児童養護施設 | 宇宙飛行士を目指す22歳男のブログ

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ただいまロケットエンジンと格闘中

こんばんは!
今日は東京周辺は3月とは思えない天気,非常に寒かったですね!!

今夜はずばり児童養護施設についてお話しようと思います.

大学に入学してから僕が一貫して取り組んでいることの一つに児童養護施設でのボランティアがあります.
これまでに幾つかの施設で学生ボランティアとして御世話になってきました.
実は今夜もそのボランティアの仕事を終えたばかりなのですが^_^;

そもそも僕と児童養護施設との"出会い"は高校3年生の大学受験間近の頃にさかのぼります.
たまたまテレビ番組で当時社会的に認知され始めていた"ワーキングプア現象"の特集が組まれていて,
その中に児童養護施設で暮らす子ども達の生活の様子が取材されていました.

現在はすっかり使われなくなった言葉ですが"孤児院"という言葉があります.
イギリスの作家ディケンズ作の"オリバー・ツイスト"やシャーロット・ブロンテ作の"ジェーン・エア"のような古い小説,それも海外の小説でこの孤児院のイメージはそれとなく抱いてはいた僕でしたが,現在の日本で様々な理由で家族と暮らせない子ども達が存在するという事実を恥ずかしながらそれまでほとんど意識することはありませんでした.

そして僕が最も強く衝撃を受けたこと.

それはこうした施設へ子ども達が入所する理由を調べると,
実の親からの家庭内暴力,いわゆる児童虐待が圧倒的大多数を占めるという事実でした.
旧来ならば例えば両親との死別等の理由により施設に入所する子ども達が主だったそうです.
そして現在はそうではく,実の親からの虐待からある意味逃れるため,施設に入所している子ども達がほとんどなのです.

そのテレビ番組を見た夜のことは忘れられません.
番組の最後に施設の子ども達が七夕の行事で,それぞれの願い事を書いた短冊を笹の葉に結び付けている情景が今でも脳裏に浮かんできます.

たまたま家庭環境に恵まれた自分にはあまりにも当たり前の願い事が真摯につづられていました.
ぐっときました.

そして出来ることなら受験が終わって無事に大学に入学出来たら,
是非とも児童養護施設でボランティアなり何かしらのお手伝いをしようと決意しました.

大学に入学してからの4年間,これまで僕は3つの施設で実際に学生ボランティアとして御世話になってきました.

今振り返ると,色んな意味で僕は間違っていました.

ボランティアを始める前,僕は
"どうにかして過酷な環境にいる子ども達の力になりたい,助けてあげたい!"
そんな思いでいました.

皆さんも児童養護施設というときっと暗くて,何となく陰気で,可哀想だとそういうイメージを持たれる方が多いでしょう.
僕もそうでした.

しかしたまたま僕が御世話になった施設がそうだっただけかも知れませんが,
そこにいたのは明るく元気でいたずらもする普通の子ども達でした.

例えば僕が今,御世話になっている施設では
授業や部活を終えて学校から帰ってきたばかりの子ども達,
それも小学校1年生から高校3年生と幅広い年齢層の子ども達8人みんなで僕も一緒に夕食を頂きます.

夕食も施設の職員さんが心を込めて作って下さった栄養満点の料理です.

そして食卓での会話が弾むこと,弾むこと!
その日一日の学校での出来事や今流行りのアイドルやドラマのこと,ゲームやアニメのこと,つまんない駄洒落,将来の夢,恋バナ...

聞いてる僕も思わず笑顔になってしまう,そんな楽しい食卓です.

何より子ども達の元気が良い!

こんなにも年齢関係なく和気あいあいとしてて,しっかりとした子ども達はいないんじゃないかと思うくらいです.

確かに食事のマナーやその他生活習慣の指導は多少厳しいような気もしますが,温かい職員さんと共にそこには笑顔の絶えない生活がありました.

それでは僕は学生ボランティアとして施設で何をしているかと言うと,
これまでは基本的に小さい子と遊んだり,小学校高学年以上の子の勉強の指導を中心に行ってきました.

"子ども達の力になりたい,助けてあげたい!と思っていた僕は逆に彼らに多くの笑顔と元気をもらいました.
これは決してレトリック,修辞なんかではありません!
心からそう思うのです.

それでも確かに子ども達と接していると時々,
お父さんお母さんとごくたまにしか会えないことや児童相談所での辛い思い出などが思わずもれる,そんな時もあります.
あくまで僕は学生ボランティアであり,プロの職員ではありませんので,そうした敏感なメンタルの問題には触れないようにしてはいます.
それでもやはり普段はあれだけ快活で元気そうな子ども達の心の奥に辛く悲しい思い出があることを感じざるを得ません.

先日,若者ホームレスの問題についてのシンポジウムに足を運ぶことがありました.
近年急増している若年層のホームレス.
そのシンポジウムで僕は若者ホームレスのかなりの部分を児童養護施設出身の子ども達が占めることを知り,大きなショックを受けました.

こうして今,自分と一緒に笑ったり将来を夢見たりしている子ども達がホームレスになってしまうとしたら...

子ども達には何の罪もありません.
天真爛漫な子ども達の将来がたまたま生まれついた家庭の問題だけで握りつぶされてしまう事態を放置すべきではないと僕は考えます.

"実の子どもを虐待する親なんてあり得ない."
と言うのは簡単ですが,それではどうやってこの問題を根本から解決していくのか.
これは社会全体で考えるべき課題ではないでしょうか.

タイガーマスク運動によって一躍世間の注目を集めた児童養護施設ですが,やはりその注目も一過性のものだった感が強くあります.

僕も今はまだ答えが出ている訳ではありませんが,
社会福祉をも志す人間として常に心に留めておきたいし,出来るだけ早く一人でも多くの子ども達が将来の夢を心置きなく描くことの出来るよう努めたいと考えています.

皆さんのお知恵を是非とも拝借したいので,御意見お持ちの方はどうぞよろしくお願い致します.

班 太郎

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