「機甲猟兵メロウリンク」(1988年作品)第5・6話 感想 | 深層昭和帯

深層昭和帯

映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

「機甲猟兵メロウリンク」は「装甲騎兵ボトムズ」外伝的な位置づけの作品で、ATに対して生身で戦いを挑む機甲猟兵のスペシャリストであるメロウリンクが主人公の物語。



第5話・バトルフィールド

あらすじ

バイクを失ったメロウリンクはヘリの残骸の下で暖を取っていた。チェコブの木の棘が刺さった彼は強い幻覚を見た。それは軍上層部の撤退作戦の囮となって死んでいったシュエップス小隊最後の戦いの幻覚だった。軍上層部は敵から奪った大量のジリリウムを安全な後方基地に運びたいとの思惑があった。その任をシュエップス小隊に任せようとしたが生存率10%未満の作戦であったためにシュエップス隊長が抗議した。すると軍上層は彼らを装甲騎兵から機甲猟兵に格下げし、ATをすべて奪った上で前線に置き去りにした。結果、メロウリンクを残し小隊は全滅した。彼は生き残った者の努めとして小隊最後の戦いを軍の公式記録に残さねばと原隊復帰を目指した。だが軍上層部は彼を不都合な事実を知る人間として敵前逃亡の罪を着せた。濡れ衣を着せられ、あまつさえ小隊の名誉も棄損され闇に葬り去られようとしたとき、メロウリンクは敢然と生き残った意味を悟った。

感想

これはすごい。高橋良輔の脚本が良くて一気に感情移入させられる。第1話から復讐に燃え戦い続けてきたメロウリンクがなぜ機甲猟兵にこだわりATに乗らないのか、誰を憎み誰のために戦っているのかきっちり整理されている。軍上層部は敵から奪ったジリリウムに目が眩み、それを横領したようだ。それはスキャンダルであり、軍として始末をつける必要がある。第1話から登場しているあの男(名前がわからない)はメロウリンクと目的を共有して自分の思惑のために利用している感じか。

第6話・プリズン

あらすじ

ルルシーたちのバスに同道したメロウリンクはドッパー軍刑務所に潜り込んだ。そこには仇であるバンスが所長として赴任していた。バンスは囚人の中にメロウリンクを見つけると囚人仲間にリンチさせた挙句に拷問にかけた。囚人たちが彼をリンチしたのは脱獄のことを知られたくないこともあった。囚人たちはルルシーらの慰問団が公演し潮が引いて孤島と陸が地続きになるのを待っていた。ルルシーがメロウリンクに手渡すはずのライフルを手品箱から出したとき、ちょうど囚人たちが脱走し、メロウリンクも獄中から抜け出した。メロウリンクが脱獄したと勘違いしたバンスはライアットドッグで脱獄囚たちを追った。彼はメロウリンクが後ろにいることに気づかずパイルバンカーでとどめを刺された。

感想

とにかく格好いい。自分がロボットものに求めているのはこういうものなんだよね。80年代にはまだこういった作風で作品が作られていたってことだが、もう30年も前になるのか。10年代後半に「装甲騎兵ボトムズ」は求められていないのかなと。最近の作品はロボットものじゃなくて恋愛ものになってしまっている。違うそうじゃないって作品ばかり。「装甲騎兵ボトムズ」の実写風の3DCG作品ってないのかな?