークインクローゼット、どこを見ても何も変わっていない、
「あいつはどこへ行ったんだ、何をしているんだ・・。」
「でも帰ってきたらどうしようか。聞くか?いやどうするのが一番いいんだろう」
ソファーに座りあれこれ考えていた。何か作戦はないかと・・・。