「悪人」
出会い系ネットで知り合った男は、相手の女性が別の男の車に乗ったのをみて、追いかけて、殺してしまう。男はおばあさんに育てられ、その面倒をみていた。そのすぐ来たメールに、逢いにいく。その女性は範囲の狭いところで育ち、働いていて、初めて男にのめり込む。男はすぐの関係を持ち、お金を払って去るも、お金を返す女性。男は職場に謝りにきて、人を殺したことを告白し、もっと前に会いたかったという。出頭するところを女性はふたりで逃げることにする。警察に見つかり、思ってる人間ではないと、女性の首を締めて、警察に捕まる。しかしそれはわざとであることがうかがわれる。殺された女性の父親は、見捨てた大学生の男のところへ行くが、バカにされるが、相手に恐怖を与えさせる。犯人のおばあさんは騙された販売会社に大事な孫のためのお金を返してもらいに行き、マスコミに囲まれる。それぞれの大事な人への想いが交錯していく。最後は共にした女性が、タクシー運転手に、やっぱり人を殺したので悪人ですよねと言う。自分が生きてるか死んでるかわからないような生き方をしてる男と狭い世界に生きている女性がくっついていく様が心を揺さぶる。
妻夫木聡、深津絵里、柄本明、樹木希林
★★★★★
バカにしてる苦労を知らない楽しんでる大学生と、狭い世界から出られずにたまたまやった出会い系で落ちていった二つの世界の違い。寂しくもあり、成功している人間の方が悪人とも思えるのは現実的のように思える。大切な人がいることが自分には不幸でも羨ましさを感じる。