参院選「総括」スタート 民主党敗因は国会議員のサボリと野党ボケ

(日刊ゲンダイ2010/7/15)

県連職員や党員が嘆き節
参院選の大敗を受け、民主党は枝野幹事長と安住選対委員長が地方県連のヒアリングを始めた。敗因を総括するという。県連代表を務める国会議員たちは、「消費税増税を言い出した首相が悪い」「挙党体制になっていなかった」「政権運営への期待外れ」といった理由を挙げるが、現場で選挙をやった県連職員や党員たちは、「一番の敗因は、国会議員の“野党ボケ”だ」と手厳しい。
建前でカッコつける国会議員を尻目に、県連職員や党員はいま大きく落胆している。
「民主党は、与党では選挙に勝てないんじゃないか」
この根本的なテーマが現場に重くのしかかっているのだ。 参院選では、大接戦といわれた1人区をことごとく落とした。それも5万票以上の差をつけられた選挙区が多い。結果は、接戦ではなく惨敗だ。
「一語で言うと、組織力の差です」と、ある県連関係者がこう説明する。
「野党の時は、大声で与党を攻撃していれば票が取れた。しかし、与党になると、逆に失点やスキャンダルを厳しく批判され、守りの選挙をしなければならない。どんな時でも民主党を支持してくれる固定客をつくっておかなければならなかったのです。それを怠った。多くの国会議員が『自民党のような古い組織はイヤ』といいますが、それならば、無党派層を新しいお客さんにすればいい。党員やサポーターを集めるというのはそういう意味です。別に代表選だけのためじゃない」
それなのに民主党議員は、党員やサポーター獲得にあまり熱心ではないという。ノルマに罰則がないので、楽をしてしまうのだ。
「自分の系列の地方議員を増やすことも組織力強化になります。自民党は地方議会で多数を押さえているから強い。
来年の統一地方選は、全国の地方議会で大躍進するくらいの準備を、今すぐに始めなければなりません。しかし、どうもウチの先生たちは後援会をつくったり、地方議員を増やすことに熱心じゃないんです」(前出の県連関係者)
民主党の組織といえば、連合傘下の労働組合だが、3年前に比例で50万票獲得した自治労が今回13万票しか出せなかった。組合ばかりに頼れない。
“ガス抜き”の総括ではダメ。民主党の野党ボケの根は深い。