富士山五合目へ到着。実は初めての富士山。


ガスがかかった向こうからがたいのいい男が歩いてきた。


そしてなぜかTシャツ!まさかとは思ったが私の友人だった・・・・。


周りの人たちはみんな登山の格好なのに・・・。


実に久しぶりあった友人。渋谷へ向かう社内は思い出話しに華が咲く。


でも私の心の奥底は気になっていた・・・りさが・・・どうしているか・・・。


渋谷や着くと案の定、まだ昼をすぎたくらい。


つかれきった友人をホテルまで送り、また夜会おうと約束をして別れた。


首都高をとばして自宅へ。いよいよだ・・・。



「なんだか緊張する・・・・。帰ってないだろう、いや帰ってないはずだ。」


帰っていなかったらどうしようと思いながら、反面、帰ってない方がおもしろいかも・・・・・


これから苦しい日々が始まることも知らず、他人の不幸を楽しむかのように期待していた。


尻尾をつかむための第一歩としても。



ドアを開ける・・・玄関から入り口につながるドアの開き具合・・・変わっていない・・・。


私は仕掛けをしたところ全てをくまなく確認した。


何一つ変わっていない。特にバスルームにいたってはシャンプーの向きから、


シャワーヘッドの位置、向き、綿密に状態保存してあった。



「りさは帰っていない・・・。もし仮に帰っていた、リビングのドアの位置が偶然にも


一致したとしてもシャワーは確実に浴びていない。」


「仮に徹夜カラオケだったとしてもこの時間まで帰らないことはないだろう。」

「りさが仕事帰りにいった飲み会+カラオケは新宿あたりに違いない

新宿とうちは目と鼻の先、帰らないわけがない・・・。」


「あいつは一体どこで何をしているのか。どこでシャワーを浴びたのか・・・。」


いろんなことが頭の中を駆け巡った。


気がついたら、約束の時間が迫っていた。


私は疑念を抱えながら家を出た。