NPO法人 女性医療ネットワーク 2013年度 総会シンポジウム
妊娠・出産できる女性の人生戦略 ~私って産めるの?働けるの?~

のイベントレポート②です。


「不妊治療の最前線から~妊娠力は総合力~」
木場公園クリニック・院長  吉田 淳先生



吉田先生ははじめてお話伺いましたが、産婦人科医、泌尿器科医でもあり、MBAも取得され、男性不妊、女性不妊の双方の専門家。しかも体外受精・顕微授精を相当な数を現場でこなされている超エキスパートの先生でもあります!

重鎮的な人かと思いきや、お若くて、はきはきとして、ユーモアのあって、けど仕事に対する真摯な姿勢がうかがえる素敵な先生でした目
趣味はモータースポーツ車!イケイケですね。

で、吉田先生が一番伝えたいということが、「女性も男性も年齢が上がれば妊娠率が下がる」ということ。

具体的には、体外受精・顕微授精の成功率は、

●-30歳: 妊娠率 67% 分娩率 52%

●30-35歳: 妊娠率 57% 分娩率 41%

●35-40歳:妊娠率 47% 分娩率 28%

●40歳-: 妊娠率22% 分娩率8%

だそうで、年齢が上がるほど、妊娠率、更に目的である分娩率は劇的に下がります。
20代後半でも体質的に妊娠しにくい、ということがあるので、20代の時に不妊のチェックがおすすめだそうです。
 
そして、今「卵子の老化」などで女性が年齢が上がるほど妊娠しにくくなることは、情報として広まりつつありますが、男性も年齢があがるほど質の悪い(※運動量がよくなかったり、異常があって受精しにくい)精子の割合が上がるそうです。
その割合は、20代でも平均10%ほどあるそうですが、30代-40代で約30%、50代で約40%となるそうです。

だから、男性も女性もできるだけ早く不妊ケアが必要なのですが、体外受精・顕微鏡受精における40代の割合は1999年12%だったのが、2011年なんと47%に!

これは現場のお医者さんも「悩むんやったら早く来てやー!!」という気持ちになってしまいますよね。。お金もかかるし。


不妊症の原因として、女性のみ41% 男女共24% 男性のみ24% 原因不明11%ほど。
不妊治療はスピードが大事なので、効率的に進めていくためには、女性だけではなく、男性の協力ももちろん必要です!!
だから、男性も是非、不妊のことにも興味をもって知識をつけてほしいですね!

不妊の検査、ケアの方法などもお伺いしましたが、不妊のケアとして、排卵日に限らず頻繁な夫婦生活を持つことが大事とおっしゃってました。
とは言え、いきなり全く夫婦生活をもっていなかったのに、「産みたいから再開!」って言ってすぐ再開できるわけじゃないですよね。。「今は産みたくないからメイクラブはなくても大丈夫!レスでめんどくさくなくてラッキー!」という考え方もありますが、将来産みたいというカップルは、普段から避妊をきちんとしながら、夫婦のコミュニケーションをとっておくことが大事なんじゃないかと思いました!

あと先生から男性のこうがん(たまたま)が大きいほどたくさん精子をつくれるんだよ~とか、そのためのこうがんの大きさをはかる専用の器具があるんだよ~とか、射精から3分くらいで精子は卵管の端までいくんだよ~とかプチ情報を聞きました。こんな情報を聞けるのも現場の先生ならではですね!^^


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