「ユリゴコロ」
父親の押入れで殺人鬼の女性の手記を見つける青年。その女性は子供のころからおかしく、少女の頃は虫を穴に落とすことに執着し、最後は友達を池に落とし、溺れ死ぬところをみていた。学生の頃は落ちた帽子を拾おうとしていた少年を助けようとしていた青年の持っていた側溝の鉄板を手伝いながら、わざと下に落として殺す。成人になると、リストカットする女友達のリストカットを手伝う異常な関係に。さらに声かけてきた男性を階段から突き落とし、職場の男性は迫ってきたところをフライパンで殴り殺す。娼婦をし始め、道で偶然会った男性に、何も求められず、お金を渡される。そして子供を身籠もるが、その男性は、側溝の鉄板で殺してしまったことを悔い生きているあの青年だった。しかし求められ、結婚していくと、子供ができると拠り所とするユリゴコロという微妙な気持ちは起きず、幸せを感じていく。そこに過去を知る男が現れ、殺してしまう。行きてはいけないと思い、海で自殺しようとする。しかし止められるが、手記を見た夫は、重しをもたせ、ダムに主人公を沈めようとするが、出来ず、二度と会わないことにする。現在に戻り、手記から自分の母親とわかった青年は、ヤクザに連れて行かれた彼女を探しに、殺人鬼の子供ゆえに殺しにいこうとヤクザの元に行く。しかし、ヤクザは全て殺されていて、彼女の友人と現れた女性が整形した母親と知る。現れた母親を殺そうとするができず、病前の父親のもとに行かせる。なかなかのストーリー。側溝の鉄板の殺人のおかげでつながる夫婦の残酷さ。そこに愛情もあって泣ける。
吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチ、木村多江
★★★★★
サスペンスとしてはかなり秀逸な作品。ストーリー、迫力ともにおすすめ。