[参院選最終情勢]ささやかれる「まさか」の大ドンデン返し (日刊ゲンダイ2010/7/8)

異変続出 世論調査

投票日が3日後に迫った参院選。ここへ来て、予想外の大ドンデン返しが囁かれている。楽勝のはずだった人が当落線上にいたり、泡沫候補かと思われていたのに意外に健闘していたり……。「あの人がまさか」なのである。

◇さつき・ゆかりが比例上位!
昨年の衆院選で落選し、今回、鞍替え出馬した自民党の片山さつきと佐藤ゆかり。一部マスコミが期日前投票の出口調査をしたところ、なんと自民党の比例候補で片山は3位、佐藤は4位になったという。自民は比例で11議席は堅いとみられているから、このままだとダブルで上位当選しそうだ。片山は、当初なかなか公認がもらえず、大島幹事長に「公認してくれなきゃ、党本部で自殺する」と迫ったとか。そんなむちゃぶりに、党幹部たちも、ほとほと手を焼いていたが、本人は至って元気。
「47の都道府県連すべてを回ったバイタリティーには脱帽」(自民党関係者)という声も聞かれる。
一方の佐藤は、運動量はイマイチというが、宗教票を得たことが大きかった。

◇岡部まりが落選危機?
ナニワのお笑い票の受け皿になるから楽勝だといわれていた民主党の岡部まり(大阪選挙区)。ところが、各社の世論調査では大苦戦している。
「どの調査を見ても、民主は現職の尾立候補が上。改選3議席の3番目に滑り込めるかどうかです。しかし、現在4番目の公明は、牙城の大阪で議席をなんとしても死守したい。最後の3日間で猛烈な追い込みをかけるので、岡部さんが落選するかもしれません」(地元記者)

◇杉村太蔵がセンセーに復帰!?
平沼赳夫、与謝野馨、石原慎太郎といった重鎮効果で、新党の中では、比較的、比例票が取れるとみられているのが、たちあがれ日本だ。獲得1議席なら、中畑清が当確だろうが、もし2議席獲得したら……。杉村太蔵が議員バッジを手にする可能性があるという。
「やっぱり知名度です。遊説に行くと、みんな顔を知っているから集まってくる」(関係者)
ちなみに「たちあがれ」の関係者は、「比例で3人はいく。片山虎之助まで大丈夫」と言っている。
◇息を吹き返したみんなの党

鳩山辞任→菅首相就任で、民主党の支持率がV字回復したことで、最も割を食ったのがみんなの党だ。しかし、民主の支持率低下とともに、みんなの党の支持が回復している。静岡、愛知、神奈川などで、いったん▲や×になった候補者が、再び△に戻っている。
◇プロ野球・石井が◎!?

タレント候補なのに、比例ではなく、秋田選挙区から出馬した自民党の石井浩郎。秋田は衆院の3つの小選挙区すべてを民主党が押さえている。当然、石井は苦戦すると思ったら、各社の世論調査では横一線の大接戦か若干の優勢。自民党では、「ここまで追いついたんだから、大丈夫」と◎を付けている。 予想外の事態が本当に起きるのかどうか。最後まで目が離せない。